酒造り日記

佐賀県の天吹(あまぶき)酒造の酒造り日記

生もとレポート 硝酸還元菌群編

2009-12-08 12:00:14 | ぶちょ~


こんにちは!

本日、「生もとレポート 硝酸還元菌群編」です。(ちょっと専門的ですが、お付き合い下さい。)
「生もと」のこの「打瀬」の期間は何もせず低温に保ちますが、ただ放置しているわけではありません。
この期間は「硝酸還元菌」が活躍を始めている時期なのです。

「硝酸還元菌」とは、またの名を「亜硝酸生成菌」とも言い、その名の通り硝酸を還元し亜硝酸を生成します。
この「亜硝酸」と乳酸菌が生成する「乳酸」とのW(ダブル)の効果で、悪い野生酵母をやっつけるのです!

硝酸還元菌と呼ばれる菌群には様々な種類がいますが、生モトで活躍するのは「グラム陰性の桿菌群のようです。

Psendomonas(シュードモナス)」は、糖の発酵性が無く、糖により増殖を阻害されます。糖化が進むと増殖阻害され、強い亜硝酸反応を持続する事となります。

腸内細菌の仲間」は、糖の発酵性があり、糖により増殖促進されます。増殖し過ぎれば還元して亜硝酸反応が急速に消失する事となります。

つまり、「Psendomonas」が活躍する場合は亜硝酸反応が持続し、「腸内細菌の仲間」が活躍すると亜硝酸反応が急速に消失するので、どちらの菌が活躍するかによって操作が変わります。
「生もと系酒母」では「Psendomonas」が優位に増殖してくれる方が管理は楽なのですが、仕込水や麹に由来するこれらの微生物、なかなか思い通りにはいきません。
硝酸還元菌は、酸度1.0以上で増殖を妨げられ死滅しますので、乳酸菌をどのタイミングで活躍させるのか・・・見極めと的確な操作が重要です!

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