熊本熊的日常

日常生活についての雑記

海を見に行く

2008年04月26日 | Weblog
急に海が見たくなって、海辺の町へ出かけてきた。自宅近くの駅から電車を乗り継いで2時間ほどでHastingsという町に着く。

ここ2週間ほど腰痛を患っており、なんとなく気が滅入っていた。たまたま、同僚と話をしていて、その人が来週末に海に遊びに行くという話を聞いたら、自分も海が見たくなった。腰痛は、腰そのものの痛みは軽くなったのだが、無意識のうちに腰を脚でかばっていたのか、大腿部が痛み、その痛みがあまり引かないのである。腰そのものの痛みが軽くなったということは回復期に入ったということなので、ぶらぶらと歩くというような運動は良いだろうと考えた。仮に、足腰の痛みが単なる腰痛ではなく、深刻な病気の一症状であるとすれば、動けなくなる前に見たいと思った海を見ておくべきだろうとも考えた。ある友人からは精神的な原因があるのではないかと指摘され、それなら気分転換が必要なのではないか、とも考えた。結局、思ったことは行動に移すのが良いだろうと思い、出かけてきたのである。

週末のロンドン中心部は、観光客で賑わっており、人混みが苦手な私としては、あまり出かけて行きたくはない場所である。対するHastingsは週末の日中は1時間に2本の割合でロンドンから鉄道が通じており、自分の生活圏からのアクセスが良く、しかも混雑というものとは無縁である。今回、この町を初めて訪れたのだが、天気に恵まれた所為もあり、とても快適だった。

海岸では、水遊びをしている子供たちがいる。もう水に入ることができる水温なのかと思い、水に手を入れてみると、とても冷たかった。町には漁港もあり、ちょうど漁船が海から戻ってきたところに出くわした。漁をしてきたわけではないようだったが、海から戻る船を見ると条件反射的に海鳥はおすそわけを期待するらしく、船の近くに集まってくる。このカモメ(?)がやたらと大きいことに驚く。昼に海辺の食堂でフィッシュ・アンド・チップスを買って、海岸で腰を下ろして食べていた時も、少しずつカモメが寄ってきて、ふと気がつくと自分がカモメに包囲されていたのだが、このカモメは見れば見る程でかいのである。今までカモメというものをしみじみ観察したことは無かったが、カモメとはこういうものなのだろうか?

説明は省くが、Hastingsは古都である。海岸にそびえる崖の上には朽ち果てた城跡がある。城が廃墟と化したのは、戦争によるものではなく、暴風雨によって城が建っていた高台そのものが崩壊してしまったからなのだそうだ。人間がどれほど知恵を絞っても、天変地異にはかなわないということなのだろう。

海岸から間近に、城跡のある高台から遠くに、思い存分海を見て、なんだか妙に気持ちが晴れ晴れとした。さんざん歩いたので、腰痛はぶり返すかもしれないが、それでもかまわないと思った。それくらい満足した。小さな苛立ちが蓄積したときは、広々とした場所でのんびりとするのが良いようだ。

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