日本経済新聞に連載されている「ゼミナール」に、「オタクツーリズム」なるものが昨日取り上げられていました
(以下引用)
団塊世代によるセカンドホームツーリズムの可能性が芽生えているが、一方で若者の旅行離れは深刻だ。若者の旅行需要の掘り起こしは観光立国を目指す上での重要課題だが、一つカギを握るのが漫画やアニメなどメディアコンテンツの活用だ。若者をひきつける要素となっており、新たな旅文化が形成されつつある。
(引用中断)
例によって、アニメ「らき☆すた」のファンによる「聖地巡礼」によって埼玉県の鷲宮神社の参拝客がいかに増えたのかデータを示し、その他のアニメ作品の事例も紹介しつつ、アニメファンたちが地域住民とも交流しながら街づくりに参画し始めていると述べ、以下のように結んでいます。
(引用再開)
日本の漫画やアニメは国内だけでなく、海外でも高く若者をひきつける磁力となっている。日本で育ち始めた「オタクツーリズム」は、新たな観光を生み出す原動力として重要な役割を果たしつつある。
(引用終わり)
私も以前にこれと似たようなことをこのブログでも書いたのですが、よくよく考えてみれば、フィクションの舞台として使われた場所を観光資源として活用する例は、熱海を有名観光地にした尾崎紅葉の「金色夜叉」など昔からあるものです。要は観光資源のネタとして活用されるメディアがかつての小説やテレビドラマから漫画やアニメに代わっただけであって、フィクションの世界の疑似体験を求める旅のスタイルはむしろ古典的です。ブームの起点が漫画やアニメだからといって「オタク系」に分類することもないように思います。
ただ、アニメの「聖地巡礼」が貫一・お宮の時代とは大きく異なるのは、(1)ブログやBBSを通じてコアなファンたちが「聖地巡礼」の情報を交換しあう、(2)その情報が伝播することでネットユーザーの間で「巡礼」への関心が喚起される、(3)「聖地巡礼」の模様が新聞などのメディアでも大きく取り上げられる、(4)これによってさらに「巡礼」への関心が高まり「巡礼者」が増加する、というスパイラルが働いており、しかもそのスピードが凄まじく早い点です。このスパイラルにおいて重要な役割を果たしているのが、インターネットという個人でも容易に情報を発信できるメディアであることは言うまでもないでしょう。
アニメの「聖地巡礼」よりも、「乗り鉄」、「撮り鉄」の方々の旅のスタイルの方が「オタクツーリズム」の呼称にふさわしいと思うのですが、いかがでしょう。
(以下引用)
団塊世代によるセカンドホームツーリズムの可能性が芽生えているが、一方で若者の旅行離れは深刻だ。若者の旅行需要の掘り起こしは観光立国を目指す上での重要課題だが、一つカギを握るのが漫画やアニメなどメディアコンテンツの活用だ。若者をひきつける要素となっており、新たな旅文化が形成されつつある。
(引用中断)
例によって、アニメ「らき☆すた」のファンによる「聖地巡礼」によって埼玉県の鷲宮神社の参拝客がいかに増えたのかデータを示し、その他のアニメ作品の事例も紹介しつつ、アニメファンたちが地域住民とも交流しながら街づくりに参画し始めていると述べ、以下のように結んでいます。
(引用再開)
日本の漫画やアニメは国内だけでなく、海外でも高く若者をひきつける磁力となっている。日本で育ち始めた「オタクツーリズム」は、新たな観光を生み出す原動力として重要な役割を果たしつつある。
(引用終わり)
私も以前にこれと似たようなことをこのブログでも書いたのですが、よくよく考えてみれば、フィクションの舞台として使われた場所を観光資源として活用する例は、熱海を有名観光地にした尾崎紅葉の「金色夜叉」など昔からあるものです。要は観光資源のネタとして活用されるメディアがかつての小説やテレビドラマから漫画やアニメに代わっただけであって、フィクションの世界の疑似体験を求める旅のスタイルはむしろ古典的です。ブームの起点が漫画やアニメだからといって「オタク系」に分類することもないように思います。
ただ、アニメの「聖地巡礼」が貫一・お宮の時代とは大きく異なるのは、(1)ブログやBBSを通じてコアなファンたちが「聖地巡礼」の情報を交換しあう、(2)その情報が伝播することでネットユーザーの間で「巡礼」への関心が喚起される、(3)「聖地巡礼」の模様が新聞などのメディアでも大きく取り上げられる、(4)これによってさらに「巡礼」への関心が高まり「巡礼者」が増加する、というスパイラルが働いており、しかもそのスピードが凄まじく早い点です。このスパイラルにおいて重要な役割を果たしているのが、インターネットという個人でも容易に情報を発信できるメディアであることは言うまでもないでしょう。
アニメの「聖地巡礼」よりも、「乗り鉄」、「撮り鉄」の方々の旅のスタイルの方が「オタクツーリズム」の呼称にふさわしいと思うのですが、いかがでしょう。
お呼びになりましたか?(爆笑)
さて聖地巡礼ですが、本当に以前は聖地をターゲットにした事例が多いです。成田に対する成田鉄道⇒JR成田線や京成電鉄、伊勢神宮に対する近鉄線(合併前2社)、高野山に対する南海電鉄というのをイメージします。当時の聖地巡礼サイクルに比べて今は予想できないところから急遽立ち上がり、インフラ整備を待つまでに急遽衰退するリスキーなモデルです。整備とUPDOWNサイクルが全然同期しないところに、難しさがあります。
かつて、津軽まで斜陽館に行くような世界でさえ、太宰の本が良く売れても復帰しないところに現実があります。そこで確度を上げるためにやっぱりタイアップというモデルに偏る怖さがあります。
さて、今は鉄道がなくなると人が集まる(葬式鉄とかいいます)というのもあります。ビジネスモデルになりにくいですがね。(泣)
近鉄天理線も天理教の聖地巡礼のために作られた鉄道なんでしょうね。JR身延線も、かつて日蓮宗と創価学会が仲が良かった時代、身延山に詣でる学会員たちの団体列車が走っていたとか。あと、「アラビアのロレンス」がトルコ軍との戦闘で破壊したのはメッカに続く巡礼鉄道でしたね。
聖地巡礼と鉄道は関係が深いですね。
身延線の富士-富士宮間の複線化は大石寺への団体臨時のためといいますね。
いつもながら勉強になります。ありがとうございます。