伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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勝山実 安心ひきこもりライフ講演会

2013-04-21 20:39:29 | 教育・PTA・児童福祉
(安心ひきこもりライフ講演会)

引きこもり名人、勝山実さんの講演を聴くために、
雪で高速道路が通行止めとなる中、
ようやく長野市にたどり着きました。

会場のドアを開けてビックリ。
40畳ほどの和室に、畳が見えないほど人がびっしり座っていました。
立っている人も多数。80名以上いたと思います。

講演は、勝山さんと、
勝山さんが書いた本の編集者だった伊藤さんの対談風。
伊藤さんがリード役でした。
二人で全国を50ヵ所以上まわったそうです。



引きこもり者の支援を考える上で、とても参考になりました。
講演会を実施してくださった関係者の皆さん、ありがとうございました。

当事者である勝山さんのお話を聞きながら一番問題だと感じたのは、
ひきこもり当事者がこうして欲しいと望んでいることと、
行政が良かれと思い実施していることが、食い違っていること。

そもそも、ひきこもり当事者と、行政が考えている「望ましい姿」が
スタート時点からすでにズレているのです

当事者から見れば、まったく望んでいない方向に進めと、
税金を使っておせっかいされている状況。
進めば進むほどズレが大きくなってしまいます。
これは、あくまで「当事者から見れば」の視点です。



第1部 (まずは、安心してひきこもることが大切)



(ひきこもりとは)

精神科医 斉藤環さんの「ひきこもり」の定義
「20代後半までに問題化し、6ヶ月以上、自宅にひきこもって
 社会参加しない状態が持続しており、ほかの精神障害が
 その第一の原因とは考えにくいもの」(『社会的ひきこもり』より)
斎藤さんは、勝山さんの本の書評を書いてくれたので、
さんづけで呼ぶことにしたそうです。

勝山氏によれば、これは10年前の定義。
現在は、引きこもり者が中年化しているので、
対象者は若者に限定できない。

勝山氏によれば、
20代ではまだまだ就職や進学の可能性が残っている。
一人前の引きこもりと呼ぶには、
5年以上の引きこもりで、年齢は30歳以上が適当。

現状は、一度社会に出て就職したが、
うまくいかずに引きこもった人がひきこもり。
これ以下の人は、全然心配しなくて良い。



(親が甘いから引きこもるのか?)

親が甘いからだ、という意見がある。
勝山氏から見れば、安倍晋三氏は日本一甘やかされて育った。
しかしその結果、二度も総理大臣になった。

ルソーは次のように述べました。
「子供を不幸にする一番確実な方法は、
 いつでも、なんでも手に入れられるようにしてやる事である」

ジョン・レノンは、息子のジュリアン・レノンが
おもちゃが欲しいといった時に、
おもちゃ屋さんのおもちゃを全て買って与えた。
その結果、息子は「おもちゃはもういらない」と言った。

みなさんは、いつでも、なんでも
子どもが望むものを与えられますか?
甘やかしていると言えるほど(お金を)持っていないでしょう。



(親が厳しすぎるから引きこもるのか?)

そのとおり。
勝山氏は母親から、
「働け」、「出て行け」、「誰のお陰で飯がくえるのか」と
ひたすら念仏のように聞かされました。
その結果、心を閉ざして引きこもり確定。

母が来ると、心のシャッターをぴしゃんと降ろす。

高校3年のときに不登校を始めた。
毎朝母は、7時から8時の間、
学校に行けとドアの前で怒鳴り散らした。

母には、ドアを壊されたので
しばらくドアのない部屋で生活した。
母親はドアがないので出入り自由。

母が入ってこないように
入口に画鋲をまいたりした。
しかし、自分が出るときにも苦労した。

親がこんなことをすると
私みたいに20年も引きこもるようになる。
母親は暴力を振るう。勝山家の戸塚宏(戸塚ヨットスクール校長)。
拳に聞け、という人間。

しかし自分は、母親に暴力を振るったことはない。
非暴力、非服従で日本のガンジーだ。

終戦後も一人でジャングルにこもっていた小野田少尉は、
30年、51歳まで引きこもっていた。
私など41歳でまだまだ。あと10年頑張ろうと思う。



(親が死んだらどうするか?)

日本人の平均寿命を考えると、
父親はあと6年、母親はあと20年は生きる。
親が死んだらどうするかどころではない、
あと20年一緒に生きていかなければならない。
そのほうが問題。

20年後の社会状況や家庭の状況は想像できない。
もう少し近づいてから考えたほうが良い。

中国のことわざに
「小船が転覆していないのに、なぜ身を投げるのか」
というのがある。

載っている舟が転覆していないのに、
悲観して先に水に飛び込むのはおかしい。
親が死んだらどうするのかに通じる。



(親が死んだら行く場所はある)

和歌山県田辺市新宮市には、引きこもりを支援してくれるところがある。
お金を払わなくても住まわせて食事も食べさせてくれる。
ひきこもりの親が死んだら、いくところはあるんです。



(勝山大臣だったら)

勝山さんが、もし自分が担当大臣だったら、
ひきこもり者への支援は、このように税金を使う、
と示しました。


現状では、効果を挙げていない支援団体や、
当事者から見れば不適切な活動をしている団体でも、
行政からお金を受け取れることが問題です。

勝山案では、当事者が受けるサービスを選ぶことにより、
実際にニーズの高い支援を行っている団体が収入を得られる点が改善点です。
なるほど。

ただしこの方法でも2点ほど問題があります。
一つ目は、引きこもり当事者が望むことが、
そのまま無条件に社会的にも適切と認められるサービスと合致するのか?
という点です。

この問題は一番初めにあげた「望ましい姿」の問題にも関わってきますので、
後日ブログで取り上げたいと思います。

二つ目は、ひきこもり当事者に現金の形で給付が行くと、
支援団体の提供するサービスを利用せずに、
そのまま引きこもり者の懐へ収入として入ってしまわないか、
という点です。
これは、サービス利用のクーポン券の形で配布すれば解決します。




第2部 どうしてあげたらいいの?

