
「現代思想 2016年3月臨時増刊号 総特集◎リーマン -リーマン予想のすべて-」(Kindle版)
内容紹介:
19世紀を代表する数学者、ベルンハルト・リーマン。
数学界最大の未解決問題、リーマン予想に代表される彼の業績は、数論、代数幾何学、複素関数論、一般相対性理論と多岐にわたっている。本特集では、リーマンの数学的業績と、心理学や自然哲学など、いわゆる人文学的業績とを検証し、そのポテンシャルに迫る。
2016年2月刊行、230ページ。
著者について:
【討議】
黒川信重+加藤文元+小島寛之
【ガイド】
黒川信重/小島寛之
【概説】
上野健爾/砂田利一/佐藤文隆
【論考】
八杉滿利子+林晋/小山信也/高瀬正仁
深谷賢治/落合啓之/郡司ペギオ幸夫
三宅岳史/森元斎/鈴木俊洋
理数系書籍のレビュー記事は本書で310冊目。
今月「リーマン--人と業績: D.ラウグヴィッツ」を読み終えたが、書かれていることが詳あまりにも細で分量が多く、さらに難解だったので消化不良を起こしてしまった。だからもっと易しい本をということで本書を読んだわけだ。僕のようなレベルにはちょうどよい。多岐に渡るリーマンの業績を整理された形で読むことができる好書だった。
本書の内容は記事の最後に載せた詳細目次をお読みいただきたい。冒頭は数学者3人(黒川信重先生+加藤文元先生+小島寛之先生)による鼎談(ていだん)で、とても参考になった。
本書は「現代思想」という雑誌の別冊なので後半は哲学者の先生方による解説記事である。残念ながら僕の感性はそれらの記事に拒否反応がでてしまった。数行読んだだけで「ああ、どうしてこうも分かりにくいのだろう?」と読むことを放棄してしまう。「「知」の欺瞞:アラン・ソーカル、ジャン・ブリクモン」で酷評されている哲学者たちと似た匂いがする思弁的な文章はどうも苦手だ。リーマン自身も哲学の影響を受け、論文は書いていないものの研究はしていたわけだが、そのあたりを説明した箇所も「なんだかな~。」と思いながら読んだ。
哲学者の先生方には申し訳けないが、僕は数学者と物理学者の先生方が書かれた記事だけを読ませていただくことにした。特に面白くて参考になった記事に対してコメントを書いておく。
討議 リーマンの数学=哲学 数学のパラダイムシフトとリーマン予想の最前線
黒川信重+加藤文元+小島寛之
コメント:リーマンの業績を手っ取り早く知るのにはうってつけだ。元となる史料は「リーマン論文集 (数学史叢書)」なのだと思う。「リーマン--人と業績: D.ラウグヴィッツ」で僕が理解できなかったことは加藤文元先生の解説ではっきりわかった。やはりこの本は研究者や数学者の方が読むレベルの本なのだと思った。
リーマン予想の風景(リーマン没後150年)- 黒川信重(数学者)
コメント:リーマン予想、ゼータ関数研究の第一人者、黒川先生による記事。リーマン以降、現代に至るまでのリーマン予想の研究の流れを知ることができる。その証明は一般の大学生レベルではとうてい太刀打ちできるものではないが、おおよその流れを知ることで、どれほど難しい研究なのか、そしてどのようなことを学んでいかなければならないかがわかるだけでも有益といえよう。記事の最後にの「読書案内」で勧められている23冊の本がすべて黒川先生の著作なのが少し可笑しかった。
リーマン予想まであと10歩- 小島寛之(数学者)
コメント:素数や無限和、無限積、ゼータ関数、解析接続、リーマン予想の意味をやさしく解説した記事だ。複素関数論を学んでから読むとよいが、学んでいなくてもなんとかついていけるレベルで書かれている。解析接続についての解説がとてもわかりやすかった!
