熊本熊的日常

日常生活についての雑記

Good Service

2014年01月28日 | Weblog

ロンドンの地下鉄の駅には、地下鉄各線の運行状況を示した表のようなものがある。それぞれの線の欄にはたいがい「Good Service」と表示されている。概ねダイヤ通り運行されている、という意味らしい。皆無というわけではないのだろうが、彼の地では地下鉄駅に列車の時間表が掲示されているのを見たことがない。ホームの電光表示板には、次の列車がどこ行きで何分後に入線するかが表示されているが、何時何分に来るという表示はしていない。毎週末にどこかしらで列車を運休して保守作業が行われているのだが、そうやって作業をした線に限って翌日は遅れが発生したりする。とにかく定時運行ということに関しては全く信頼できないのである。しかし、ネットのナビサービスは当たり前に存在しているので、ダイヤが無いわけではないようだ。利用者のほうは勿論不満だろうが、そういうものだと諦めているようで、そうした信頼性の無さが取りざたされるのはあまり聞いたことがなかった。

今、通勤で京王線と中央線を利用している。中央線が曲者で、ほぼ毎日のように遅延している。終日ダイヤ通り走ることが無いのではないかと思われるほどだ。そして、車内や駅構内で「列車が遅れましたことをお詫びします」と、慣れた調子でアナウンスが流れる。この人たちは「詫びる」という言葉の意味を知らないのではないかと思うほどだ。そういう場面に遭遇する度に思うのだが、中央線も時間表を非開示にしてはどうだろうか。いつ来るか、ということを表示しなければ、利用する方もそれなりの心づもりをするだろうし、乗務員や駅職員も不毛なアナウンスなどしなくて済むから職場の精神衛生向上に役立つこと請け合いだ。とりあえず動いていれば「平常運行」などと表示しておいて、あきらかにそれとわかるダイヤの乱れがあるときは「ちょっと待ってね」とかなんとか愛嬌のある言葉を表示すると雰囲気がほのぼのとしてよいのではないだろうか。

中央線のダイヤが当てにならないのは今に始まったことではなく、国鉄の時代からだ。国鉄時代の職員というのは横柄な態度の奴が多かったが、民営化されても通り一遍の「詫び」がアナウンスされるだけで、運行実態は変わらない。何十年も同じ問題が一向に解決しないのは、解決する気が無いからなのか、そもそも解決不可能なのか、ということだろう。一応「詫び」ているということは、それが問題だという認識があるということなので、解決を図るのが知能ある者の当然の行動だろう。遅れを取り戻すために無茶な運転をして大惨事を起こしてもらっては困るのだが、オリンピックの頃までには、毎日詫びなくてもよい方策が欲しいものである。