リベルテールの社会学

生きている人間の自由とは、私の自由と、あなたの自由のことだ。そして社会科学とは、この人間の自由を実現する道具だ。

マルクス主義の問題点(その3)

2008-04-14 14:18:21 | 歴史への視角
前回、エンゲルスがいればマルクスなんて要らないと書いたところですが、マルクスのオリジナルで有名なところが、「労働力」と「労働」の違い。

なんなんですかね、これ。マルクスなんて中学校3年以来まじめに読んでいるところですがいまだに理解できません。

【初めの例(労働力)】
趣旨的には、
1 労働力は人間が働く力である。
2 人間は賃金と引き換えに労働力を売る。
    これは、賃金は労働力(明日の働く力)を作る消費物資と等価だ、ということです。
3 ところで、現実の労働者が作るものは、消費物資だけではない。資本家の取り分を作っている。
4 この資本家の取り分は労働者の賃金に入っていない。労働者は賃金にないものを作らされている。
  これを搾取という。資本主義の詐欺だ。

というわけですね。
だからなんじゃい、てなもんです。等価交換に文句つけんなよ。

【次の例(労働)】
1 労働者は労働を売る。
2 資本家は代金として賃金を与える。
3 労働は資本家の消費物資も作っているのに、賃金には労働者の肉体の再生産分しかはいっていない。
4 従って、資本家は労働者から搾取している。資本家は泥棒と一緒だ。

じゃ、なんでいけないんですかね。こちの方が現実のままじゃないか。


どちらも同じ現実ではあります。

【初めの例(労働力)】では、資本家は、実際、労働力を買おうとしますから
「労働者は俺様に労働する力を売ったんだから、あとは搾り取れるだけ働かせることができる。労働強化? 売ったものを出し惜しみするんじゃねえ。」
という資本家の理屈の方が正しいと思うんですけどね。

労働者は、資本家がなんと言おうと、苦しい思いをして労働をしますからそんな理屈は受け入れられない。
【次の例(労働)】では
「労働者が売るのは労働だ。ちゃんとそれを取り返せる賃金を寄こせ。
 おっと、これじゃあ足りないぜ。資本家のお前の分も作ってやってんだからな。お前の家屋敷も寄こせよ」
となると思うんですけどね。
マルクスを支持しているって口では言う労働者も、実はみんなこう思ってるんじゃないかな。

まあ、どっちだっていいけど、マルクス主義者が初心者に向かってさも偉そうに「分かってないな。労働者が売るのは労働じゃなくて労働力だよ」なんていうのを聞くと、おめえは何を分かってんだよ、といいたくなりますね。

  いや、ほんと。労働強化は理屈上何が悪いの? あんたがたの説じゃ悪くないでしょ?
  悪いのは「資本家がいいわけない」というレッテルだけ。労働者の痛みなどなくなってるじゃん。
  何が「マルクスの賃金論で合理化に反対せよ」だか。

「労働力」論の積極点は、「そんなふうに等価交換をせざるをえない立場に立たされてしまう理不尽さ、や、資本家に反論できない理不尽さは、すべて労働力の商品化によるものだ。資本主義は非人道的だ」とかいう哲学的なお茶飲み話の提供だけ。
そんなものは有閑階級の遊びだ。ア、ソ、ビ。



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