冬の陽だまり 夏の木かげ

宮澤賢治じゃないけれど、ソウイウモノニワタシハナリタイ !
旧ブログタイトル 「 アラ環の人生立て直しプログラム 」

『 希望をはこぶ人 』 『 世界を変える力 』

2018-07-29 13:00:00 | 
今回の東京滞在中に、娘の本棚をあさり、7冊ほど読破しました。

その中で、最も心に響いたのが、この2冊です。

著者はどちらも アンディ・アンドルーズ
出版社は、それぞれ違います。


著者は、高校卒業後に両親を相次いで失い、ホームレス生活を送っていました。
その時に一人の老人と出会い、その教えで人生を再生していきます。

その教えが10編の物語として語られているのが、『 希望をはこぶ人 』 です。




私は、第7章 傲慢と改心 のこの部分が、最も心に残りました。
カバー裏にも転記してあります。
以下抜粋させていただきます。

5羽のカモメが防波堤にとまっている。
そのうちの1羽が飛び立つことを決意した。
残っているのは何羽だい?

ー 4羽です。

そうじゃない。5羽だよ。
いいかい? 誤解されがちだが、
決意そのものには何の力もないんだ。
そのカモメは飛び立つことを決意したが、
翼を広げて空を舞うまでは防波堤にとまったまま。
残りのカモメとどこも違わない。
人間だって同じだよ。
何かをしようと決意した人と
そんなこと考えてもいない人とでは
何の違いもないんだ。
ところが人は、他人のことは行動で判断するのに、
自分のことは決意で判断することがよくある。

しかし、行動を伴わない決意は、
期待してくれている人に対する裏切りでしかない。



そして第6章で、子どもたちも独立し、
夫に先立たれて生きる希望を失ってしまった老婆に語られるのが、
世界を変える力 ー バタフライ・エフェクト 』 なのです。



娘は、写真入りの美しい装丁のこちらの本を先に読み、
感銘を受け、ブログの記事にしていました。

その記事は、ぜひ こちら からお読みくださいね。


アンディ・アンドルーズ という同じ著者による2冊の本ですが、
編集者によって全く別物になるのも、とても興味深く感じられました。


コメント

『 年齢をかさねる贅沢 』

2018-05-30 18:30:00 | 


ヴェロニク・ヴィエン 著  ジャンヌ・リプシー 撮影  岸本 葉子 訳
光文社 2003年4月25日 初版第1刷発行

前回の記事 『 何もしない贅沢 』 の続編です。
今回の撮影者は、著者の娘さんだそうです。
母娘の協働で本を作り上げるなんて、素敵だなあ…。


カバーの裏側にも、素敵な言葉が掲載されています。


誕生日を迎えるたびに若さから遠ざかっている、
なんて考えていませんか?

外見的な若さに執着する社会では、
ほんとうの大人になることの魅力を理解するのは困難です。

でも、この本を読めば分かるはず。
年齢を重ねるということは、
古い習慣や規制から自由になること、肩の力が抜けて生きやすくなること、
そして、なりたかった自分になることなのだと。



そして目次は、

1. 手放すことから始めましょう
2. 変わることをおそれずに
3. 年齢は気持ちが決める
4. ほんとうは知っているのです
5. 輝く存在であるために
6. インスピレーションの源は
7. 自分の意志で選ぶこと
8. 成功を分かち合う
9. 自分のことを笑える人に
10.なりたい自分になるために



確かに年を経るごとに、体力気力が衰え、
できないことが増えていく、…というようなことを、
身近にいる年配者たちを通して目撃し、
自分も少しずつ実感し、おびえている今日この頃ですが、

一方、より豊かに蓄積されているものも確かにあると、感じています。


訳者あとがきより

大人になるのはすてきだと、生きるのが楽になることだと、
人々が思うような事例に私たちがなりましょうと、
著者は呼びかけています。

10年前より自分が好き、微笑んでそう言える年齢の重ね方を、
本書に学ぶ思いです。



シリーズ 2冊目の『 自分らしく生きる贅沢 』 は所有しておりませんが、
訳者のあとがきによると、「 不完全であることの素晴らしさ 」
について語られているようです。

