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『ウマ娘シンデレラグレイ』の演出が「ワンパターン」だと思った話

2023年07月24日 13時02分44秒 | 日記

名作と呼び声高い漫画『ウマ娘シンデレラグレイ』。

私は原作ゲーム『ウマ娘』をちょっとしかプレイしてないし、チュートリアルの異常な長さ辟易してアプリを削除した男だ。元ネタの競馬全くと言っていいほど知らない

そんな俺と『ウマ娘』は水と油のはずなのだが、友人猛プッシュされてしぶしぶ読み始めた。

そうしたら意外や意外、面白いのだ。熱い。キャラも可愛い画力も凄まじい。なるほどこれは人気になるわけだ。友人には良い漫画を教えてもらった。

…とりあえず8巻までは読んだのだが、実はある時点で一気に冷めていて、なんとか無理やり読んでいた状態だった。

結論を言うと、演出がワンパターン気味なのだ。

無論、完全なワンパターンではないし、作者も様々な工夫でワンパターンを回避しようとしている感がある。もしかしたらワンパターンとか言ってるのは世界で俺一人だけで、それは的外れな感想なのかもしれない。

ただ、それでも気になってしまったものは仕方ない。「競争(レース)」というシンプルな題材である以上、どうしても駆け引きのパターンが限られてしまうのは当然だし、仮に「だったらお前はワンパターンじゃないレース漫画を描けんのかよ」と言われたら黙るしかない。俺には代案が浮かばない。よってこれは「ただの一個人の感想」であり、なんの意味や価値も無いものだ。

(レース系の漫画ってどんなのあるだろう。マキバオーとか有名だけど面白いのかな?気になる。)

前置きが長くなったが、以下に具体的な例を挙げてみる。(実際はもっとあるのだが、微妙なのまで全部挙げてもゴチャつくだけなので、これでも厳選した。)

5話 昨今の漫画でも多用されがちゾクッ…だが、この漫画でも例外ではない。この演出大好きだったんだけど、今は食傷気味だ。個人的には「ゾクッ…」は書かず、文字無しの方が好きあくまでも「読者の心の中に」ゾクッ…という文字を浮かばせてほしいのだ。それとも、わざわざ書いておかないと「最後のコマの表情を違う意味に捉えてしまう読者が多い」のだろうか?日本人の読解力の低下は深刻視されてるからなぁ…。

 

 

9話 出ました。「前を走るウマ娘のモノローグ、そして背後からの存在に驚く」という、「ウマ娘シンデレラグレイ」で非常に多用されるパターンの初出である。これも最初は興奮したんだけどなぁ…。

 

 

 

21話 言うまでも無く「前を走るウマ娘のモノローグ、そして背後からの存在に驚く」に該当する。前を走ってるウマ娘が毎回イケイケで、それを次の瞬間に覆されるという実にコッテコテの漫画的な描写がグッド。俺はここら辺から「あれ?まさかの漫画、パターン入ってる?」と思い始めたのかもしれない。

 

 

23話 何度も言うが「前を走るウマ娘のモノローグ、そして背後からの存在に驚く」である。レースなんだから仕方ねえだろ他にどうしろってんだと言われればそれまでだが、飽きたものは飽きたんだから仕方ないだろ。

 

 

27話 「前を走るウマ娘のモノローグ、そして背後からの存在に驚く」は留まるところを知らない。思ったんだけど、もしかしてみんなこれをわかってて楽しんでる感じ?水戸黄門的な様式美にニヤリとしてる感じ?だとしたら俺の感想は的外れと言わざるを得ない。ちなみに俺は様式美そのものは大好きである。ただ「シンデレラグレイ」に関しては気になってしまったのだ。非常にクオリティの高い作品だからこそ、かえって気になってしまった可能性もある。

 

29話 何度でも「前を走るウマ娘のモノローグ、そして背後からの存在に驚く」を擦るぜ。それにしてもこの稲妻感かっこいい。

 

35話 5話の「ゾクッ…」に近い「ゾワッ」の演出。この漫画では「ゾワッ」、「ゾクッ」などの擬音を描き文字にしがちだが、前述の通り俺はこうした擬音を「読者の心の中に浮かばせてほしい」タイプだ。わざわざ書かれるとなんだか安っぽく感じてしまうのは、昨今あまりにもこうした描写が大安売りされるようになってしまったからだろうか。これだけ表情を描くのが上手なんだから、描き文字がむしろ足を引っ張っているように感じて勿体ないと。描き文字無しでも伝わるくらい上手く描けるのは本当に凄いことなので、描き文字でそれをスポイルしないで欲しい。

 

39話 「前を走るウマ娘のモノローグ、そして背後からの存在に驚く」と「ゾクッ」の合わせ技である(モノローグじゃなくて声に出してるけど)。やはり前を走るウマ娘がイケイケなのが実に漫画的な「振り」で良い。

