くまドン旅日記

写真が趣味です。自然の風景、旅行、歴史に興味を持って撮影を続けています。

名所江戸百景173 第100景 よし原日本堤 山谷掘桜景

2014年04月02日 18時30分56秒 | 名所江戸百景
こんにちわ、「くまドン」です。

 今回は、台東区(だいとうく)の山谷掘(さんやぼり)の桜景です。最初は、おなじみの浅草(あさくさ)の吾妻橋(あづまばし)からのスカイツリーの景色です。お昼近くの午前中ですので、少し逆光気味です。
(絵画調)

 前回のブログ「名所江戸百景172 第116景 高田姿見のはし俤の橋砂利場」の続きにもなります。
 一昨年の平成24年に撮影が間に合わず、昨年・平成25年に撮影した桜の残4景の最後の一景です。
 吾妻橋から上流の隅田川の両岸には桜が植えられており、この時期は桜祭りが行われています。

 目黒川(めぐろがわ)や神田川(かんだがわ)の桜は満開に近かったのですが、隅田川の川べりは広く開けているので、まだ濃いピンクのツボミの多い状態でした。それでも木によっては満開に近い木もありました。
(絵画調)

 対岸の墨田区(すみだく)側の桜並木も見頃に近い状態です。

 対岸にある墨田区側の墨田公園は、「名所江戸百景161 第91景 請地秋葉の境内 墨田公園からの雪景」の撮影した場所です。

 隅田川の水面や護岸の堤防には、ユリカモメが羽を休めています。堤防に人が歩いていも気にせず、のんびりしています。

 このユリカモメは始めは川の方を見ていましたが、途中で「くまドン」に気がついてこちらを見ましたが、余り腹が空いている感じではなく、何か「のほほ~ん」と「くまドン」の方を見ています。

 さらに隅田川沿いを歩いて行き、言問橋(ことといばし)を通り過ぎます。
(絵画調)

 平成26年は、3/17~4/13の間、スカイツリーは「桜特別ライディング」が行われています。桜(桃)色のきれいなライトアップを見る事が出来ます。

 言問橋からしばらく行くと、道路に「いまどばし」と書かれた橋の欄干があります。

 ここが、今回の撮影場所となる山谷掘公園です。

 下の地図は、以前の「くまドン」の話にでてきた室町時代の東京下町エリアの地図です。

 地図の左に黒く囲んでいる地域が、浅草(地図の左下)から白髭地区までに当たります。七つの小高い山のある地形になっていて、川岸の堤防や東京湾に面した海岸(河口部)を形成していました。江戸時代に江戸で使用される土の採取場となり、現在では小高い部分が削られてしまい、待乳山聖天の真土山だけが昔の面影を残しています。
 そして、浅草と上野の台地の間は低地部になっていて、大きな池がいくつかあった事が分かります。浅草の今戸(いまど)から千束(せんぞく)付近の土地は千束池と呼ばれる大きな池でした。洪水で川の水があふれた時には、北からの水が流れ込み、遊水池の役割を果たしていました。

 下の絵は、広重の名所江戸百景「第34景 待乳山山谷堀夜景」(春景)です。

 墨田区から山谷掘方向を眺めた夜景ですが、手前に左右に流れる隅田川の奥に山谷掘の合流部が見えます。黒い影が今戸橋です。
 (待乳山聖天の話は、「名所江戸百景107 第34景 待乳山山谷掘夜景 待乳山聖天の黄葉」をご覧ください)

 江戸初期の治水対策により、現在の隅田川は荒川(あらかわ)の下流域となりましたが、さらに浅草方面の治水対策として、荒川区の箕輪(現在の三ノ輪)から大川(隅田川)への出入口である今戸まで山谷掘(さんやぼり)と呼ばれる水路が造られました。この山谷堀の両側に二重の堤防が造られ、日本堤と呼ばれるようになります。
 現在は、山谷掘は埋め立てられ、約700m程の「山谷掘公園」となっています。
 この時は、まだ満開になっておらず、5分咲き程度でした。