中古品なら入手できそうなんですけど、…迷っています。


コメント

『 何もしない贅沢 』

2018-05-27 13:30:00 | 


ヴェロニク・ヴィエン 著  エリカ・レナード 撮影  岸本 葉子 訳
光文社 2002年4月25日 初版第1刷発行


この本の原著は、『 The Art of Doing Nothing 』
1998年にニューヨークで出版され、
シリーズで50万部を超えるベストセラーになったものです。

ハードカバーのおしゃれなフォトブック風で、
ずっとファンだった 岸本 葉子さんの訳だったので、即買いしました。

この本は、他に 『 自分らしく生きる贅沢 』 『 年齢を重ねる贅沢 』
があり、3冊のシリーズになっているのですが、
一番読みたいと思った 『 自分らしく生きる贅沢 』 は、
残念ながら入手できませんでした。


16年前と言えば、私は45歳…
まだ毎日が分刻みで動かなければならないほど、複雑で目まぐるしかった頃です。

この本のような暮らしに、心底あこがれました。


具体的にどんな内容か、目次を抜粋してみます。

1. 回り道のすすめ
2. 上手な呼吸
3. 瞑想への誘 ( いざな )い
4. 安楽のひととき
5. あくびは思うぞんぶんに
6. 昼寝でリフレッシュ
7. 自然に還る入浴法
8. より深く、よりゆたかに味わうために
9. 聞くことの大切さ
10.待ち上手になるために


先日、誕生日の頃に読み返してみて、今は、
毎日が、あこがれ続けたそんな暮らしになっていることに気が付きました。

今は、たとえ一日のなかで、生産的なことを何一つしないとしても、
誰にも責められることもありません。

でもその分、例えば家族一人一人の気持ちなど、
他にも、たくさんのことに気付くことができるようになって、
以前よりずっと、相手に寄り添った対応ができているかもしれません。

「 量より質に転換できた 」 みたいに…。

もちろん心がザワザワする日も時にはありますが、
こんな風に、穏やかに生きられる環境に置かれていることに、感謝!! です。


コメント

今だからこそ読んで良かった本

2018-04-09 16:30:00 | 
前回は、もっと早く、子育ての悩みの最中に出会いたかった本を紹介しました。
( それは、現実的には無理な話なんですけど… )

今回は、いろいろなことを乗り越えた今だからこそ読んで良かったと思う本を、紹介します。

『 愛と祈りで子どもは育つ 』

  

  渡辺 和子 著  PHP文庫  2017年8月15日第1版第1冊発行


子育てとは、一人ひとり違う子どもをありのままに受け入れ、
その可能性を引き出すこと ー 。
長年、学生とかかわり続けた著者が、子育てや教育の本質を、
身近なエピソードや母との思い出を交えながら綴ったエッセイ集。
「 上手に育てよう 」 「 誉められる親になろう 」 「 親の期待に応えてほしい 」
ではなく、親と子どもがともに育ち、
子どもに愛を伝え続けて行くことの大切さに気づかせてくれる一冊

 ( 裏表紙より )

全部で61話掲載されていますが、一話一話が、心に染み入り、心が洗われる思いです。


だけど、職場でも家庭でも、次から次へと問題が勃発し、
毎日が、まるで洗濯機に放り込まれたかのように振り回されていた頃に読んだとしたら、
果たして素直に受け入れられただろうかと、疑問に思うところもあります。


裏表紙の 「 」 の部分についても、
そうならないようにと心がけてきたつもりでも、ゼロではなかったと思うのです。

そして、それで 「 自分はダメな親だ 」 と
自分を責めて落ち込むのが、関の山だったような気がするのです。

正論を受け入れられるのは、心の余裕がないと無理だと思うのです。

あ、でも、それは、あくまでも私だったらそうかも…という話で、
子育て真っ最中の人に、とても良い本だと思います。


仕事も引退し、子育ても一段落した今、
この本を手に取り、しみじみと 「 こんな風に生きたい 」 と思います。

それに、この本は、子どもとの関係というよりは、
私と親世代との関係性を、考えさせられました。


私は、子どもたちとは良い関係を結ぶことができましたが、
両親や夫の両親とは、決して良い関係ではありませんでしたし、
それは、今も修復されないままです。
夫も、似たようなものです。

