リベルテールの社会学

生きている人間の自由とは、私の自由と、あなたの自由のことだ。そして社会科学とは、この人間の自由を実現する道具だ。

本当に自由を作るものは誰か

2009-06-17 21:46:34 | 断片
 今日の朝日新聞の夕刊には、莫少平という中国の弁護士の記事が載っていました。
 (毎日、朝日の宣伝をしてますね。)
 この人は、天安門事件以来、中国人民の自由を求めて闘っている人です。散々政府に規制されてね。

 で、ね、
 だけど別に中国人民は彼の尽力を本当に求めてはいない。そんななら、自分たちで何とかするがね。
 でもね、この先40年経って中国人民がそこそこ国家としての人民の共同性を持てたとき、 復権するのは、彼の努力です。
 なんで?
 自由を手にした人間は、自由が好きだから。
 散々悪口を言ったことは忘れてね。
 (もちろんいった奴らの1割は本気で言ってたから覚えている。でも残りの9割は尻馬に乗っていただけだから、自分が何したなんて覚えちゃいない。
「尻馬に乗る」、っていうのは、ただ、「権力に流されただけ」ってことですが。)

 さて、私は無政府とはいえ共産主義者なので、中国官憲のほうが好きです。中国の民衆の幸せを守っているのは中国官憲です。莫サンとか言う人は、米帝(アメリカ帝国主義)や日帝(日本帝国主義)に操られているに過ぎない。
 操られているっていうのは、別に行動を指図されている、って言うことじゃなくてね、彼のために道が作られていて、彼氏は彼氏の信念に則って不思議に相対的に楽に闘える。でもその楽な道を作り続けているのは、日米の資本主義者だ、ということです。
 なかなか複雑ですよね。

 さて、しかし、中国人民のために自由を蓄積しているのは、彼、莫さんなのです。
 どんなに悪口をいわれようが、命をささげている祖国の人民にさえ、そっぽを向かれようが、歴史は、今の糧を得るのに汲々とする人間にではなく、自由のために闘う者に微笑む。まあ、私も共産主義者とはいえ、テロリストの類いと思われてますからね。
 すごく複雑ですよね。

 以下、PSです。って、今書いてますが。

 こんな記事を載せる朝日新聞の政治部門はいいんじゃないかって?
 そうじゃなくてね。

 極端に言いますが、
 資本主義下のマスメディアは、共産主義に反対する奴なら誰でもいいの。そいつを取り上げて共産主義に対抗すれば使命は果たせる。
 もちろんその使命は資本主義擁護なんじゃないんだよ、複雑だねえ。
 その使命は、思想の頒布と購読料の確保なの。
 思想の頒布というのは権力の散布のこと。そこに新聞社員の仕事上の満足がある。
 購読料の確保とは、並み居る日本人の主だったところに、ウケる、記事を書くということだ。

 一方、莫氏本人も、別にアナーキストというわけでもない。ともかく祖国に自由をもたらそうとしているだけで、その自由の中には、昨日の夜のキャバレー騒ぎが余りにも楽しくて、資本主義もいいなあ、という感情も含まれる。
 人間は、別に思想が服を着ているわけではない。=人間がいて、それに他人が思想の着物をかぶせるんです。
(倫理が服を着ていることはあるけれどね)

 そんな個人の思惑を別にしたところで、歴史は動いていく。
 歴史の本体は、全人民だからね。

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