 下の地図の写真は、荒川区付近の拡大図です。荒川放水路が水色の線で引いてありますので、開削(かいさく)前の明治時代の頃の地図です。

 地図に太い黒線で、江戸時代の隅田川の堤防が示されていますが、隅田川の治水の話は、
  「名所江戸百景037 第102景 蓑輪金杉三河しま 都電とバラ(2)」
 で取り上げましたので、そちらを参照お願いします。

 それでも、満開の桜の木も、ちらほらと混ざっています。
(絵画調)


 日本堤のできた結果、池は埋め立てられ、農地開墾が進み農村地帯だったのですが、江戸の大火をきっかけとして、幕府の命令により歌舞伎座(かぶきざ)や吉原遊郭が、江戸の町から何もない浅草の北側に移転となりました。
 下の絵は、広重の名所江戸百景「第90景 猿わか町よるの景」(秋景)です。

 この絵の説明は、「名所江戸百景013 第90景 猿わか町よるの景 浅草寺と墨田公園の桜」でしましたので、省略させていただきます。

 この山谷掘公園は、江戸時代の流路の先にスカイツリーを置く事が出来ます。桜の木に埋もれるスカイツリーのイメージで撮影してみました。

 この写真を、広重の名所江戸百景「第100景 よし原日本堤」に対応する「くまドン板」の景(確定・春景)とさせていただきます。
 (このプログは、名所江戸百景の現代版である「くまドン版」を作ることを第一目標としています。)

 下の絵は、広重の名所江戸百景「第100景 よし原日本堤」(冬景)です。

 絵は山谷掘の日本堤の夜景です。風景画らしく、月夜に浮かぶ雁(カリ)や稲刈り後の田んぼが、冬の夕暮れ時の情景を出していますが、堤を歩く人や駕籠(かご)は、吉原への道を行き交う行列です。途中の日本堤の上には、よしず張りの編笠茶屋(あみがさぢゃや)が並んでいます。
 (このブログでは、吉原の話はしませんので、ここまでにします。)

 以前のブログについては、
(1)浅草周辺の話は、
 「名所江戸百景013 第90景 猿わか町よるの景 浅草寺と墨田公園の桜」
 「名所江戸百景107 第34景 待乳山山谷掘夜景 待乳山聖天の黄葉」
(2)墨田区側の話は、
 「名所江戸百景161 第91景 請地秋葉の境内 墨田公園からの雪景」
 「名所江戸百景169 第39景 吾妻橋金龍山遠望 アサヒスカイルームから浅草寺遠望」
(3)隅田川の治水の話は、
 「名所江戸百景037 第102景 蓑輪金杉三河しま 都電とバラ(2)」
 「名所江戸百景021 第68景 深川八幡山ひらき 深川(1)」
 「名所江戸百景126 第63景 綾瀬川鐘か淵 白髭橋とスカイツリー」
(4)今回のブログ以外で都心から東方向(上野・神田・芝・浅草・墨田・江東・外濠)のブログは、ブログ始めの2013年3月~4月に集中しています。「くまドン旅日記」の右欄の「月刊アーカイブ」欄、または、カレンダーでクリックしてください。

 当日は、青空の広がる天気で、桜の撮影日和だったので桜の残4景分撮影したのですが、久しぶりの徹夜明けの仕事の帰りで、無理して撮影して疲れましたので、家に帰って爆睡です・・・・・・ZZZ・・・・・・ZZZ・・・・・・・

 今回は、これで終了とさせていただきます。
 昨年・平成25年に撮影した桜景・4景が終わりましたが、
 ブログ作成していたら、あっという間に桜が開き始め、都心では桜満開状態です。
 一昨年・平成24年の撮影した桜残分の6景が間に合うかどうか・・・・・・・(汗)
 明日・明後日の天気予報が雨ですが、桜が散らないのを祈ります。

 次回は、名所江戸百景の別の桜景の予定です。

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