伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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逃げ水の利回り

2018-08-29 20:57:05 | 大きな時代の変革期
本日の日経新聞一面に、とてもいい記事が出ていました。
ご紹介したいと思います。


(はじめに)

記事を読む前に、頭に置いてほしいことがあります。

そては経済学者の水野和夫さんが指摘した
「超低金利状態が長期間続いていることは資本主義の終焉を表している」
ということ。もはや有効な投資先がないのです。


1997年までの歴史の中で、最も国債利回りが低かったのは、
17世紀初頭のイタリア・ジェノヴァ。
ジェノヴァでは、金利2%を下回る時代が11年間続きました。

日本の10年国債利回りは、400年ぶりにそのジェノヴァの記録を更新し、
2.0%以下という超低金利が20年近く続いています。
経済史上、極めて異常な状態に突入しているのです。

なぜ、利子率の低下が重大事件なのかと言えば、
金利はすなわち、資本利潤率とほぼ同じだと言えるからです。
資本を投下し、利潤を得て資本を自己増殖させることが
資本主義の基本的な性質なのですから、利潤率が極端に低いということは、
すでに資本主義が資本主義として機能していないという兆候です。



(逃げ水の利回り)

8月29日つけ日経新聞から、要点を伝えます。
詳しくは紙面をご確認ください。

・米投資家のバフェット氏は、米国の年金問題を
 アメリカの時限爆弾と呼んだ。

・イリノイ州は年金のお先真っ暗。同州の公務員年金は
 金利低下による運用難で14兆円の積み立て不足。
 イリノイ州の歳出の3割を年金費用が占め、財政悪化で
 福祉関連の未払いが頻発。

・全米50州のうち公的年金で健全なのはわずか10州。

・高金利時代に設計した制度の限界が露呈。
 運用利回りは1%程度なのに、長期想定利回りを
 7~8%に設定したままの州もある。

・追い込まれた年金の余波は金融市場に及び、
 年金が米金利の上昇を抑えている。

・少しでも国債の金利が上がれば、年金がすかさず
 買いを入れるので国債の金利が上がらない。

・主要32か国の年金マネーは41兆ドル。世界の債券市場の
 24%に相当し、池の中の鯨状態。

・自らの買いで金利を押し下げ、
 高利回りが逃げ水のように去っていく。



(多田コメント)

・これはアメリカに限ったことではないでしょう。
・特に日本は金利を下げることを目的に、
 中央銀行が国債を爆買いしている特異な国です。

















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