 

40話 今度は「前を走るウマ娘のモノローグ、そして背後からの存在に驚く」とゾワッの合わせ技である。「ゾクッ」から「ゾワッ」になることでワンパターンを回避できてない2話連続でこのパターンで来るとは…。まあでも、良いよねこの演出。

 

54話 今回紹介するのはこれで最後。「前を走るウマ娘のモノローグ、そして背後からの存在に驚く」である。このキャラほんと好き。キャラが魅力的なんだよねこの作品。

以上、雑に挙げてみた。もしこんなことをウマ娘ファンに言おうものなら「こんなんでワンパターンとか、お前漫画読むの向いてないよ」「お前がそう思うならそうなんじゃねえの、お前の中ではな」などとボコボコに叩かれそうだが、好き嫌いは誰にでもあるのだから仕方ない。

断っておくが、俺は「シンデレラグレイの演出がワンパターンに感じてしまったから読むのを辞めた」というだけでそれ以上でも以下でもなく、それ以外の要素においてシンデレラグレイは言うまでも無く名作と感じるし、実際俺も熱い展開に興奮した(読むの辞めたけど)。無論、高等な漫画論を語ろうなどとはこれっぽっちも思っていない、ただの漫画好きによる感想である。

ただ、なんらかの原因で「冷める」瞬間は誰にでもあるだろうはずだ。例えば致命的な矛盾を見つけたり、キャラの言動が解釈違いだったり、作者が自分の推しキャラを雑に扱ったり、作者が問題起こしたり…etc

以前『ドラゴンボール神と神』の終盤で激熱バトルの真っ最中に、白バイに乗ったゲストキャラがゲスト声優によるとんでもない棒読みを発したことで(しかもまったく必要のないシーンを無理やりねじ込んだような形で)、それにより観客席にいた俺と友人が一気に現実に引き戻された過去があるが、あれと同じだ。漫画で熱い展開を楽しんでいる時にワンパターンをかまされると一気に冷めてしまう。世界は広いから、俺と同じように感じた人が一人くらいはいるかもしれないな。

 

ここからは完全に余談だが、

この爺さん。

俺、こういう爺さん嫌いだ。

他の漫画で言うと、

ヒロアカのこの爺さんと似た匂いを感じる。上手く言えないけど…なんだろうこの不快感。「あちゃー」って感じる。

トリコにもいたな、トリコの猛攻撃を指一本で押さえて余裕こいてた爺さん(たぶん一龍という名前のキャラ)。あれもアニメでチラっと見て、イラっときたな。

なんかこう爺さんが年甲斐も無くイキったり爺さんの一人称が「俺」で、「~だぜ。」みたいな喋り方するのが嫌なのかな。(トリコに出てくる爺さんの喋り方は忘れた)

 

例えばだが、みんな大好きドラゴンボール亀仙人は、これまで挙げた爺さんたちと同じく主人公の師匠的存在であるが、特に不快感は無く、むしろ好感を持ってる読者が多いだろう

例えば亀仙人が弟子に対して「俺がてめえを鍛えてやるぜ。」みたいに喋ったらちょっと残念だし、なんだが威厳が無い。弟子に何か質問されて「あ?」とか言っちゃうキャラだったら好き嫌いが分かれたかもしれない。ムカツク大人を思い出すからかも

 

もしかしたら俺は爺さんキャラに「年相応の言動をしてほしい」のかもしれない。爺さんキャラに「頼れる兄貴分」というのはあまり求めてない。あくまでも「一見普通のおじいちゃんで態度も年相応なんだけど実は凄い人」でいてほしいだけで、厳つい強面の爺さんが怖いのかもしれない。あとムカツク上司を思い出すからかも

ただ、「はじめの一歩」の鴨川会長、「ワンピース」のガープやレイリーみたいなのはわりと好き。なんだろうこの違い。共通するのは「一人称がわし、または私」「口調が『~じゃ』『~だよ』」という点だ。単純に安心するのかもしれない。また、単純に爺さんの「俺~だぜ」や「てめえ」みたいな高圧的な口調が嫌いなのかもしれない。

とはいえ、「グラップラー刃牙」の渋川剛気のように、本性は「わし~だぜェ!」みたいな喋り方だけど普段は「わし~です、~じゃ」みたいな喋り方…というようなキャラは好き。あくまでも表面上は年相応の振る舞いを心がけて欲しいものだ。その方が威厳も感じるというものだ。

(ちなみに年寄りじゃなければ全然OK。闇遊戯とかあの口調だけど凄くかっこいい。だけどもし武藤双六がその口調だったらやっぱり残念。そんな感じ。)

 

総括すると、単純に好みの問題なのである。終わりだぜ。


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