伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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グローバリゼーションが私たちをコントロールしているのではないでしょうか?

2012-07-27 10:02:58 | 大きな時代の変革期

(リオ+20から)

6月に行われた国連持続可能な開発会議(リオ+20)における
ウルグアイのムヒカ大統領のスピーチの一部を紹介します。
環境危機の本音の問題を語っています。
(全文はリンク先でご確認ください)



ムヒカ大統領のリオ会議スピーチ: (訳:打村明)

午後からずっと話されていたことは
持続可能な発展と世界の貧困をなくすことでした。
私たちの本音は何なのでしょうか?
現在の裕福な国々の発展と消費モデルを真似することでしょうか?

西洋の富裕社会が持つ傲慢な消費を
世界の70億〜80億人の人ができるほどの原料が
この地球にあるのでしょうか?

なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか?
資本主義の子供たち、即ち私たちが
間違いなくこの無限の消費と発展を求める社会を作って来たのです。

私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか?
あるいはグローバリゼーションが
私たちをコントロールしているのではないでしょうか?

ハイパー消費が世界を壊しているのにも関わらず、
高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。
消費が社会のモーターの世界では
私たちは消費をひたすら早く多くしなくてはなりません。
消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば
不況のお化けがみんなの前に現れるのです。

このハイパー消費を続けるためには商品の寿命を縮め、
できるだけ多く売らなければなりません。
人がもっと働くため、もっと売るために
「使い捨ての社会」を続けなければならないのです。
悪循環の中にいるのにお気づきでしょうか。

「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、
 無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」
これはこの議論にとって文化的なキーポイントだと思います。

根本的な問題は私たちが実行した社会モデルなのです。
そして、改めて見直さなければならないのは
私たちの生活スタイルだということ。

労働者たちは、8時間労働を成立させるために戦いました。
そして今では、6時間労働を獲得した人もいます。
しかしながら、6時間労働になった人たちは別の仕事もしており、
結局は以前よりも長時間働いています。なぜか?

バイク、車、などのリポ払いやローンを支払わないといけないのです。
毎月2倍働き、ローンを払って行ったら、
いつの間にか私のような老人になっているのです。
私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。

発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。
愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、
そして必要最低限のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。

幸福が私たちのもっとも大切なものだからです。
環境のために戦うのであれば、
人類の幸福こそが環境の一番大切な要素である
ということを覚えておかなくてはなりません。


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(多田の感想)

ムヒカ大統領の慧眼は、
我々が「資本主義」と呼んでいる経済社会の本質は、
「消費主義」である、と見抜いた点でしょう。

有限な地球上で、
無限の消費は不可能です。
無限の経済成長を求める資本主義経済は、
人類存続のためにも見直さなければなりません。

そのために変えるべきは、
私たちの生活スタイルだと大統領は指摘しています。

何が人生において幸福なのか?
人類の発展は、幸福をもたらすものでなくてはならない。
次世代のライフスタイル・経済体制を考える上での
第一原則になると思います。



先住民族がグリーン経済にノー

限りある地球の資源を使い果たしたり、
地球環境を回復不可能なほど破壊しないように
持続可能な社会を創ることは人類にとって重要と考えます。
この趣旨から、リオ+20は意義のある取り組みだと考えていました。

ところが、リオ+20に対抗して開かれた
先住民族の代表者による「ピープルズ・サミット」では、
リオ+20で提唱された「グリーン経済」の考え方に対して
激しく「ノー」が示されました。

 「自然の生命力を商品化することでしか
  自然を『救う』ことができないという考えを前提にしている」
  と指摘しています。

地球(環境)という代わりのない、かけがえのないものに対して
私達先進国の人間は、無意識のうちに「商品化」して物事を
考えていたのかもしれません。

つまり、「持続可能な社会」という考え方は、
OECD加盟国などに現在主流の価値観の延長でしかないのです。

経済活動に使える資源がこのままでは枯渇するので、
循環可能なように使いましょう、と言う「節約」程度の思想でしかない
とカリオカ2は鋭く指摘していると思うのです。



<参考>
成長神話からの脱却
エコロジカル・フットプリント
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