伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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地方分権ではなく、地方主権

2009-07-29 22:09:09 | 政治・政策・経済
大前健一氏が、
今回の衆議院解散と
地方分権などについて、
日経BPネットのコラムで次のように書いています。

  地方分権とは、
  すなわち中央集権システムありきの概念である。
  そこには「国はすべての権限を持っている」
  「それを地方に(一部)くれてやる」という考えが分権なのである。
  つまるところ全国知事会の主張は、
  中央集権システムの概念を突き抜けるものではない。
  彼らの要求は、結局「もらえる割合を少しでも多く」
  ということに過ぎないのだ。

  だから私が提案しているのは地方分権ではなく、
  国家は道州が共同経営するのだ、
  という概念を持った「道州連邦制」である。

  中央からのおこぼれをもらうのではなく、
  「地方が自立した経済体として成り立つシステム」が道州制だ。
  分権という考え方に固執していては、
  地方の活性化は望み薄であろう。

  徴税権や立法権も、中央から地方に移せばいい。
  それによって初めて、
  努力した地域が世界から繁栄を
  呼び込んで栄える時代がくる。

私は世界経済の中で、
日本の振興を図っていくためには、
これまでの画一的な中央集権ではなく、
江戸時代の藩のように、
全国を地域単位で自律させていくことがよいと考えています。

世界経済の中で対抗していくには、
地域の実情を無視して
全国を同じ基準で統制するやり方は、
不合理であり、意思決定も迅速に行えません。

例えば、
福岡市と北九州市を含む
北九州・福岡大都市圏」では、
この地域を一つの経済圏と考え、
アジアの中での競争力を高めていこうという
取組があります。

北九州地域は、
日本の中だけの視点では、西のはずれですが、
世界的な視点で見れば、
韓国・中国・台湾などアジア諸国に大変近く、
韓国へわずか3時間の航路や、各国への航空路を持っており、
東アジアの結節点になる可能性を秘めています。

さて、大前氏のコラムですが、
  地方分権とは、すなわち
  「中央集権」ありきの概念である。
と喝破しており、はっとしました。

「地方分権」という言葉には、
まさに、権力が先に中央にあり、そのおこぼれを
地方に分けてもらうようなニュアンスを感じます。

私のイメージする江戸時代の藩は、
たとえ江戸に将軍がいても、
各藩は一つの国でした。

各藩の中で、
司法・行政・経済などが自律しておりました。
この体制を現代風に表現すれば、
大前氏の述べるような
「道州連邦制」になるのでしょう。

しかし
私は、地方に主権を移すことを
ズバリ「地方主権」と提唱したいと思います。

地方は国から交付税や補助金として
税金のおこぼれをもらうのではなく、
まず地方が主権者として徴税し、
おこぼれを国へ出すようにすれば、
国の無駄遣い撲滅につながるのではないでしょうか。

この場合、
地方が無駄遣いするという懸念が発生しますが、
国より身近なところで行政が行われることになりますので、
しっかり住民や議会がチェックしていくことになります。

国の予算は縦割りで、
その上特別会計などに細分され、
その管理は各省庁が行っており、
経営コンサルタントの小宮一慶氏は、
日本の財政をすべて把握している人は、
誰もいない」
と言っています。

人間が、主権者である住民が、
十分に監視・チェックできる規模に変更することは
有意義だと考えます。

地方分権派のみなさん、
地方分権ではなく、「地方主権」。
いかがでしょうか。




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1 コメント

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霞が関解体なしに道州制なし (多田@伊勢崎市)
2009-08-05 23:27:08
日経BPのコラムで、
道州制についての財部誠一さんの
記事がありました。
参考にご紹介します。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090803/171937/?P=1

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