。
リーマンが変えた数学 - 上野健爾(数学者)
コメント:リーマンの業績を分野別に大まかに解説した記事。
ユークリッドからリーマンへ(いかにして宇宙の「形」を記述するか)- 砂田利一(数学者)
コメント:幾何学に焦点を絞ってリーマンの業績を解説した記事。学部生でも読めるレベルで書かれている。
一般相対論最終盤のアインシュタインとヒルベルト、そしてリーマン - 佐藤文隆(物理学者)
コメント:リーマン幾何学の成立過程の解説、そして一般相対論の論文発表をめぐるアインシュタインとヒルベルトの熾烈な競争についての解説。
リーマン教授との対話(1859年11月、ドイツ・ゲッチンゲンにて) - 小山信也(数学者)
コメント:この記事はとても面白かった。小山先生がタイムスリップしてリーマンと対話を行っている設定で書かれた記事。リーマン以降の数学の発展史を小山先生がリーマンに伝え、リーマンがそれに対して感想を述べたりしている。初学者がリーマン予想やゼータ関数の意味を学ぶのにも適した記事だと思う。ただし後半は難しくなるので注意。
多変数代数関数論の夢(リーマンから岡潔へ) - 高瀬正仁(数学者)
コメント:アーベル関数やリーマン面について解説した記事。内容は難しかった。
リーマンのイデー - 深谷賢治(数学者)
コメント:複素解析の発展史を初学者にもわかるレベルで解説した記事。とても面白く読めた。複素解析を学ぶ前にお読みになるとよいだろう。
リーマンの球面 - 落合啓之(数学者)
コメント:リーマン球面について初学者にもわかるレベルで解説した記事。この記事もお勧めである。
次にどんな本を読むべきかだが、黒川先生の著書ということになるのだと思う。しかし、どのような順番で読んだやよいのか見当がつかない。
リーマン予想については、黒川先生のではないが次の本がよいのではないだろうか?ただし本のタイトルの「全ての素数を表す式は可能か」は誇大表現だと思う。リーマン予想が証明されても全ての素数がわかるようになるわけではない。
「リーマン予想とはなにか:中村亨」(Kindle版)

翌日追記:ときどき記事に対してアドバイスをいただいているhirotaさんから「n番目の素数を表す式はいくらでもある」ことを教えていただいた。コメント欄に次のようにアドバイスいただいた。hirotaさん、ありがとうございました。
http://phasetr.com/blog/2015/07/03/ツイートメモ-n-番目の素数を-n-で表す式はいくらで/
なんてのもあります。
公式があるのは↓
https://t.co/gSNJIBvp3p
幸いリーマンの論文集は日本語に訳されているし、これを読むのがいちばんよいのはわかっている。しかし、僕がこの本を買うのは時期尚早というものだ。さしあたり僕は小平先生の「複素解析」をみっちり学ぶことが次にすべきことだと思った。
「リーマン論文集 (数学史叢書)」

来月リーマンの業績をテーマにした市民向け講座が朝日カルチャーセンターで開講される。ツイッターでフォローさせていただいている加藤文元先生の講座だ。
【新設】リーマン数学の思想と展開(ユース学生会員用ページはこちら)
現代数学はどのようにして作られたのか
https://www.asahiculture.jp/shinjuku/course/895b6ce4-6445-a2e2-2353-571f44edf03e
<講師>
東京工業大学教授 加藤 文元先生
<講座内容>
数学は19世紀に大きく変容しました。その過程を経て現在に至っている現代数学は、18世紀までとは比べ物にならないほど高度に抽象的でパワフルな学問になっています。その歴史上の大きな変化の入り口のところにいるのがベルンハルト・リーマン(1826?1866)です。彼は有名な「リーマン予想」を提出し、数学の様々な分野で大きな足跡を残しただけでなく、数学の基本思想そのものを変えました。リーマンの足跡をたどりながら、できるだけ平易な数学の言葉を用いて、リーマンの思想やその現代への波及効果、さらには現代の数学がどのような学問になっているのかを解きほぐしていきます。
<スケジュール>
1回目:7月19日 リーマンの空間思想
2回目:8月9日 リーマンと現代数学
関連記事、関連ページ:
リーマン--人と業績: D.ラウグヴィッツ
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/505069a0aa6932910a709a3eeaded988
幾何学の基礎をなす仮説について:ベルンハルト・リーマン
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/22be602fe4cee385a9939c0869c511eb
素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~:ジョン・ダービーシャー
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b15d8fa5e7f3e3e5b86cf1bc8a3c3f00
解析学入門のための教科書談義
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/22c325e49cfd7c721679dbc2896b86a4
