熊本熊的日常

日常生活についての雑記

愚痴と自慢

2007年01月07日 | Weblog
平日の昼時、よく独りで外食をする。好むと好まざるとにかかわらず、近くの席での会話が耳に入る。殆どの場合、そこでの話題は愚痴か自慢話である。愚痴と自慢は正反対の内容であるように見えるが、私には同じことであるように思われる。どちらも話し手は熱心だが、聞き手は相槌に終止している場合が多い。傍目には滑稽な風景である。

愚痴は、自分が不当な逆境にあるという訴えであり、その前提には、自分がそのような逆境にあるべき人間ではないという自己評価がある。自慢は、いかに自分が優れているかということの主張であり、その背後には、自己の現状に対する強い肯定がある。いずれにしても、発情期の畜生が行う求愛ダンスのようなものだ。

生きとし生けるものはその命を次の世代につないでいくという使命を負うている。その使命を果たすため、生き物は自分がいかに生存に値する存在であるかということを主張し続けなければならないのである。しかし、生命というのは、個体が全て生存し続けなくても命がつながるように余裕を持って個体を発生させている。局地的に見れば、絶滅に瀕している種もあるが、人間について言えば必要以上の勢いで増加が続いている。本来ならば不要な奴も生きながらえているということだ。愚痴や自慢を垂れながら。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。