歩きながら考える

最近ちょっとお疲れ気味

愛読紙はニッケイ新聞です

2006-10-24 22:48:01 | 海外ものづくり事情
私が贔屓にしている新聞の1つが二ッケイ新聞です。日経新聞ではありません。ブラジル・サンパウロで発行されている最大の日本語新聞で、現地の日系人の方々に広く読まれています。日本で働く日系ブラジル人のためなのか、ネットでかなり詳しい内容の記事を無料で読むことができます。
私は過去に2回、仕事でブラジルに出張しましたが、この陽気なラテンの国が気に入ってしまい、以来、ニッケイ新聞の見出しだけは毎日チェックするようにしています。BRICsの中では情報量が格段に少ないブラジルの貴重な情報源ですし、時々日本ではありえないような珍二ュースに出会えることも楽しみです。
さて、以下は先日見つけたあきれ返るようなニュースです。

(以下引用)
■犯罪人を強請る悪徳警官=目こぼしの見返り=中銀襲撃の上前はねる=獲物を襲
うハイエナ                   2006年10月20日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】昨年八月に金庫室の地下にトンネルを
掘り、現金一億六四七〇万レアルを奪って国内史上最大の銀行強盗として注目を浴
びたフォルタレーザ市の中銀事件の実行犯らが、警官と名乗る集団に脅迫されて、
現金を強奪されていることが明らかになった。連警が中銀事件を捜査している過程
で判明したもので、警官らは逮捕を見逃す代わりに現金を強要したり、実行犯やそ
の身内を誘拐して身代金をせしめている。中には家に押し込んで暴行を加えた上で
現金を強奪する手口もあり、中銀事件の犯人らは戦々恐々としている。それにも増
して強盗の分け前をピンハネする悪徳警官の出現に世間は呆れ返り、司法当局に非
難が集中している。
(引用終わり)
 出所:http://www.nikkeyshimbun.com.br/061020-31brasil.html

盗賊団がトンネルを掘って銀行の金庫から巨額の力ネを盗み出す、というのもブラジル的ですが、盗賊団のメンバーの家に警官が押し入って強盗を働くは身内を誘拐して脅迫するは、というのも実にブラジル的な話です。
この話、ブラジルの治安が相当に悪いことの証左であり、ちょっと笑えません。記事の続きを読むと、

(以下引用)
 昨年十一月、中銀事件実行犯の一人、通称ペドロンのスザノ市内の家に警察と名
乗る六人組が押し入り、二〇〇万レアルを持ち去った。警察に連行するのを見逃す
代償だった。その数日後、別の四人が現れて四五万レアルを持ち去った。中銀事件
の取調べでペドロンは連警にこの事実を告発したにもかかわらず、現在に至るまで
犯人は捕っていない。
(引用終わり)

この盗賊、盗んだ金を奪われた、と連邦警察に訴えたんですね。だからこそ、警察の悪行が世間に知れた訳ですが、悪徳警官のあまりの非道ぶりに盗賊メンバーに思わず同情してしまいます。
治安さえ良ければブラジルはとても楽しい国なのですが、治安を守る警察がこれでは先が思いやられます。