『なつかしの店と家並みに、想いを馳せる。
ポケットの小銭あつめて、あの街へ…』
たまには鶴見線離れして南武線沿いを
地図を開くと、鶴見区の矢向4丁目と5丁目の境界が弧を描いていることが分かります。ここには1972年まで南武線の貨物支線があり、この境界がかつての線路に沿っていたことを窺わせます。
線路は多摩川べりまで延びていて川崎河岸駅が終点でした。現在では川崎市側がさいわい緑道として整備され、横浜市側は地区センターや民家となっています。そのため横浜市側の廃線跡を歩くことは無理なのです。なので別の一般道路を通って線路跡へ向かいます。
矢向駅前では日高屋が9月4日開店予定とのこと。以前は川崎信金ではなかったかなと帰って地図を調べると、果たしてそうであった。踏切を渡り右へ。ここも以前は「マツケイ」というスーパーがあったのですが今は肉のハナマサに変わってます。ポイントカード持ってたのにパァになってしまった。
もう少し歩いて、当時は踏切だったであろう場所の線路跡に建つ民家の前でこのような標識を見かけました。
別の場所で
杭は放置されてますね。これらは鉄道用地との境界を示した標識です。標識に記された「工」とは、明治時代に鉄道が工部省によって敷設された名残りとか、レールの断面に似ているから後の国鉄も継承したとか説があります。
ちょうど喉が乾いたところに頃やよしと目の前に自販機が。100円であり、あれうれしやとコーヒーで喉を潤す。自販機に記された所在地表記には矢向4丁目33-9とあった。
これが今も鉄道用地なら分かるのですが、昭和の頃から単なる民家です。しかもビス状のは古ぼけた感じすらしない。ひょっとしたらこの土地は今も国鉄か継承法人が所有しているのだろうか。土地と建物の所有が別というのは珍しいことではないし、仮説としてアリだと思う。登記簿を調べれば分かる話だが、学術研究でもない一個人の趣味でそこまでするものか。
この線路跡にはもうひとつの疑問を抱いていたので、歩を進めて川崎市側へと入ってみます。その“もうひとつの疑問”とは、緑道の不自然な途切れ方です。
緑道の終端(矢向駅方向を望んで)
別角度から
この民家(アパート)の前が横浜と川崎の市境で、ちょうどここで緑道が終わっています。なにが不自然かというと、もし最初から緑道はここまでとして作られていたなら、こんな荒れた中途半端な状態ではなく、もっとキチンとしたゲートが設けられていたのではなかろうかということです。
つまり当初は矢向駅近くまで緑道を整備する計画が、何らかの理由により頓挫し、川崎市側と横浜市側とで分かれた対応になってしまったのではないかと考えます。その理由についてはいずれにしても推測の域を出ないのですが。
こういう疑問は某所に投げればよいのかもしれませんが、まずもう一度自身の目で確かめたかったのです。
さて、この貨物支線にはさらに川崎南部市場への引込線もありました。昭和32年の横浜市三千分の一地形図(大容量注意)にちょうど記されています。
その地形図と照らし合わせると、分岐点は地図のこの辺りでしょうか。川崎河岸駅方向からスヰッチバックして進入するかたちになります。
分岐点から市場方向を望んで
線路はここから写真左手の「とまれ」の標識のある方向へ伸びていたのでしょう。
線路は杭の向こうを通って市場(写真奥)へと伸びていたのか
周辺を歩いてみましたが「工」の標識は見当たりませんでした。緑道へ戻って川崎河岸駅方向へ進むと冒頭写真の碑がありました。けっこう新しそうなので、わりと最近になって建てられたのでしょうか。QRコードが付いていたのでアクセスしてみると、ホームページリニューアルに伴いすでに存在しないとのこと。それならばそのまま放置しているのは遺憾でありぞっとしない。一度作ったら作りっぱなしというのでは困る。
ひととおり“探検”が終わるとニャンコがいますね。こやつは撮影はOKなれど触られるのはイヤのよう。別のところにもう一匹いて、そいつはよく懐くのですが撮影は難しく断念しました
歩いて汗をかいたのでひと浴び。もうひとつの貨物線、こちらは現役の尻手短絡線を越えて富士の湯へ。ここは天然温泉で、色はこの辺ではおなじみコーヒー色でもやや薄め。小さいながらも露天風呂もあります。定休日は月1回で、今月は15日とのことです。
温泉ときたらでしょう。矢向駅へ戻って再び踏切を越え左そして右へ曲がり、居酒屋が何軒かあったはずとの記憶を頼りに歩を進めると焼き鳥屋さんがありました。持ち帰りコーナーとは別に飲食スペースもあります。カウンターが詰め込んで6人、そしてテーブルが2卓の小さなお店です。ビールはここも生麦パイプライン(笑)ですがホッピー(480円)を。そして串焼きを何本か。
ここはずいぶんと焼酎の量が気前いい。中をおかわりしたら帰れなくなりそうなので1杯にとどめる。わりといい焼酎を使っているのかな。平凡なホッピーながらうまい。学生風の男の子が配膳していて、厨房に向かって「お母さん」と言っていたので夏休み中の息子さんだろうか。
1本90円からと良心的な価格の串焼きは格段に美味しいというわけではない。おそらく他でいいものばかり食べているから、このくらいでも“並”になってしまうのか。一品料理も充実しているのでそちらを頼んでもよかったかもしれない。店内はご常連さんで賑わい、雰囲気は楽しいお店でした。
最後に緑道近くの西友で売ってました。コーンポタージュ味で、「アイスもいいけどラムネもね」とのフレーズが そういやアイスは食べずに終わったな。
【今日の昼食】
旬菜小皿酒家 房屋(矢向6丁目7-15)
☆福龍丼セット(サラダ、ギョーザつき) 945円
店の読みは「ぼうや」だからさ。15時からのセットメニューのひとつ。「福龍丼」とはなんぞやと検索してもレシピは出てきません。この店のオリジナルでしょう。要は中華丼のようなものですけど、ウズラ卵が乗ってないのと醤油味がやや濃い目だったりというのが主な違いでしょうか。中華丼は別にあります。野菜の炒め加減や味付けもなかなか。生は生麦パイプライン(笑)で441円なれど、今日の暑さでは今から飲んでは間違いなく動けなくなりそうなので見合わせ。会計は10円未満切り捨てのようで、実際に支払ったのは940円でした。家を出るのが居眠りして遅くなり、15時では牛丼屋しかないかなと諦めかけていたところに開いている店があって、しかもおいしいものにありつけ幸せなのでした。
〔横浜市18区再訪計画残り〕
旭区、泉区、神奈川区、港南区、港北区、瀬谷区、戸塚区、西区(以上8区)
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