リーマン 人と業績(足立 隼)
http://researchmap.jp/jomk8mfp4-46767/
応援クリックをお願いします。


注意: 僕はKindle版で本書を読んだ。Kindle版だと数式が異様に大きく表示されているページがあるので、そういうことが気になるかたは書籍版をお買い求めになるとよい。
「現代思想 2016年3月臨時増刊号 総特集◎リーマン -リーマン予想のすべて-」(Kindle版)

討議 リーマンの数学=哲学 数学のパラダイムシフトとリーマン予想の最前線
黒川信重+加藤文元+小島寛之
リーマン予想の風景(リーマン没後150年)- 黒川信重(数学者)
リーマン予想まであと10歩- 小島寛之(数学者)
リーマンが変えた数学 - 上野健爾(数学者)
ユークリッドからリーマンへ(いかにして宇宙の「形」を記述するか)- 砂田利一(数学者)
一般相対論最終盤のアインシュタインとヒルベルト、そしてリーマン - 佐藤文隆(物理学者)
リーマンとデデキント(集合論の源流)- 八杉滿利子(数学者)+林晋(思想史)
リーマン教授との対話(1859年11月、ドイツ・ゲッチンゲンにて) - 小山信也(数学者)
多変数代数関数論の夢(リーマンから岡潔へ) - 高瀬正仁(数学者)
リーマンのイデー - 深谷賢治(数学者)
リーマンと心理学、そして哲学(多様性概念の思想的背景) - 三宅岳史(哲学者)
リーマンの球面 - 落合啓之(数学者)
原生意識(多様体・外部を糊代とする層) - 郡司ペギオ幸夫(理論生命科学)
数学的直観とは何か(リーマンの幾何学研究がフッサールに与えた影響) - 鈴木俊洋(哲学者)
月と靄(稲垣足穂におけるリーマンと相対性理論、タルホ・コスモロジー) - 森元斎(哲学者)
編集後記
内容紹介:
19世紀を代表する数学者、ベルンハルト・リーマン。
数学界最大の未解決問題、リーマン予想に代表される彼の業績は、数論、代数幾何学、複素関数論、一般相対性理論と多岐にわたっている。本特集では、リーマンの数学的業績と、心理学や自然哲学など、いわゆる人文学的業績とを検証し、そのポテンシャルに迫る。
2016年2月刊行、230ページ。
著者について:
【討議】
黒川信重+加藤文元+小島寛之
【ガイド】
黒川信重/小島寛之
【概説】
上野健爾/砂田利一/佐藤文隆
【論考】
八杉滿利子+林晋/小山信也/高瀬正仁
深谷賢治/落合啓之/郡司ペギオ幸夫
三宅岳史/森元斎/鈴木俊洋
理数系書籍のレビュー記事は本書で310冊目。
今月「リーマン--人と業績: D.ラウグヴィッツ」を読み終えたが、書かれていることが詳あまりにも細で分量が多く、さらに難解だったので消化不良を起こしてしまった。だからもっと易しい本をということで本書を読んだわけだ。僕のようなレベルにはちょうどよい。多岐に渡るリーマンの業績を整理された形で読むことができる好書だった。
本書の内容は記事の最後に載せた詳細目次をお読みいただきたい。冒頭は数学者3人(黒川信重先生+加藤文元先生+小島寛之先生)による鼎談(ていだん)で、とても参考になった。
本書は「現代思想」という雑誌の別冊なので後半は哲学者の先生方による解説記事である。残念ながら僕の感性はそれらの記事に拒否反応がでてしまった。数行読んだだけで「ああ、どうしてこうも分かりにくいのだろう?」と読むことを放棄してしまう。「「知」の欺瞞:アラン・ソーカル、ジャン・ブリクモン」で酷評されている哲学者たちと似た匂いがする思弁的な文章はどうも苦手だ。リーマン自身も哲学の影響を受け、論文は書いていないものの研究はしていたわけだが、そのあたりを説明した箇所も「なんだかな~。」と思いながら読んだ。
哲学者の先生方には申し訳けないが、僕は数学者と物理学者の先生方が書かれた記事だけを読ませていただくことにした。特に面白くて参考になった記事に対してコメントを書いておく。
討議 リーマンの数学=哲学 数学のパラダイムシフトとリーマン予想の最前線
黒川信重+加藤文元+小島寛之
コメント:リーマンの業績を手っ取り早く知るのにはうってつけだ。元となる史料は「リーマン論文集 (数学史叢書)」なのだと思う。「リーマン--人と業績: D.ラウグヴィッツ」で僕が理解できなかったことは加藤文元先生の解説ではっきりわかった。やはりこの本は研究者や数学者の方が読むレベルの本なのだと思った。
リーマン予想の風景(リーマン没後150年)- 黒川信重(数学者)
コメント:リーマン予想、ゼータ関数研究の第一人者、黒川先生による記事。リーマン以降、現代に至るまでのリーマン予想の研究の流れを知ることができる。その証明は一般の大学生レベルではとうてい太刀打ちできるものではないが、おおよその流れを知ることで、どれほど難しい研究なのか、そしてどのようなことを学んでいかなければならないかがわかるだけでも有益といえよう。記事の最後にの「読書案内」で勧められている23冊の本がすべて黒川先生の著作なのが少し可笑しかった。
リーマン予想まであと10歩- 小島寛之(数学者)
コメント:素数や無限和、無限積、ゼータ関数、解析接続、リーマン予想の意味をやさしく解説した記事だ。複素関数論を学んでから読むとよいが、学んでいなくてもなんとかついていけるレベルで書かれている。解析接続についての解説がとてもわかりやすかった!