ひきこもっていると、この写真のように
ときどき一人っきりで宇宙遊泳したい気分になる。



引きこもりには階層がある。
一番下は、ひきこもりやニート。
それが進むと、病人や廃人。
その上が、自分のような「名人」。
一番上は「涅槃」の境地。

みなさんも、テレビの前では、心安らかな涅槃の境地になっているはず。

勝山さんによれば、就労支援は地獄の入口。
(引きこもりカーストの逆)



これは、オノ・ヨーコの作品。
天井に「yes」と書いてある。

自分が認められた気持ちになれる。


ひきこもりしている者は、自己否定感が強いので、
自己承認の旅に出なければならない。



始めに味わうのは「石ころ帽子」の気分。
これはドラえもんに出てくる道具で、この帽子をかぶると
他人からはその辺に転がっている石ころのように
気にならない存在となる。人からはほうっておいて欲しい時期。


次に、価値観を身にまといたくなる。

大学に進学しようとしたり、就職しようとしたり。
自分は3階大学受験したが落ちた。受験勉強を全然しなかったから。
勉強から逃避するため読書とゲームに没頭した。
愛読書は、太宰治、ドストエフスキー、芥川龍之介、夏目漱石など。

大学進学がダメになると、
小説家になろうとして、7回応募したが、ダメだった。
その時の本のタイトルは「人間合格」。

日本の出版社はダメだと見切りをつけて、
ホームページを書くようになった。
ほとんど読者がいなかったが、ホームページでエッセイを書いた。
その後2004年にTシャツを製作し販売したこともあった。
まったく売れなかった。

不登校新聞FonteでTシャツの無料配布の案内をしたこともあったが、
全国から7人しか応募がなかった。
ようやく最近全部はけて、肩の荷が下りた。

大切なのは「共感」。

ひきこもりは、これまで惨めな思いは十分してきている
りっぱなアドバイスや応援は不要。
必要なのは、お寒い経験談や失敗の話。
聞けば気持ちが楽になり、自分が失敗しても大丈夫に思える。
自分で自分を承認できる。

ひきこもりをどうこうする前に、
まずひきこもり生活を快適にすること。

自分は起きたとき、晴れていれば布団と枕を干します。
こうすれば快適に睡眠できます。
人生の三分の一は睡眠ですから、よく眠れることは大切です。


ひきこもりにとって大切なことが3つあります。

自分専用のパソコンと、原付免許、国民年金免除の申請です。
パソコンがあれば、世界とつながることができます。
どの組織にも属していないので、写真つきの身分証明書は重要です。
所得がないので国民年金の免除申請をしておけば、
納めたのと同じ効果があります。将来年金をもらうことにつながります。



(親がしてはいけないこと)

1 部屋に入る
2 親の友人を家に呼ぶ(トイレにも行けない)
3 居間にあるパソコンを共用する

自分の母親は、自分宛にくるメールを勝手に読む人でした。
パソコンは、日記のようなもの。
自分専用が必要。



(勝山大臣ふたたび)

勝山氏がひきこもりの担当大臣だったら、
引きこもり者に無料のバスと電車のパスを発行する
ひきこもりの者は、収入がないので、
電車賃やバス代にも不自由して出かけにくい。
基本的に人ごみは苦手なので、空いている時間帯に乗るので
他人や社会のじゃまにならない。
その時間帯はバスや電車はもともと空気を運んでいるようなもの。


家族がひきこもりに接するには、
自分が幸せになること。そのオーラが伝わります。





(質問タイム)

質問1 
 多田 病的なものが引きこもりの主たる理由でない場合、
    「治療」という関わり方は適切なのか?

 勝山 本人が助けが欲しいと望むときは、病院やサポーターなどの支援も必要。
    治療の前に、いろいろな会に出てみることがおすすめ。
    インターネットで、自分と同じような人がいると知るだけで楽になる。


質問2
 会場 精神科に10年通っているが、障害者年金をもらうにはどうすればよいか?
 勝山 主治医にその旨を相談し、指示に従えば良い。

質問3
 会場 母との関係は?
 勝山 父も母も退職したので、勝山家は3人で引きこもっている状態。
    母親は厳しすぎたので、虐待されたと思うが、母親に言わせれば
    被害妄想だという。
    母とは口をきかない。韓国と北朝鮮のよう。
 伊藤 息子は17歳。同居しているがお互い他人行儀に敬語で話す。

質問4 
 会場 親の会について
 勝山 近さで選ぶより、遠くても自分の波長に合う会を選ぶべき。



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ひきこもり名人 勝山実さん講演会 ~安心ひきこもりライフ~
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