草花好きのひとりごと

植物の栽培記録や鉄道・路線バスなどの趣味について記しています。

さくらそうと肥料

2010-02-17 | ひとりごと
さくらそう(日本桜草)の鉢植えには、肥料をどの程度施したら良いものでしょうか。
これは答えが一つではない問題と言っても良さそうで、栽培者それぞれの考えによって決めるしかないのかなと思います。

肥料を施す目的は大きく分けて、下記の二点であると考えられます。
一つ目は、その年の開花時期の花の大きさや数を増やすことや、葉の大きさを大きく色を濃くすること。
二つ目は、葉を大きく育てることによって翌年の葉や花となる芽を大きく育てることや、その数を増やすこと。

肥料については先月にも記しているのですが、今回は開花時のさくらそうの草姿に及ぼす影響が大きい、葉が出てから花茎が伸びてくる頃までの間の施肥について少し考えてみたいと思います。
私はまだ試していないのですが、あらかじめ用土に混ぜておく元肥にも、この時期のさくらそうの成長に効果があると思われます。

これはあくまでも充実した芽を植えて、肥料の効果によってさらに華やかに咲かせようとするものであり、例えば芽が小さかったものに肥料を多く施しても、大きな芽を植えたときのような咲き方にその年咲くものではありません。
ただ、開花しないような株で見ても肥料を施していれば翌年にはより大きな芽に育っているように感じられますし、肥培したものほど芽の数も増えやすいように感じられるので、翌年の開花に向けてという意味では、小さな芽を植えた鉢にも春に肥料を施す価値はあります。

「NHK趣味の園芸・作業12か月 9 日本サクラソウ」(鈴鹿冬三・著、日本放送出版協会(NHK出版)・発行)という本があります。
余談ですが、この本は昭和51年発行と古いものの現在でも新品を入手可能であり、さくらそう栽培について詳しく掲載された書籍として現在容易に入手可能な唯一の存在だと思います。
用土や肥料など、現代とは事情が異なると思える内容もあることはあるのですが、現代でも通用する内容も多いように感じます。

この本に記載の栽培方法と掲載された花の写真を見ると、どうも花が咲く前に施す肥料が控え目のようです。
3月にも施肥をするように記されてはいますが、どちらかと言えば、花後に十分な施肥をしてしっかりとした芽を育てておけばそれで良い、という考え方が示されているように思われます。
著者の鈴鹿氏がかつて宮司を務められた奈良県の高鴨神社では、今でも同じような栽培方法が受け継がれ、さくらそうが展示されているようなので、拝見したいと思っているのですが、神奈川からは遠いもので残念ながらまだ一度も訪れる機会がありません。

肥料を少なめにする栽培方法は、写真を見たところ桜草の楚々とした姿がより強調されているような印象を受けます。
多めに肥料を施した大輪の花や複雑な形、咲き方が特徴の品種の花からは、絢爛豪華という言葉がふさわしい、きらびやかな印象を受け、葉の大きさや色の濃さもその花と調和がとれた姿であるように感じられます。

そうしたことを考えると、野生種あるいはそれに近い花の品種と大輪で豪華な花の品種では、肥料の施し方を変えるのも栽培の工夫の一つではないかと思えてきて、今年は試してみようと思っています。

たまに、病虫害の影響とも見えないのに開花後1ヶ月くらいで葉がすっかり枯れてしまう鉢がありますが、そうした場合には開花の前にも積極的に施肥をしていたものの方が、芽の成長が良いのでは?と考えていますが、きちんと比較した訳ではなく、何となく私が思っているだけのことです。
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