熊本レポート

文字の裏に事件あり

大分県宇佐・高田・国東迄を振り返っての菊池環境保全組合における250億円の行方? 第1回

2017-06-11 | ブログ

 宇佐・高田・国東広域組合(大分県)の実施した入札が、関係者の抗議で半年も棚上げとなった。焼却施設の建設に向けての入札(2016年4月)で、同入札に参加を予定していた2企業体の1企業体が、この寸前になって辞退し、その企業体に参加の1社が「官製談合、暴力団による圧力があった」と訴え出て停止したのだ(017年2月解除)。第三者委員会による半年以上の調査結果は「シロ」と出たが、関係者の間で飛び交ったのはやはり「黒に極めて近い濃厚なグレー」という見解。

 鹿島建設等スーパーゼネコンが「談合決別宣言」をしたのは10年も前だが、それが東北震災復旧の高速道路、舗装工事等で摘発されて、防災無線事業でも10年間も連続談合と明らかにされると、それは稀な不祥事ではなく、公共工事での談合はやはり不滅。震災での地元業者に向けた救済策の一環として、それを平等な配分と考えると、これは「必要悪」と理解されないこともないが、百億円もの公費に向けて関係者が眼の色を変えて「官製談合化」に蠢くと毎度、批判で終る中央政界も問題ながら疑惑の検証能力どころかその監視、監察能力に乏しい地方政界にあっては、市民のフラストレーションは皮肉にも疑惑の反対側に向けられる。
 一方、シャープや東芝がそうだが、日本のビッグ企業も安閑と暦を捲れない時代に突入し、社運を賭けた200億円もの受注となると彼らも50%の賭けに打って出るのも言わずもがなである。発注側にあっても市民の疑いの目がレベルアップして、結果で「木から落ちる猿」にはなりたくないという警戒心はあっても、それは明るみとなっての政治倫理。経験の無い野党議員には予測すら困難な事案で、彼らがテキストとするマスコミも「恐喝」という陰湿な企てはともかく、「名誉毀損、業務妨害」という詭弁の抵抗どころか、内に在るヘッドの平穏無事から字にするハードルが高くなっては、その調査能力も育まれることも無く、先の賭けは50%以上にアップするわけで残念ながら「官製談合」は不滅、いや成さねば損、「官製談合は当然」という彼らの政治姿勢に落ち着く。

 さて前置き、余談で長くなり過ぎたが熊本県でも菊池、合志市、それに菊陽、大津町からなる菊池環境保全組合(後藤三雄組合長・菊陽町長)の新環境工場が、12月の発注先選定を経て合志市幾久富地区(県道住吉熊本線沿い)に建設される。
 約20000平方メートルの敷地にストーカ方式の焼却施設(170t/日)とクローズ型の最終処分場(130000立方メートル)とが建設されるが、既設(大津町楽善)に残余量のある最終処分場に先行して焼却施設の方は平成30年に着工となる。
 設計、建設事業費として145億2600万円、それに従来とは異なりDBO方式(公設民営)で運営、維持管理業務まで依託されて、それが111億6014万円の合計256億8614万円を事業予定価格としている。
「オリンピック準備工事に震災復旧工事で材料、人件費が高騰しているとはいっても、従来の施設建設費と比べたら超高過ぎる」(大津町民談)
 こうした意見は住民説明会の段階で出されて修正されるべきもので、決定後に吐かれる庶民の愚痴ほど反民主的な無駄は他にない。
 これから述べる見解も愚痴と何ら違いがない感じもするが、関係する住民の検証に参考となる事を願い、関係者に替わってその話を含めて、ここに公開とした。そして先に断るが該当の事業、事案に「疑惑」と断定しているわけではなく、事案検証のための参考用の私見で有ることを願って述べることにした。

 それでは外野席において、野次馬が一番に興味を抱く「250億円事業を受注するのはどこか?」と推定を欲する発注先の企業だが、理由は後述するとして、理想も一致する「菊池環境保全組合は三菱重工環境・化学エンジニアリングを決定」と想定。
 入札に向けて公募に応じたのは冒頭の大分県での該当業者である日立造船(現在は非造船)と荏原環境プラント、そして三菱重工環境・化学エンジニアリング、JFEエンジニアリングの4社。
 12月の決定に向けて、この4社は自社のプラントの長所、利点等、また施設の運営等についての提案を提出し、そして入札金額の提示となるが、それを審査して落札者を決定(総合評価方式)するのが専門知識を有する4名と、関係市町の副市町長4名からなる検討委員会。
『専門知識を有する検討委員の高度な審査で決定』
 矛先を替えて責任転嫁とは言わないが、これでは野党や市民レベルには文句の着けようもない。
 専門的な知識を有する検討委員は、環境省の外郭団体ともいえる日本環境衛生センターの技術部長がまとめ役として任せられるが、「技術部長とは公共清掃工場の場長経験者。熊本市の東西清掃工場長クラス」(環境省関係者談)と語る。確かに同センターは清掃工場を有する各自治体の正会員によって構成される。
「焼却施設メーカーの各社が賛助会員として加わっていて癒着とは言わないが、調整役の感じはしても、お世話になっている側ではその任にも有らず」
 ちなみに同センターの南川秀樹理事長は、環境省では国立公園等の自然環境が専門で、民主党政権時代に三重県知事選への出馬に意欲を見せたが、結局は事務次官に就いて退官。
 また熊大、福大、九大の教授からなる委員だが自然工学、環境社会が専門で、施設機器の専門分野もそうだが、トータル審査の判断となると「疑問符が打たれる」という関係者の声もある。
「責任を問われても、審査会で意見が全て通る保証はなく、確かに『セレモニー』といわれたら反論もない」
 これは過去の事案で該当審査会のメンバー(大学教授)が、論争の中で漏らした本音。それでは落札業者の決定者とは、果たして誰なのか・・・。(次号へつづく)