クニの部屋 -北武蔵の風土記-

郷土作家の歴史ハックツ部屋。

ポヘッとお出かけしませんか? ―はにゅう散歩部―

2010年04月04日 | ふるさと歴史探訪の部屋
埼玉には山もあるし、平野も広がっている。
副都心がある一方で、
のどかな田園風景に彩られる。

北埼玉には利根川が流れ、
金錯銘の鉄剣が出土した古墳もある。
また、アニメの聖地と言われる神社もある。

ぼくの生まれ育った“羽生”はのどかだ。
田んぼと畑が多いし、利根川も流れている。
かつて江戸湾に流れていた旧利根川(会の川)と、
その分岐点跡もある。

それに、羽生で作られた“米”は美味い。
羽生の農家が作った「彩のかがやき」が、
日本一おいしいお米のコンクールで、特別優秀賞や金賞を受賞している。

画家の寺井力三郎さんは、ある日こう言った。
「羽生で一番いいのは利根川が流れていることだ」
同感である。
利根川は気持ちがいい。
季節おりおりの顔を持っているし、
ときにはアフォリズムを与えてくれる。
利根川は、ときどき友だちより優しい。

ところで、羽生にはいろいろ地域素材があるのだが、
「何もない」と思われがちだ。
管見によれば、新しく越してきた人より、
古くからそこに住んでいる人にそう思われる傾向がある。

ネガティブな言葉だが、発想を転換しよう。
「何もない」。
これは立派な“個性”である。
何もないからいいのだ。
実際には有るのだから、ちょっと立ち止まれば“発見”があるし、
“創造”もしやすい。

ぼくは最近感じるのだが、
羽生のいいところは、
いら(とても)のどかなところだと思う。
時間がゆっくり流れている。
風のない晴れた日に散歩をすれば、
ポヘーっと縁側のネコみたいな気分になれる。

祖母と一緒に散歩をしていた幼い頃、
のほほんと時間が流れていた。
大きな災害はないし、震撼するような事件もない。
いまでも自転車でブラブラ走りたくなるのは、
そうした幼い頃の記憶が染みついているからだろう。

いま、ポヘーっと歩くおすすめスポットを紹介しておこう。
それは会の川沿いだ。
砂山にある福祉施設「共愛会」から川沿いを歩くと、
いま一面の菜の花が見られる。

人通りも車通りもほとんどない。
菜の花の会話が聞こえてきそうなほど静かである。
ここをのんびり歩くのは気持ちがいい。
ときおり風に乗って春の匂いがする。
嫌なことを忘れてポヘーっと歩きたい。

ちなみに、会の川からイオンは近い。
散歩をしたあとは、イオンに買い物に行ける。
人も商品も多い。
会の川沿いとそのギャップに驚くかもしれない。

川沿いの菜の花畑は、
春になると必ず足を運びたくなる。
羽生ののんびりした時間を過ごしてほしい。









「共愛会」から川沿いを下流に歩くと、やがて溜井橋に辿り着く。
ここには“金兵衛堀”と呼ばれる史跡があり、
橋のたもとには“河野省三”撰書の会の川改修記念碑が建っている。



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