特に私の母や祖母は、私を、自分が生きて行くための、
思い通りになる道具のように思っていた節がありますし、
夫の両親は、私たち夫婦を、自分たちが安泰に暮らすために、
お金を運んでくる手段のように思っていた節があります。


子育てでもっとも大事なことは、
ありのままの子どもを宝として大切にすることです。
それによって子どもは活きる力を与えられ、
生きていく自信や生きていく意味を、自分で見つけ出すことができるのです。

 ( 本文より、抜粋 )


自分は、渇望しながらも決して得ることができなかったこんな思い。
自分は道具であり、手段であり、
一人の意志を持った人間として尊重されることはないという思い。

自分は、双方の両親に対して、絶対こんな風にはなるまいという反骨精神で、
だから、子どもたちには、絶対そんな思いはさせまいという思いで、
ここまで突っ走ってきたように思います。


以前ほど、激しい憎悪の感情は抱かなくなりましたし、
もうそろそろ許さなければならないことは、理性では分かっています。
むしろ自分のためにそうした方がいいこともわかっています。

時代性ということもあるかもしれませんが、
彼らは、心が貧しい、哀れな人たちなのです。


だけど、実際対面し、会話が生じた時に、
どんな気持ちになるのかは、わかりません。
果たして、生きているうちに和解できるのかも…?

成り行きに任せてみようと思います。


渡辺 和子さんのこの言葉に、救われる思いです。


頭や心が許していても、体が許していないことがある。
  そういう弱さを認めることで、謙虚になれる。


このエピソードについては、二・二六事件で、
目の前で自分の父親を殺害した人と再会した場面でのことなので、
私の思いなんかとはレベルが違いすぎるのですが…。

本文の中では、このようにも表現していらっしゃいます。

その時、自分はまだまだ修行が足りないと思いました。
同時に、そういう弱さを持った自分にたいする愛しさのようなものも感じました。
心や頭ではでは許していて、今度会ったら優しい言葉をかけよう、
暖かい態度で接しようと思っていても、その人と一緒になると、
体が凍ったようになって動かない、そういうことが誰にでもあるのではないでしょうか。
( 中略 )
そんな弱さを持ち、それを認め、へりくだる者を、神仏は慈しみの眼差しで
見守っていてくださいます。


また別の項では、「 許しがたい人を許すには英雄的な勇気がいる。 」 とも…。


「 心が荒んできたな… 」 と思った時に、また「 もっと向上したい! 」 と思った時に、
繰り返し読みたい本です。


コメント

もっと早く読みたかった本

2018-04-06 16:00:00 | 
前回 「 子育て卒業宣言 」 をしたばかりですが、
その悩ましい子育てに、勇気と感動と安心をもらった本があります。

それは、
  『 発達障害の僕が 輝ける場所を 見つけられた理由 』

  

  栗原 類 著  KADOKAWA 2016年10月9日第1刷発行 
です。

類くんは、イギリス人のお父さんと日本人のお母さん 泉さん とのハーフ。
泉さんは、結婚せずに、シングルマザーで類くんを産み、育てる決意をしました。

実家で出産をして、4歳まで過ごしましたが、その後アメリカに渡ります。
そして類くんは、小学校1年の時に、ADD ( 注意欠陥障害 ) という診断を受けます。

もっともそれは、後に日本の主治医である 高橋先生 に言わせれば、
まだ発達障害と呼ばれるものの体系が整っていないうちの診断だったので、
類くんは、実は ADHD ( 注意欠陥多動性障害 ) だろうとのことです。


