また、せっせと本を読んでます。
「本」 って面白いですね。
「詩」も、「エッセイ」も、「小説」も、「ドキュメンタリー」も。
「映画」も好きだけれど、「本」の方が想像力をかき立てるので、もっと好きです。
自分の中で想像した情景や主人公。
私だけに広がる、その本の世界が好きです。
≪ジヴェルニーの食卓≫ 原田マハ:著
4人の画家の素顔が、それぞれの身近な女性を通して語られる、4つの短編。
「アンリ・マティス」「エドガー・ドガ」「ポール・セザンヌ」「クロード・モネ」
マティスの明るい絵はどこから来るのか。
ドガの踊り子へ差し伸べる手。
貧しいセザンヌはいかにして絵を描き続けたのか。
モネの、”睡蓮”に思いを託した娘がいた。
印象派を代表する4人の、人生の断片が見えて、興味深い。
4人の作品を思い描きながら読むと、作品に向かう画家の絵筆が見えるようだ。
”踊り子”や”睡蓮”の絵が見たくなった。
≪女のいない男たち≫ 村上春樹:著
久しぶりの村上春樹。しかも短編。読みやすいという評も聞かれ気楽に手に取った。
確かに読みやすい。彼流の仮想世界もわかりやすい。
妻を亡くした男。 友達に自分の恋人をあてがう男。
真実の恋を失ったプレイボーイ。 女の不思議な寝物語に惹かれる男。
妻に裏切られ、心が傷ついたバーテンの自己再生・・
一本の電話で、昔の恋人の死を知らされ戸惑う男。
女を失った6人の男たちの物語。
何かを失ったときに読むと、同化できるかもしれない。
≪天の梯≫ 高田 郁:著
「みをつくし料理帖」10巻目にしていよいよ最終巻。
幼馴染みの野江ちゃんを、廓から身請けするために苦心する主人公”澪”。
そんな澪を助ける周りの温かい人々、なんていい人ばかりなんだろう。
次々と襲いかかる難題にもめげず、すっくと成長を遂げた澪。
念願かなって野江ちゃんの身請けも叶い、恋も叶い、
『雲外蒼天』 澪の天はどこまでも蒼い。
*今後、登場人物のその後を書いた”特別巻”が出るとか。
う~ん、どうだろう、先は読者の想像に任せて、このまま終わりの方がいいのにな。
≪死の淵を見た男≫ 門田隆将:著
2011年3月11日 東日本を襲った大地震と津波によって起きた「福島第一原発事故」。
電源喪失、注水不能、放射線量増加、水素爆発・・・
そんな最悪の事態の中、現場はどう動きどう闘ったのか、というドキュメンタリーである。
筆者は、原発の所長だった”吉田昌郎”をはじめ、90人近い関係者に取材してこの本をまとめた。
地区民の安全を確保すること、日本を未曾有の惨事から救うこと・・・
それを一義に、自らは死の淵に立ちながら力を尽くした人々の壮絶な闘い。
現場に残った600人以上の人たちの、命を賭けた使命感は胸を打つ。
「原発の”是非”を問うものではなく、こういう事実があったことを知ってほしい」
筆者の言葉である。
この事実は、本当に重く胸に残った。 知らなくてはいけないことだ。