涙

救急外来の待合に、３０台半ばぐらいの女性の嗚咽が響き渡る。


手には子供服の入ったビニール袋。


１０分、２０分、それは収まることが無く…




出来るなら、その場を離れたかった。


でも診察の順番がもうすぐなので離れるわけも行かず…





「私のせいや…」「さっきまで元気やったのに、どうして？」と自分を責める女性。


傍らには「大丈夫。まだ分からない。絶対に元気になるよ」と慰めるご主人とご家族。






重い空気の中、気が付いたら私の目からも涙がこぼれてた。


細かい事情は分からないけど、なぜだか涙がなかなか止まらなかった。





病院を出た後も、しばらく心が重かった。