熊本熊的日常

日常生活についての雑記

DVD

2011年10月30日 | Weblog
以前はよくレンタルビデオを利用したものだが、今はネットでのダウンロードに押されてレンタルビデオ店が減っている所為もあって、もう何年も利用していない。観たい映画は映画館に出かけていって観るが、古い映画となるとDVDを購入することになる。レンタル店があちこちにあった時代に比べると、DVDの価格はずいぶん安くなった。映画館で2回観るのとほぼ同じという感覚だ。だから2回以上観る確信がある作品は、つい買ってしまう。確信、といっても一時的な感情であって、裏付けのある考えではないので、買ってみたものの通して観てないというものもある。逆に2回どころか暇さえあれば観ているものもある。観てないものと観るものとどちらが多いかといえば、圧倒的に観ていないものが多い。そういうものが溜まるに従って、発注の際の躊躇の時間が長くなるが、発注手続きに入ってから止めてしまうという例はこれまでのところは無い。

今日は買ってからずっとほっぽらかしになっていた「Uボート」を観た。いつ買ったものなのか記憶に無いのだが、「オリジナル劇場公開版」、「ディレクターズ・カット」、「TVシリーズ完全版」の3枚がセットになったものが手元にある。このうち今日は「ディレクターズ・カット」を観た。劇場公開のときに映画館で観ているので、作品については知っているが、改めて観るとやはり良い作品だと思う。

原作は、原作者が第二次大戦中に実際に作戦中のUボートに乗船して取材した経験に基づいている。あるUボートの出撃から帰還までの数日間をドキュメンタリーのように描いてある。当時のドイツ潜水艦隊の搭乗員は4万人で、このうち3万人が帰らぬ人になっている。そういう現場であるから、敢えてドラマにしなくとも劇的な場面はいくらでもあるということかもしれないが、208分間の作品上映時間中、退屈な場面は一瞬たりとも無かった。確かにラストシーンは作為に過ぎると見る人もいるだろう。かといって、あのまま何事も無く終わるというのも、例え原作の基になっている取材での現実がそうであったとしても、映像作品としては物足りなくなってしまったのではないだろうか。あのラストがあるから反戦映画という解釈ができて興行的には自由度が高くなるという面もあるだろうし、その分、安っぽいものになってしまったという憾みが出てしまったとも言えるだろう。ただ、全体として見れば、数日間の任務で人がどう変化するかということ、もっと言えば、人間とは何なのかということまで考えさせる素材が満載の作品だと私は思う。

購入したDVDのなかには、既にネットで売り払ってしまったものがあるのだが、これはまだしばらくは手元にありそうだ。