JR渋谷駅は大がかりな工事を行っている。いずれ巨大な駅ビルになるようだ。ハチ公口を出て、京王線駅の方角へ向かう。横断歩道を渡ると、もうそこはディープゾーン。酒場だらけの界隈だ。
ここに、「晩杯屋」が出店したらしい。立ち飲みラリー山手線編。今夜の目当ては、「晩杯屋」だった。その店舗は、すぐに見つかった。
せまっ!
店内は3坪くらい。けれど頭上を見上げると、ビル全体が店舗の様子。つまり、1階だけでなく、2、3階も店になっている。これって、これまでにないパターンだ。
1階、2階は立ち飲み。3階が座飲みというシステムらしい。
ボクは、1階のカウンターに陣取り、いつものメニューを注文した。「ホッピー 白」は口頭で、「煮込み玉子」、「チーズカリカリ」は、伝票に書き込んで注文した。
しかし、1階はかなり狭い。多分10人は入れないだろう。いや、この時点で大人3人、かなりつらい。隣の人に肘が当たらないよう、注意してジョッキを持つ。
しかし、「晩杯屋」が渋谷をとった意味は大きい。東急沿線を中心に、店舗網を張り巡らしてきた同店が、東京最大ともいえる街に出店した。オセロなら角をとったようなものである。
ちょっと、残念だったのは、「晩杯屋」特有の熱が感じられない。もしかすると、2階は熱いグルービーな重低音が店を包んでいたのかもしれないが、少なくとも1階はグルーヴがなかった。せっかくの渋谷なのだから、クラブ並みのグルーヴ感を期待したい。「とんかつDJ」だって渋谷である。「大盛 レバーフライ」などを揚げる音で、ビートメイキングして、ノリノリの酒場にすることも可能じゃないだろうか。せっかくの立ち飲みだし。
「食べログ」を見ると、点数は僅かに3.08。「晩杯屋」の中でもかなり低い。そりゃそうだ。飲んだくれのオヤジらの姿はなく、来店するほとんどがホワイトワーカーである。「晩杯屋」は、渋谷には、ちょっと浮いた存在のような気が強くする。
■「 晩杯屋」の過去記事
居酒屋さすらい 0488 - 『いこい』のDNAを受け継ぐ店 - 「立ち飲み 晩杯屋」(品川区小山)
居酒屋さすらい 0828 - 都内最大級、「いこい」の息子たちよ - 「立呑み 晩杯屋」(板橋区大山東町)
居酒屋さすらい 1008 - 生き血を吸われるが如く店舗増殖中 - 「立呑み 晩杯屋 大井町店」(品川区東大井)
居酒屋さすらい 1221 - 第二形態、東京の立ち飲みのメッカへ - 「立呑み 晩杯屋 新橋烏森①店」(港区新橋)
居酒屋さすらい 1251 - 上野を素通りしたわけ - 「立呑み 晩杯屋 鶯谷店」(台東区根岸)
居酒屋さすらい 1262 - ザギンなら、もしかすると「ロマネ・コンティ」を… - 「立呑み 晩杯屋 銀座店」(中央区銀座)
居酒屋さすらい 1275 - 晩杯屋で初めて座る、の巻 - 「晩杯屋 ゼームス坂上店」(品川区東大井)
居酒屋さすらい 1309 - 本店のスピリットを受け継ぐグルーヴ感 - 「晩杯屋 ゼームス坂上店」(品川区東大井)
居酒屋さすらい 1311 - 妖精に誘われて - 「晩杯屋 大井町店」(品川区東大井)