この本は、4部構成になっています。

PART1 僕は ADD 
PART2 僕が輝く場所をみつけられるまで 
     ( 泉さんの補足付き )
PART3 僕が輝く場所をみつけられた理由
PART4 彼はなぜ輝く場所をみつけられたのか
     ( 母・栗原泉さん 主治医・高橋 猛さん 友人・又吉 直樹さん の手記 )


類くんが診断を受けている発達障害の要素は、
誰もが持っているといわれています。
ただそれが、日常生活に困難をきたす程度か否かで、
診断が付くかつかないかが、分かれるところのようです。

だからそれは、障がいというよりは、強い個性と考えればいいのだと思います。


自分にもその傾向があると悩んでいる人は、類くんの立場で読むと、
勇気づけられることや、克服のヒントがたくさんみつけられると思います。


私は、どちらかというと母親の立場で、
泉さんのグローバルな視点、個性を伸ばすために選択したことなどに、
感動し、尊敬の念さえ抱きました。

まず、驚くべきは、
幼い類くんの状態から、日本の受験制度は難しいと考え、
帰国子女枠で受験させようと、アメリカに移住したことでした。

そして、類くんが小学生の高学年の頃に、
コメディアンになりたいと思った時に、
芸能界でなら生きていけるかもしれないと考えたことも。

それらは、泉さんが、
洋楽の翻訳という仕事をしていたからこその発想だったかもしれません。


泉さんが心がけたことの一つに、
「 様々なものを一緒に見て学び、楽しい体験を共有する 」
というのがありました。

私も、子どもが望むことは、可能な限り体験させたいと心がけてきました。
私の場合、それは自分の子ども時代の、渇望感から来ていたかもしれません。


ところが類くんは、一晩寝てしまうと、
その記憶がほとんど消えてしまうのだそうです。
だから、「 張り合いがない 」 なんてこともおっしゃってましたが、
顕在意識からは消えても、きっと潜在意識の中には
それらの豊かな体験が、たくさん蓄えられているのではないでしょうか?

それは、類くんがこれからモデルやタレント、俳優として活躍する時に、
きっと発揮されることと思います。


その記憶できないということが、日常や仕事上の最大の困難になっていて、
類くんも泉さんも日々奮闘、バトルを強いられているようです。

反面、忘れてしまえるからこそ、
メンタル的に平静を保てる、という利点もあるそうですが…。

そこで、マネージャーに一人暮らしを勧められた時に、泉さんが言った言葉

過保護な親と思われても子どもの幸せを優先する

実際、今の状況で類くんが一人暮らしをすれば、全てが破綻してしまうことでしょう。


そして、私の今までの悩みを一瞬にして粉々にしてくれたのも、この一言でした。
「 そうだ!! そうだよ!! 」

思い出しました。
一般常識ではなく、その個々の状態に合わせた支援というものを
大切にしていたはずの私を…。
それが自分のことになると…!? 
なんだかあきれてしまいました。


子育ての正解は一つだけじゃない。
そして、満点もない。
子育ては、相互作用だし、一人でやることじゃないから…。

足りない分は、家族の他のメンバーや社会に育てていただく、
そして、自らの育つ力で育っていくものではないかと思います。


類くんもですが、
泉さんもまた類くんとは違うタイプの ADHD であることをカミングアウトし、
この本を出版して下さったことに、心から感謝したいと思います。

障がいのあるなしに関わらず、
…と言うよりは、先ほど言ったように個性の強弱ととらえ、
たくさんの人に読んでいただきたいと思います。

特に、生き辛さを感じている人には、お勧めです。
類くんや泉さんには失礼なのですが、
「 こんなんでも大丈夫なんだ!? 」 …と、ホッとさせられると思います。
そして、世の中には、本当にいろいろな人がいて、
「 それぞれが精一杯生きているんだ! 」 ということを思い出させてくれます。

専門家の著書よりも、よっぽど説得力があると思いました。
( 一部、類くんの主治医である専門家の解説も入っています。)


最後になりましたが、
類くんと泉さんのご健康とご活躍をお祈りし、応援したいと思います。


コメント