con te. bravo!

仲良し夫婦の日記です。

「いしぶみ」

2016-08-09 18:02:42 | 映画

「 いしぶみ=碑 」 

約50年前、広島テレビで放送された「碑」。

当時、杉村春子の朗読によるこの番組を、

是枝裕和監督が再編。広島出身の綾瀬はるか朗読による映画に仕立てた。

8月9日 「長崎原爆の日」に観に行ってきました。

 

≪ いしぶみ ≫

 

広島二中・321人の生徒は、建物解体作業のため、

原爆ドームから500メートルの川沿いに集まっていた。

その時 8時15分 原爆が投下され、321人の生徒が被爆。

 

映画では、一人ひとりの名前を挙げて、彼らの最後の言葉や様子が、

綾瀬はるかの トーンを抑えた、淡々とした声で朗読される。

画面には映像はなく、朗読する綾瀬はるかの姿と、生徒たちの遺影のみ。

観る私は、その時の状況や生徒の様子を想像するだけ。

それでも、私の頭には 想像が映像となって 生々しく浮かび、

映像を見るよりもずっとリアルだったように思う。

火傷の様子、滴る血、死の間際 家族に訴えた声にならない声・・・

生徒の名前が挙がるたび、その一人ひとりの顔が浮かび、その最期が思われる。

 

原爆投下された昭和20年末迄に亡くなった推定人数は、

即死者も含め、約14万人前後と言われている。

14万の人々の あったはずの日常が奪われた事実を、

321人の生徒の死の実感を持って、あらためて胸に刻んだ。

 

隣の席におられた高齢の女性が

「そうそう、そうだったよね~。」と涙を拭きながら 呟かれたのが心に残った。

彼女もまた、原爆の傷を心に負っていらっしゃるに違いない。。。

 

 

帰りに「平和公園」に行って、二中の「慰霊碑」を参拝した。

場所は、生徒が集合していた本川町の川岸。

 

裏には、亡くなった321名の名前が刻まれている。

今も、8月6日には関係者により、慰霊祭が行われている。

 

平和公園にある、「峠三吉の詩碑」 も尋ねてみた。

小学生のころ学校で習って、今も忘れられない詩。

ちちをかえせ ははをかえせ

としよりをかえせ

こどもをかえせ

 

わたしをかえせ わたしにつながる

にんげんをかえせ

 

にんげんの にんげんのよのあるかぎり

くずれぬへいわを

へいわをかえせ

  <峠 三吉>

 

 


とうろう流し

2016-08-07 00:44:15 | ヒロシマ

資料館を見終えて 7時過ぎ、「とうろう流し」 に向かいました。

場所は 原爆ドーム対岸の 河岸にある ”親水テラス”

6時から流し始めていたので、もうかなりの灯ろうが流れています。

 

 

母(姑)が被爆者で 13年前に亡くなり、

それから毎年 灯ろうを流しに来ます。

 

さっそく 灯ろうの色紙を買って、言葉を書きます。

母への慰霊の言葉、平和祈願の言葉・・・

どうぞこの想いが届きますように・・・。

 

流す人の行列もすごい! 軽く300メートルはあったでしょうか。

しばらく待って、川岸に下りて行きます。

ボランティアの方が、木枠に紙をはめ、ろうそくに火をつけて渡してくれます。

それを、水の中に入っている男性の方が、川面に浮かべて流してくれます。

夏とはいえ、ずっと川の中は大変でしょう…、ありがとうございます。

 

夕闇も迫り、灯ろうの灯りもだんだんに増してきます。

 

今は満ち潮なので、灯ろうは海の方ではなくて上流に向かって流れて行きます。

(写真で下方が上流)

約1万個の灯ろうが流されるそうです。

8時過ぎて9時ごろまで、ピークを迎えるころには

川面が灯りでいっぱいになることでしょう。

 

 

3年前までは、この 「とうろう流し」 の オープニングセレモニーに

LEGENDが、”献歌” をしていました。

真夏の暑さの中、正装の燕尾服を着て。

彼らの朗々とした歌声が川面に流れます。

関係者とともに、LEGEND代表として あきさんがとうろうを流して、

「とうろう流し」 がスタートしていたのです。

今年は来広あるかな? と期待していましたが

準備が間に合わなかったとかで、ザンネン。

是非、来年は、来年こそは、原爆ドームの前で歌声を聴かせてください

慰霊の献歌で、ヒロシマを 癒してください

待っています。

 

