
勤めている会社近辺の喫茶店を片っ端から巡ってきた。南は秋葉原。北はアメ横。西は湯島天神くらいまで。とにかく、1時間の昼休みで行ける範囲である。30分くらいは喫茶店でくつろぎたいから、片道15分の喫茶店が目一杯である。
あらかた、全ての喫茶店を訪問した積もりだったが、世の中はまだまだ広い。思いがけず、道を歩いていて思わぬ発見があるのだ。
この「シャルマン」も、偶然見つけた店である。
しかし、この「シャルマン」のたたずまいと言ったら。緑と白のストライプのテント。いかにも、いかにもといった古典的喫茶店だ。だが、その店構えには、凛とした威厳がある。冷やかしでは決して入れないのである。
勇気を出してドアを開けた。扉の向こうは、まるで昭和にタイムスリップしたみたい。古いサロンのような。時間が一瞬のうちに止まった気がする。
ボクは疲れた革の椅子に腰かけた。客はボク以外に誰もいない。あぁ、落ち着く。スタバなんかより、断然落ち着く。
サンドウィッチにコーヒー。
それほど、期待していなかったサンドウィッチは、とろとろの卵サンド。優しい味で抜群においしい。コーヒーはアメリカンの取るに足らない味だったけどサンドのうまさだけで、十分お釣りがくる。
上野広小路周辺は、喫茶店発祥の地を控えていることもあり、喫茶店のレベルが高い。「ラパン」、「フレンチボーグ」、「ヴェルデ」、そして「シャルマン」。これだけ、粒ぞろいのエリアもそうそうないだろう。この中で、「シャルマン」は、ちょっと地味だけど、ボクはそんな「シャルマン」をとても気に入ってしまったのだ。
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