熊本熊的日常

日常生活についての雑記

ユニクロバーガー

2006年05月12日 | Weblog
ロッテリアで豆腐ひじきバーガーを食べた。トレイの上に敷かれた紙には、この商品についての説明が長々と書かれている。いろいろこだわりがあるらしいが、それはあくまで店の側の都合であって、消費者の利益にかかわるものではない。消費者の利益とは、おいしくて、食べた後に満足感が残ることである。別に、それが低カロリーであろうがなかろうが、食べたければ食べるだけのことである。薄着の季節を前にして、低カロリーを前面に訴えた商品が関心を呼ぶとでも考えたのだろう。

肥満について思うことは多々ある。身近にも絶望的な肥満人がいるので、肥満のメカニズムは十分に理解しているつもりである。しかし、この話題は読む人を不愉快にするかもしれないので、ここでは書かない。

ここで言いたいことは、市場というところでは、能書きではなく結果だけが求められるということだ。今、目の前にある商品が全てなのである。そして、この豆腐ひじきバーガーはおいしいけれど見た目が悪すぎるのである。食べた時に貧しい気持ちになる。これでは売れないと思う。

あるコンビニの商品モニターをここ1年ほどやっているが、「見た目」というのはかなり意識されている。当然のことだ。人は味覚だけで食べ物を味わうわけではないのである。飢餓状態におかれているならいざしらず、食べるという行為は食欲を満足させるだけではない。一緒に食べる相手との意思疎通の道具でもあり、一人で食べる場合でも、意識するとしないとにかかわらず作り手との交渉があるものだ。おいしく食べてもらおうと思って、精魂込めて作ったものは塩にぎりでもおいしいはずだし、おざなりの料理は、豪勢なフルコースでも満腹するだけで満足はしない。

いろいろこだわりはあるらしいが、おいしく見せようという意欲が感じられない商品は市場で淘汰されてしまう。栄養と価格だけでは外食産業で勝負はできないのである。

ユニクロが東京に進出したばかりの頃、「ユニクロのシャツは3日でダメになる」と噂されていたこともあった。当時、アナリストミーティングで、経営陣の人々は自社製品を着て登壇していた。商品について語るとき、彼等の表情には誇りがあった。

ロッテリアの経営陣は毎日毎食、自社製品を「あぁ、うまいなぁ」と思いながら食べておられるのだろうか?

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