男の料理指南

知人がくれたレシピを紹介します。
アレンジも含めた男の料理です。
じーじが娘と孫に残したいレシピ

厚揚げ豆腐の丼

2015年03月08日 | ご飯類

前回、落語のことを書きましたが、落語は中学生のころから好きでした。当時はラジオ視聴・・
NHK放送なので東京落語が主体です。志ん生、円生、金馬、今輔、金語楼、その他多士済々
でした。娯楽と言っても碌なものがない頃で、ラジオで聞く落語、浪曲、漫才などを聴き楽しみ
ました。今考えると、落語や浪曲は視覚より、聴覚で楽しむ方が空想力で楽しめました。

その頃、実家の前が古本屋で、漱石の「坊ちゃん」を買って読み、次いで「吾輩は猫である」を
読むこになります。爾来ン十年、今でも「猫」は私の愛読書です。欧米の人が無人島に1人で住
みつき、1冊の本の携行が許されるときの書物は?と聞かれると、大抵の人が「聖書」という・・
と聞いたことがあります。聖書を選ぶのは分りますが、私なら「猫」を選びます。

漱石は気難しい複雑な人・と言うのが定説ですが、江戸時代の人の気質を受け、洒脱な一面
持つ人でした。若い頃から勉学の傍ら、落語や講釈に傾倒し、それが初期の漱石文学に反映
しています。作品の中でも「猫」が顕著でその一例を下に置きます。これ以外に「猫」の中には
漱石の該博な知識に加え、落語的な著述が次々に出てきます。面白そうな一節を紹介します。

猫(六)・・この一節の「頭注」には「この文章」は落語を聴くような・・とあります。まさに同感です。

伊勢源と云ふのは間口が十間で蔵が五つ戸前あって静岡第一の呉服屋で・・其番頭が甚兵衛
と云ってね。いつでも御袋が三日前に亡くなりましたと云う様な顔をして帳場の所へ控へて居る。
甚兵衛君の隣りには初さんといふ二十四五の若い衆が座って居るが、此初さんが又雲照律師
に帰依して三七二十一日の間蕎麦湯丈で通したと云ふ様な青い顔をして居る。初さんの隣りが
長どんで是は昨日火事で焚き出されたかの如く愁然と算盤に身を凭して居る。長どんと併んで・
・・以下略・・初版本原文のママ。

猫(2)・落語「寿限無」を思い出す話・ゆっくり読んで、天璋院様との関係を解いてみて下さい。

「あれでも、もとは身分が大變好かったんだって。いつでも左様仰しやるの」「へえ元は何だった
んです」「何でも天璋院様の御祐筆の妹の御嫁に行った先の御っかさんの甥の娘なんだって」・・
「何ですって?」・・「あの天璋院様の御祐筆の妹の嫁にいった……」・・「成程。少し待って下さい。
天璋院様の妹の御祐筆の・・」「あらさうぢやないの、天明院様の御祐筆の妹の……」・・中略・・
「ええ。分ったでせう」・・「いいえ。何だか混雑して要領を得ないですよ。詰る所天璋院様の何に
なるんですか」「あなたも餘つ程分らないのね。だから天璋院様の御祐筆の妹の御嫁に行った
先きの御っかさんの甥の娘なんだって、先つきから言つてるんぢやありませんか」・・原文のママ。

これを略すと、「天璋院様のご祐筆の妹の夫のいとこの娘」・と言った関係でしょうか? 
複雑で一度聞いただけでは、関係が判り難い・・落語的な要素を持った一節です。図面
に書いて、ゆっくり検討してみて下さい。


レシピは玉ねぎと絹揚げ豆腐をすき焼きのたれで煮込み、ご飯にかけた丼物です。絹揚げ豆腐に
したのは柔らかで口当たりが良いからです。単純な食材なので、揚げ豆腐は良質でおいしいのを選 
びます。今回使ったのは三角揚げですが、短冊型を縦二つにして使う方が、見栄えすると思います。


材 料・・2人分・・

絹厚揚げ 1パック 340g 一口大よりやや大きめに切り分ける
たまねぎ 1こ 150g たて半分に切り3~4ミリの半月に切る

調味料
すき焼きのたれ 1/2カップ 90cc ・・創味食品のたれ
日本酒 1/3カップ 60cc
みりん 大さじ 3 30cc
さとう 小さじ 1 5g

作り方
鍋にすき焼きのたれと日本酒を入れ、中火で煮る。
沸き立って2~3分してスライスした玉ねぎを入れ、
しばらく煮て、厚揚げを重ならないように並べ入れ、
落としブタをして、煮汁がなくなるまで煮る。
・・煮汁が半分になった頃味見して、足りないもの
を加えて調える・・

たれと日本酒だけでは辛く感じたので、みりんと
さとうで甘い目にします。

大きめの器にごはんを半分ほど入れ、でき上がり
の厚揚げと玉ねぎをたっぷりのせる。
・・おいしく作るコツ・・味つけは甘味勝ちで薄味に
つくる・・濃い味に仕上げるのは避けた方が無難。




コメント
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