RUNNING BEAR Ⅱ

くまこの日記です。コメントは承認制とさせていただきます。

みらいのつくりかた(中編)~天才が語る天才とは~

2015-02-23 21:12:59 | レポ



理恵:「3人に共通するところは、体操一家、じゃないですか。
私の家は、生まれた時くらいから、家の中に小さなトランポリンがあったり、鉄棒があったり、庭にもトランポリンがあったりして。
どんな体操一家でした?」




「僕、まず家が体育館だったんで・・・はい。別に友達と遊びに行かなくても、家で遊べる。
ビデオとかも、こう、練習終わって家帰って、ずっと見てましたからね。体操のビデオ。はい。」




「普通じゃないです。体操、しか、ないです。だからここまで来れたのかなというのがありますけど。」



「今だから言える感謝の気持ちとか、そういうことってありますか?」



「父親になって初めて、自分の父親みたいになりたいと思いましたね。」

「ふ~ん・・・。どういうお父さん・・・?」



「普段はなんも言わないんですよ。でも、間違ったことをやった時は、しっかりこう、喝を入れてくれてくれるというか。」



「そういう、威厳のある親になりたいなという風に思いましたね。」


                     

「白井選手は、天才でもあるけど努力家だから、すごいな~って・・・。」

「確かに、天才って思われがちですよね。」



「でも、天才って何なんだかよくわかんないんですけどね。」



「天才・・・。天賦の才、ですからね。うん・・・。」



「神様がくれたもの。神様がくれた才能。・・・てか、別に練習しなくても出来るとかは、天才じゃないですよね。」

「うん。」

「それはイコールじゃないですもんね。」



「結局、その道で1番とか、輝いていたら、もうそれって天才なんじゃないですか。
だから健三にだって僕は、ひねりは本当に天才以上だと思いますけど。」




「神様ですからね。ひねりの神様ですから。」



「でも、その天才ってのは、トランポリンをいっぱいやった努力からじゃないですか。結局才能ではないんですよね。」



「才能だろ。」

「作った才能じゃないですか。」



「でも、お前にしかできないじゃん、あの床の構成。」

「ま、そうなんですけど・・。」



「普通の人が行けないところまで行ってんだよ。」

「それは、天才なんですか?」

「それは、そこは天才だよ。」



「内村選手は、皆さん、天才、天才、っていうじゃないですか。でも、天才ですけど、一番努力する人だなって、思いましたね。(白井君に)練習、ハンパないよね。」



「うんうん、すごいですね。」



「なんか自分自身と、ちゃんと会話できてるよね。もう一人の内村選手と、いつも会話しながら練習してそう。」



「あ~それはありますね。」



「今日、どう?ってホント会話できるんじゃないかと思うくらい。」

「体操って、体操るだけじゃないじゃないですか。自分をいちばん自分がわかってないと。
結局は、自分を自分でわかることが一番大事だなっていうことを最近すごく思います。」




「北京が終わってから、結構もうほんとにやりまくれば絶対に世界一になれると思っていたのがずっと4年間あって、4年目で力尽きたけど、ま、ぎりぎり金メダル獲れたから、そこでしっかり考え方変えようっていう。」



「で、すごい質にこだわって練習して、ま、結果が出てきたんで。
ま、1回そこまで行ってみないとわかんないこともあるんで。」




天才が天才を語る部分、そして、ロンドンで航平君が感じたこと。
このあたり、すごく深いですね。

航平君も白井君も、神様からたぐいまれなる才能を与えられて、でも、誰よりも練習をしてきたという自負があるから、才能だけでここまで来たんだとは思われたくないという思い。

二人とも同じことを考えている。
同じことを考えているからこそ、航平君は、白井君に、「普通の人が行けないとこまでいってるんだよ。そこは天才でしょ。」と背中を押す。

結局、二人とも、神様から素晴らしい才能を与えられて、それを人一倍練習することによって誰よりも輝くところまで自分の力で持っていったということですよね。

航平君の中では、ロンドンの金メダルは、ぎりぎりで取れた金メダル、っていう想いなんだ、って知った。
自分を傷つけるように練習していたロンドンの前。
掴めると思ってコールマンで伸ばした手は、バーには届かなかった。
いつもなら手を離した瞬間に、これはヤバい、と思うはずなのに。

航平君のロンドンは、本当に、いろいろなことを航平君に教えてくれた大会だったんですね。

それをすべて自分で受け止めて、吸収して、考えて、そして、リセットしてまた次に向かう航平君の強さ。
ものすごい精神力の強さだなって思います。

そして、そういう苦しい思いを吐露することなく、こういう機会にさらっと語るそのクールさに、もう、バッキュンバッキュン来るんですよね~。

この部分は、航平君の言葉を何度も何度も噛みしめて、いろんなことを考えちゃいました。

そして、また、キングの孤高さに、ぐぐぐっとハートを鷲掴みされてしまったようです・・・