。
リーマンが変えた数学 - 上野健爾(数学者)
コメント:リーマンの業績を分野別に大まかに解説した記事。
ユークリッドからリーマンへ(いかにして宇宙の「形」を記述するか)- 砂田利一(数学者)
コメント:幾何学に焦点を絞ってリーマンの業績を解説した記事。学部生でも読めるレベルで書かれている。
一般相対論最終盤のアインシュタインとヒルベルト、そしてリーマン - 佐藤文隆(物理学者)
コメント:リーマン幾何学の成立過程の解説、そして一般相対論の論文発表をめぐるアインシュタインとヒルベルトの熾烈な競争についての解説。
リーマン教授との対話(1859年11月、ドイツ・ゲッチンゲンにて) - 小山信也(数学者)
コメント:この記事はとても面白かった。小山先生がタイムスリップしてリーマンと対話を行っている設定で書かれた記事。リーマン以降の数学の発展史を小山先生がリーマンに伝え、リーマンがそれに対して感想を述べたりしている。初学者がリーマン予想やゼータ関数の意味を学ぶのにも適した記事だと思う。ただし後半は難しくなるので注意。
多変数代数関数論の夢(リーマンから岡潔へ) - 高瀬正仁(数学者)
コメント:アーベル関数やリーマン面について解説した記事。内容は難しかった。
リーマンのイデー - 深谷賢治(数学者)
コメント:複素解析の発展史を初学者にもわかるレベルで解説した記事。とても面白く読めた。複素解析を学ぶ前にお読みになるとよいだろう。
リーマンの球面 - 落合啓之(数学者)
コメント:リーマン球面について初学者にもわかるレベルで解説した記事。この記事もお勧めである。
次にどんな本を読むべきかだが、黒川先生の著書ということになるのだと思う。しかし、どのような順番で読んだやよいのか見当がつかない。
リーマン予想については、黒川先生のではないが次の本がよいのではないだろうか?ただし本のタイトルの「全ての素数を表す式は可能か」は誇大表現だと思う。リーマン予想が証明されても全ての素数がわかるようになるわけではない。
「リーマン予想とはなにか:中村亨」(Kindle版)

翌日追記:ときどき記事に対してアドバイスをいただいているhirotaさんから「n番目の素数を表す式はいくらでもある」ことを教えていただいた。コメント欄に次のようにアドバイスいただいた。hirotaさん、ありがとうございました。
http://phasetr.com/blog/2015/07/03/ツイートメモ-n-番目の素数を-n-で表す式はいくらで/
なんてのもあります。
公式があるのは↓
https://t.co/gSNJIBvp3p
幸いリーマンの論文集は日本語に訳されているし、これを読むのがいちばんよいのはわかっている。しかし、僕がこの本を買うのは時期尚早というものだ。さしあたり僕は小平先生の「複素解析」をみっちり学ぶことが次にすべきことだと思った。
「リーマン論文集 (数学史叢書)」

来月リーマンの業績をテーマにした市民向け講座が朝日カルチャーセンターで開講される。ツイッターでフォローさせていただいている加藤文元先生の講座だ。
【新設】リーマン数学の思想と展開(ユース学生会員用ページはこちら)
現代数学はどのようにして作られたのか
https://www.asahiculture.jp/shinjuku/course/895b6ce4-6445-a2e2-2353-571f44edf03e
<講師>
東京工業大学教授 加藤 文元先生
<講座内容>
数学は19世紀に大きく変容しました。その過程を経て現在に至っている現代数学は、18世紀までとは比べ物にならないほど高度に抽象的でパワフルな学問になっています。その歴史上の大きな変化の入り口のところにいるのがベルンハルト・リーマン(1826?1866)です。彼は有名な「リーマン予想」を提出し、数学の様々な分野で大きな足跡を残しただけでなく、数学の基本思想そのものを変えました。リーマンの足跡をたどりながら、できるだけ平易な数学の言葉を用いて、リーマンの思想やその現代への波及効果、さらには現代の数学がどのような学問になっているのかを解きほぐしていきます。
<スケジュール>
1回目:7月19日 リーマンの空間思想
2回目:8月9日 リーマンと現代数学
関連記事、関連ページ:
リーマン--人と業績: D.ラウグヴィッツ
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/505069a0aa6932910a709a3eeaded988
幾何学の基礎をなす仮説について:ベルンハルト・リーマン
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/22be602fe4cee385a9939c0869c511eb
素数に憑かれた人たち ~リーマン予想への挑戦~:ジョン・ダービーシャー
