1980年代、米国の会計事務所は、構造的な不況期でした。
その主たる要因が、M&Aによる企業数の減少です。
買収した側の会計事務所の仕事は、連結対象子会社が増えるので増加しますが、買収された側の企業を担当している会計事務所は、顧客を失います。
私も監査法人で勤務していた頃、顧客の増減の大半は、M&Aによる会計事務所の変更でした。
このようなことは、なにも会計事務所に限ったことではありません。
非買収会社の従業員も仕事を失いのです。
特に経理部門など、二つも必要ありません。
一つに統合されます。
その過程でリストラなされます。
われわれが職を失うのは、企業が倒産するときだけではありません。
たとえ儲かっていても、いつ職を失うか分からないのです。
このような状況に対してリスクヘッジするためには、企業に依存するのではなく、どんな状況でも仕事を生み出せる人間に普段から準備しておかなくてはなりません。
優秀な人間ほど、自分が職を失うことを考え、リスクヘッジをします。
そうでない人は、まさか自分はそうならないと思って、のん気にかまえています。
そして、突然振って沸いた災難のごとく、自分がリストラされたときにあわてるためくのです。
『起業家精神』を持ち、日ごろから、仕事を作り出す人になることを意識して行動することが重要です。