歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所を訪問しました

2008-10-22 21:01:09 | Weblog
 出張で名古屋に来ています。
 今日は航空機の風防を作るプラスチック成形メーカーと、三菱重工名古屋航空宇宙システム製作所(名航)の大江工場を訪問したのですが、名航の大江工場の工場見学は大変印象深いものでした。

 大江工場は戦中は海軍と陸軍の戦闘機を作っていた工場(海軍工場では零戦を作っていた)です。驚いたことに零戦を設計していた事務棟は当時のまま残っており、また工場の建屋も骨組みは当時のものをそのまま使っており、建屋の第一工場、第二工場・・・という名称は当時のままなのだそうです。現在はボーイングの民間機と自衛隊戦闘機の機体の機械加工が行われており、厚さ4インチから5インチの大きなアルミ板を切削して薄い外板に加工する模様を見学しました。

 またラッキーなことに、ちょっと離れた複合材主翼センターの中も案内していただきました。この工場はボーイングの最新鋭機B787のCFRP製の主翼を生産する工場なのですが、これは圧巻でした。巨大なCFRP製の主翼をオートクレーブという炉(直径8m、長さ40m)で焼き固め、脱型、非破壊検査し、加工、組立、艤装するまでの一連のプロセスを拝見しました。CFRPというものはチョコレートのような色をしているということ、実にたくさんの従業員が手作業で働いている姿が印象的でした。
 今までに見た工場の中でもかなりインパクトのある工場だったと思います。


※工場の受付でカメラ付き携帯電話、カメラは預けなければならないので、残念ながら写真はありません。

自治体だけが悪いのか

2008-10-22 20:06:13 | Weblog
 今日の日本経済新聞に「分権の流れに水差す自治体の不正経理」という社説が掲載されています。

(以下引用)
 会計検査院が全国の十二道府県を調査したところ、五億円を超す国の補助金が不正に使われたことがわかった。業者に架空発注して裏金を捻出するなど悪質な事例も見つかった。各自治体は不正支出分を国に返すと同時に、裏金の使途も含めて自ら徹底的に調査すべきだ。
(中略)
 会計検査院が指摘した不正経理は大きく二つに分かれる。一つは事務用品などを架空に発注し、資金を取引業者の口座にプールする「預け」という手口だ。補助金が余ると国に返さなければならないため、年度末に業者の口座に移し、翌年度以降、実際に物品を買う時にその口座から払うやり方だ。
 もう一つは補助金の流用である。補助金を充てる事業のために雇った臨時職員を他の仕事に回したり、職員の出張費をそれに関係ない補助金から出したりするケースだ。
(引用終わり)

 もちろん不正経理は悪いことです。作られた「裏金」が仮に個人的な飲食に使われていたとしたら、これはとんでもないことです。しかし、役所の予算というものをある程度知る立場から言わせていただくと、今回の事件について役所ばかりを責めるマスコミの報道には違和感を覚えます。年度を越えて実行することが望ましい事業であっても年度末には終わらせなければならない、予算を余らせてしまうと翌年度からは予算が削られる、といった役所の予算の硬直性にこそ、まずはメスが入れられるべきではないでしょうか。
 社説は「自治体職員はもちろん、監査委員などにも猛省を求めたい」と結んでいます。なるほど確かに役所に猛省させれば、予算は前年度に立てた計画通りにキチンと使われることでしょう。しかしながら、納税者にとって満足度の高い行政サービスがそれによって実現されるかというと、これははなはだ疑わしいものです。ある程度の融通が利くような役所の会計制度を実現させることが、私は行政サービスの質の向上を図る上で必要であるように思います。