読書日記 ~107~で書いた「電車のなかで本を読む」の作者
島田潤一郎氏が立ち上げた一人出版社「夏葉社」の作品を3冊、取り寄せて読みました。
「電車のなかで・・」がとてもよかったので、この作者の出版社なら面白い本に違いない!
当たりどれも面白い作品でした。
《 レンブラントの帽子 》 著:バーナード・マラマッド
アメリカの作家の短編集。
ある美術教師が、白い帽子をかぶっていた。
それを見た別の教師が「それ、レンブラント(画家)の帽子とそっくりだね」と話しかける。
それ以来、帽子の男は不機嫌で無言になり、二人の間に不穏な空気が流れる。
何が気に入らなかったのだろう・・
人と人との交流の糸が切れ、それから二人の心の中の葛藤が続く。
無言の二人の時間・・お互いの胸の内は・・
ついに一人が帽子の男に「謝りに来たんですよ、帽子の件は思い違いでした」
「あたりまえだよ」と泣く帽子の男。
深い不信が取り除かれて幕。
言葉は人と人を繋ぐ大切な札だ。
《 万感のおもい 》 著:万城目 学
「プリンセス・トヨトミ」の作者のエッセイ集。
作家としての自身の分析、向田邦子さんのこと、京都へのおもい、
理由あって色付けした1年・12か月の其々の色(5月は緑・6月は白…etc)について語る、
身体のこと、実家のある大阪の思い出。
達者な文章にのまれて一気読み。
エッセイでこれだけの色合いを出す万城目氏、只者ではない。
《 絵本のなかへ帰る 》 著:高村志保
小さな本屋さんを経営している作者。
「こどものとも」という月刊絵本を子どもたちに届け続けている。
子どもに本の世界を味わってほしい・絵本と共にある時間の喜びを知ってほしい、
そんな彼女の思いの熱量はすごい!
本作は、彼女の好きな絵本について自分との繋がりとその魅力を語っていく。
こねこのぴっち・おおきなかぶ・ないたあかおに・てぶくろ・ぐるんぱのようちえん
等、読んだことのある絵本だと「そうそう、おもしろいよね」と思い出し
読んだことのない絵本は、紹介文を読んでさっそく書店に注文をした。
早く来ないかな~。
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