工藤鍼灸院・院長のひとりごと2

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鍼灸の本質は古典医学

2021年02月09日 23時41分00秒 | 鍼灸・東洋医学
今夜NHKで放送されたプロフェッショナルは鍼灸師の先生が取り上げられていましたけど、現代医学的な鍼をする先生で、かなり深く鍼を刺すやり方のようでした。
おそらく多くの方が想像する「鍼灸」ってこういうものなのかなって思っています。それ自体は素晴らしい技術ですけど、鍼灸という大きな枠組みの中のひとつの技術であって、それが鍼灸の全体像だとは思わないで欲しいです。

個人的には現代医学的な鍼は一番難しい技術だと思っています。なぜかというと、鍼灸の本質は古典医学であるからです。
サッカーボールで野球をするような感覚でしょうか?古典医学を現代医学に応用するのは極めて難しいのです。NHKで取り上げられた先生のようになるのは努力だけでは絶対に無理だと思うのですが、多くの若い鍼灸師はそれを目指してしまいます。それは学校教育の場でサッカーボールを使った野球を教えているから、つまり現代医学をメインとした鍼灸教育を行うからだと思っています。

本来、鍼灸は古典医学です。古典医学を学ばなければ鍼灸の本質は理解できません。そして古典鍼灸は浅い鍼を用いて治療します。体に刺すのは1mm程度で、深く刺すことはほとんどありません。浅い鍼なら安全に治療ができるのもメリットのひとつです。

脈を診て、証(古典医学の病名みたいなもの)をたて、それに隨った本治法を行う。若い鍼灸師の先生方が「難しい」と思って敬遠しがちな部分が鍼灸の本質であり、理解しやすくて「簡単」に思える現代医学的治療が実は何よりも一番難しい。私はそう思っています。

現代医学的な鍼ももちろん素晴らしい技術ですけど、多くの鍼灸師の先生に古典鍼灸の知識と技術を受け継いで欲しいと願っています。



あ、今日は漫画家の手塚治虫氏の命日です。


ブラックジャックにも琵琶丸という鍼師が出て来ますけど、琵琶丸がやっている鍼は現代医学的にも見えますし、古典鍼灸のようにも見えます。鍼灸師の立場からは何とも表現し難い、漫画的な鍼師の姿なのです。
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