クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

喜右衛門新田の八幡神社には……(5) ―伝承―

2007年08月04日 | 神社とお寺の部屋
八幡神社の鎮座する地域は、
かつて“神鳥(かんどり)村”と呼ばれていました。
現在もすぐ近くには「神鳥」というバス停もあり、
八幡神社と何らかの関係がありそうな雰囲気を漂わせています。

実はこの神鳥、八幡神社の裏に鎮座する“香取(かとり)神社”に由来しています。
八幡社と香取社が合祀されたこの神社は、
喜右衛門新田の鎮守としてきました。
いつの頃か、香取(かとり)神社が訛って、
神鳥(かんどり)というふうに呼ばれるようになったそうです。

言い伝えによると、香取社は最初から八幡社の裏にあったわけではありません。
香取社は不浄を忌み嫌い、
例えば、葬列が神社の前を通ることはタブーとされたのです。
そこで村人たちは香取社を境内の裏手に移したと伝えられています。

なぜ香取社は“不浄”を嫌ったのでしょう。
また、ここで言う不浄とはなんでしょうか。
これにはもしかすると深い意味があるかもしれません。
境内にふたつの社殿が並ぶ神社。
鎮守としていまも守り続けています。

(了)

参照文献
蘆田伊人編 『新編武蔵風土記稿』 雄山閣
埼玉県神社庁神社調査団編 『埼玉の神社 入間・北埼玉・秩父』 埼玉県神社庁
平井辰雄著 『羽生ふるさと探訪』 羽生市古文書に親しむ会
  同 『近世羽生郷土史』 同

※画像は香取神社です。

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