歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

ブラジルの"Electric Shower"

2010-07-16 01:10:53 | Weblog
 この夏にブラジルに出張する予定だったのですが、諸般の事情により秋以降になる見込みです。私としては早く大西洋を眺めながらのんびりカイピリーニャ(ブラジルの有名なカクテルです)を飲みたいものだ、と思っていたのですが、どうも出張の時期がずれたのは結果的に良かったような気がします。
 と、いうのもブラジルは日本から見て地球の反対側。私が出張する予定の南部は現在真冬であり、特にアルゼンチンとの国境に近い地域では寒波の到来で非常に寒く、「大西洋を眺めながらのんびり」などという状況ではありません。現地でお世話になる予定の方のブログ(こちら)によると、ブラジル南部はまるで冬の欧州のような光景です。ブラジルというとなんとなくトロピカルなイメージを抱きがちですが、工業が集中する南部は冬(北半球では夏ですが)は寒いのだということを改めて認識させられます。

(以下引用)
日本では水害が報道され梅雨明けも近く暑い夏日が差す季節に成って来ているようですが、ここブラジル南部では真冬の冬将軍が訪れポルトアレグレの町でも早朝は1度まで下がっています。昼間でも10度を超す事がなく風が冷たくブラジルの寒さを楽しんでいますが、鼻水が出たりメガネが霞んだりPCを叩く手が悴んでしまい暖炉が恋しい日が続いています。
(引用終わり)

http://blogs.yahoo.co.jp/yoshijiwada2/17110166.html

 寒い冬には夜は風呂で温まりたいところでしょうけれども、あいにくブラジルではバスタブにつかるという習慣は一般的ではありません。寒波が到来していてもシャワーだけで我慢しなければならないというのはなかなか日本人としては辛いと思います。
 ところで、ブラジルの家電産業について英語文献を調べている中で、"Electric Shower"という品目が目に止まりました。「電気シャワー」とは一体なんだ?と思って調べてみたら、ブラジルのシャワーは写真のようにシャワーヘッドの中にニクロム線を通して電気で温水を作るタイプが普通なのだということを知りました。ブラジルに出張したときに泊まったホテルで使ったシャワーは日本と同じようなものでしたが、一般家庭では「電気シャワー」なんですね。

(以下引用)
よっぽどリッチな住宅でない限り、ブラジルでは基本的に家に風呂桶は完備していない。ホテルでも安いところだとシャワーだけというのが多い。国民がそれだけ入浴を重要視していないということだ。通常のブラジルのシャワーはガスではなく電気式。シャワーの上の部分を見てみると、なにやら電線のようなものがコンセントに向かって伸びているのが分かる。頭の部分にはレバーがあり「ON⇔OFF」や「夏⇔冬」などの設定ができるようになっている。これを「OFF」にすると当然お湯は出なくなる。「夏」にするとお湯がぬるくなる。電気が流れているためこのあたりを下手にいじくるとビビビっと感電してしまうこともある。
(引用終わり)

http://www.jinterjp.com/j/index.php/infobr/109-infobr0017.html

 ブラジル電機工業会のホームページによると(こちら、ただしポルトガル語)、この電気シャワーは家庭用ガスの普及が遅れたブラジルで1927年に発明されたものであり、水の節約になる優れたシステムであるとのこと。ブラジルではガソリンではなくアルコールで走る車も珍しくありませんし、日本ではちょっと考えにくいものが作られていますね。

※写真はWikipediaの"Chuveiro"から拝借しました。