 


オバマ大統領の 折り鶴

2016-08-06 23:28:48 | ヒロシマ

8月6日  「とうろう流し」 に行く前に

久しぶりに 「広島平和記念資料館」 に寄ってみました。

 

 

夕方 6時過ぎです。 今日は資料館は8時まで開館、まだたくさんの人が来られてました。

 

オバマ大統領が5月に来広されたときに、自ら折られた折り鶴です。

頭の折れ線もきちっと…お上手です。

 

その時の ”芳名録” に書かれたメッセージ。

[訳]

 

これは、オバマ大統領をお迎えした小学生に、大統領が手渡された折り鶴。

 

 

館内も見学。

でも、何度か見ているので、つらく悲しい展示はスルーしちゃいました…。

最後に、これまでここを訪れた著名人の芳名録の展示があります。

 

「原爆の図」 で有名な、丸木位里・丸木俊 夫妻

 

オノ・ヨーコ さん

 

マザー・テレサ さん    32年前に来られたんですね。

[訳]

 

大江 健三郎氏

 

毛利 衛氏   同じ科学者として。

 

ほかにも、エリツィン氏、ゴルバチョフ氏、ヨハネ・パウロ2世

カーター元アメリカ大統領、ダライ・ラマ氏・・・とたくさんの署名が。

ファイルになっていて、自由にめくって見ることができます。

…もちろん、コピーでしょうけれど。

 

 

外に出たら7時前。それでも慰霊碑の参拝は 長い行列ができていました。

外国の方を 多くお見かけしましたね。

朝の慰霊祭の祭壇がそのままに。

 

さあ、日も暮れかかって、これから 「とうろう流し」 会場に移動します。

 原爆ドーム対岸です。

 


読書日記 ~31~

2016-08-02 10:30:32 | 読書

レジェ友さんからご紹介いただいた、面白い本。

 

  ≪ 似ていることば ≫  文:おかべたかし  写真:やまでたかし

 

う~ん、なかなか面白いぞ!

似ていることばの対を取り上げ、それを写真に撮り、

その言葉に解説を付けた、図鑑っぽい本。 例えば・・・・

 

*明らむ と 赤らむ  

  朝日で明るくなるのが「明らむ」

  夕日で空が染まるのが「赤らむ」

        きれいな朝焼けと夕焼けの写真。 

 

*足 と 脚

  足首から下が「足」

  太ももから下が「脚」

 

*カレイ と ヒラメ 

  口が可愛いのが「カレイ」

  口が恐いのが「ヒラメ」

  お腹を手前に置いたとき、頭の位置によって言う 「左ヒラメに右カレイ」 は、

  種類によって違いがあり、必ずしも正しくないそうです。

 

*睡蓮 と 蓮 

  水に浮かんで咲くのが「睡蓮」

  水上に突き出て咲くのが「蓮」

 

*卵 と 玉子 

  産まれたものは「卵」

  食べるものは「玉子」

 

*林 と 森  

  人間が生やしているのが「林」

  自然と盛り上がったのが「森」

  木の数で、少ないのが林、多いのが森、という説もあり。

 

*フクロウ と ミミズク (表紙)

  頭がつるんと円いのが「フクロウ」

  頭に耳(羽角)があるのが「ミミズク」

 

同音異義語・同訓異義語などの、ことばが似ているもの、

そして、形が似ているもの、

全部で”38組”の似ているものを解説し、なるほど!と思わせてくれます。

38個分、賢くなった気分だな~

 

 

 

  ≪ パウル・クレーの画集 ≫

展覧会に行かれた方からお借りしました。

 

クレーの、シンプルな線画が好きです。

天使を描いています。天に伸びていくのびやかさ。

 

ヴァイオリン奏者だったクレー、音楽を絵に表現しています。

 

こんな色彩の絵も。風景をデザイン化しています。

向こうに、海とか山とか、見えてきませんか。

 

画集を観てると ”展覧会”に行きたくなります。

画集を貸してくださった先生が、秋にはグループ展をされるとか。

早く来い来い、芸術の秋