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仲良し夫婦の日記です。

読書日記~7~

2014-08-10 22:05:19 | 読書

 

以前読んでとても難しかった作家 ”中村文則” の作品。

     『掏摸(スリ)』

この作品は、「大江健三郎賞」 を受賞。

また、海外でも翻訳され アメリカの文学賞や、

「ウォール・ストリート・ジャーナル 2012ベスト10ブック」 にも選ばれた。

 

この物語は、そう、掏摸が主人公。

スリを生業とする「僕」。 

電車で、路上で、見定めた相手に向かって指が動く。 

その描写は、とてもリアル。

ある日、闇の世界に身を置く仲間に遭遇。

彼に支配されている「僕」は、否応なしに闇の仕事に巻き込まれていく。

そんな時、万引きをする母子を目にする。

子供を全うな人間に戻したいと手を差し伸べるのは

「僕」の中にわずかに残っていた ”自己の尊厳”か。

子供への善意は、しかし空回りするばかり。

「僕」の思いは成就するのだろうか・・・

闇の仕事は待ったなしだ。

   。。。。。。

あとがきで、作者は言う。

「僕の書く主人公は僕の分身である。 この主人公にも思い入れがある。

スリという反社会的存在に好意を感じるのは、僕の性質なのでご容赦願いたい。

そういう性質でなければ、僕は小説を書いていない。

押し付けられるような明るさはいらない。

全てに満たされているのなら小説は必要ない」 と。

 

前に読んだ 『去年の冬、きみと別れ』 もそうだったし、

芥川賞をとった 『土の中の子供』 (←この本は辛すぎて書けないデス) もそうだけど、

この作家は、屈折していて、手ごわい。

でも、うまい

 

 

さ、お次は軽くエッセイを。 といっても ”阿川弘之”。

重みのあるうんちくが披露される。

   『エレガントな象』

デパートの広告にある「エレガンス・リッチカジュアル」という、訳のわからない和製英語を嘆き、

自衛隊のイラク派遣に一言を述べ、

亡くなった文壇仲間への追悼文も。

1920年生まれ。 海軍で培われた、大和魂、精神力は、

娘の ”阿川佐和子” をして 「厳しく怖い父です!」 といわしめる所以。 

2011年に ”引退宣言”。  まだまだ筆力おありと見るが。

辛口エッセイの刊行を期待している。

 

 

まだ読まなきゃいけない本が山積み。

なぜ「読まなきゃいけない」かというと、図書館の本だから。 返却期限は2週間。

しかも今、3冊が同時に。 来週もう1冊来そう。ふ~っ

なんで図書館の本って、一度にドッとくるのだろう。  

重ならないように、間を空けて予約してるのに・・

在庫の冊数と、タイミングなんだろうな。

 

なかには予約がナント800人待ち、なんて本もある。

(百田尚樹・東野圭吾・湊かなえ・宮部みゆき などの作品が)

順番が来るまで、いったいどのくらい待つのだろう・・・

先日来た『ジヴェルニーの食卓』という本は、1年前に予約した本。

来た時には、1年前の”読みたい!”欲は半減している。

で、800人待ちなんて本はとても待てず、書店で購入するのだが、

おかげで本の山ができる、という次第。

さ、夜な夜なの ”読書旅行” に出発