熊本熊的日常

日常生活についての雑記

無理難題

2008年12月06日 | Weblog
子供からのメールに帰国の土産は「イギリスらしい実用的なもの」がいいと書いてあった。イギリスらしい非実用的なものならいくらでもあるのだが、実用的なものというとどのようなものがあるのだろうか?

真っ先に思い浮かぶのは傘である。とにかく雨が多い。それも一日中降り続けるのではなく、降っては止み、時に晴れ間がのぞき、そして俄にかき曇ってまた降る、という降り方なので、携帯に便利な折りたたみの傘がよい。

東京で暮らしていた頃は、コンビニで売っている大きい傘を使っていた。出かけた先で、降られると買っていたので、たくさん持っていた。そして、たくさんなくした。手に二つ以上荷物を持って、そこに傘が加わると、かなり高い確率で傘をどこかに置いてきてしまう。

ロンドンへ来る時は、折りたたみの傘を3本持参した。1本は渋谷にあった東急文化会館のなかに入っていた傘店で購入したものだ。勤務先が渋谷にあった時に購入したものなので、もう8年ほど使っている。コンビニで売られている傘はたいがい中国製だが、これは日本製である。その所為かどうだかしらないが、丈夫で、多少強い風が吹いても骨が曲がったりしない。もう1本はどこかのコンビニで購入したものだ。東京にいた頃の使用頻度はこれが最も高く、骨に異常はないが、傘布が何度か骨から外れ、その都度自分で縫い付けて使っている。何故か、ロンドンに来てからは一度も出番がない。最後の1本は伊勢丹で頂いたものだ。ニューヨーカーというショップでスーツを買ったとき、上着に入れる名前が間違えていた。それで店の人がお詫びということで、傘と名刺入れをくれたのである。これは小さくて実用的ではないと思っていたのだが、小さいが故に携帯に便利で、ロンドンに来てからは重宝している。わずかに1年3ヶ月の滞在期間ということもあるが、3本ともに日本に持って帰ることができそうだ。

というわけで、折りたたみの傘、というのが子供への土産の候補のひとつである。National Galleryの売店で売っているWhistlejacketの絵柄などどうかと思う。傘以外に思い浮かんだイギリスらしい実用的なものとしては、工具セットがある。普段の暮らしのなかでもなにかと障害が多いので工具類は必需品だ。「多い」といっても雨の頻度に比べたら遥かに少ない。それでも、トイレの水洗タンクの中の金具が腐食して破断してしまった時とか、電気製品のネジが緩んだ時などは、やはり重宝だ。ただ、工具類の良いものは日本企業の製品なので、あまりイギリスらしくはない。もうひとつ、机の上で使うちょっとした文具を思いついた。今日は市内某所で、そのちょっと変わったペーパーホルダーを買ってきた。実用性には疑問符がつくのだが、少なくともイギリス的な趣味の悪さが気に入っている。