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/b15d8fa5e7f3e3e5b86cf1bc8a3c3f00
解析学入門のための教科書談義
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/22c325e49cfd7c721679dbc2896b86a4
リーマン 人と業績(足立 隼)
http://researchmap.jp/jomk8mfp4-46767/
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注意: 僕はKindle版で本書を読んだ。Kindle版だと数式が異様に大きく表示されているページがあるので、そういうことが気になるかたは書籍版をお買い求めになるとよい。
「現代思想 2016年3月臨時増刊号 総特集◎リーマン -リーマン予想のすべて-」(Kindle版)

討議 リーマンの数学=哲学 数学のパラダイムシフトとリーマン予想の最前線
黒川信重+加藤文元+小島寛之
リーマン予想の風景(リーマン没後150年)- 黒川信重(数学者)
リーマン予想まであと10歩- 小島寛之(数学者)
リーマンが変えた数学 - 上野健爾(数学者)
ユークリッドからリーマンへ(いかにして宇宙の「形」を記述するか)- 砂田利一(数学者)
一般相対論最終盤のアインシュタインとヒルベルト、そしてリーマン - 佐藤文隆(物理学者)
リーマンとデデキント(集合論の源流)- 八杉滿利子(数学者)+林晋(思想史)
リーマン教授との対話(1859年11月、ドイツ・ゲッチンゲンにて) - 小山信也(数学者)
多変数代数関数論の夢(リーマンから岡潔へ) - 高瀬正仁(数学者)
リーマンのイデー - 深谷賢治(数学者)
リーマンと心理学、そして哲学(多様性概念の思想的背景) - 三宅岳史(哲学者)
リーマンの球面 - 落合啓之(数学者)
原生意識(多様体・外部を糊代とする層) - 郡司ペギオ幸夫(理論生命科学)
数学的直観とは何か(リーマンの幾何学研究がフッサールに与えた影響) - 鈴木俊洋(哲学者)
月と靄(稲垣足穂におけるリーマンと相対性理論、タルホ・コスモロジー) - 森元斎(哲学者)
編集後記
http://phasetr.com/blog/2015/07/03/ツイートメモ-n-番目の素数を-n-で表す式はいくらで/
なんてのもあります。
公式があるのは↓
https://t.co/gSNJIBvp3p
小平先生の複素解析
ですか
なるほど
その前に小平先生の
解析入門読まないとな
そうだったのですね!教えていただきありがとうございます。記事の本文にも追記させていただきました。
それにしても短縮URLからダウンロードできるようになっている素数公式がいくつも紹介されているPDF資料はすごいですね。
たぶん解析入門は読まなくても大丈夫だと思いますが。僕は実解析のほうは「解析概論」ですませてしまいましたから。
僕も小平先生の「解析入門」はまだ読んでいないのです。
私はまだ解析のしっかりしたの読破してないのです
だとしたら実解析から学ぶのがよさそうですね。そうすれば複素解析の凄さや実解析との違いが実感できると思います。実解析も収束についての議論など興味深いテーマがいたるところにありますから、これはこれで学ぶ意義があります。
このリーマン特集の臨時増刊号を読んでよかったと思ったのは、最初の討議で、『リーマンは「関数は面である」というだけではなく「面は関数である」ということまで言い出した』という加藤先生の発言です。僕のように数学に詳しくないものには、今までもやもやしていた部分が何となく解消されたような気分になり、今一度複素関数論をまじめに勉強してみようという気になりました。
ところで、今日クローズアップ現代の重力波についての番組を見たのですが、他の媒体で一般向けに解説されているものとそれほど変わらず、残念に思いました。
なぜ、そもそもLIGOで重力波が観測可能と考えられたのか、そして、その理論的裏付けを日本人がしたことを省くのか、理解できません。一番重要なことだと思うのですが、とねさんはどうお考えでしょうか。
僕はすべての媒体に接したわけではありませんが、このことに触れていたのは、雑誌現代数学5月号と、現代思想6月号の「日本の物理学者たち」しか知りません。
現代思想6月号では、量子測定の理論で、LIGOによる重力波測定の可能性を確定的にした小澤正直先生ご本人による解説で、僕のような門外漢には貴重な読み物であると感じました。
長くなってしまったのでこの辺で終わりますが、たとえ一般向けであっても、そしてその説明が多少難しくても、理論による測定可能性の裏付けを日本人がしたことを省くことは日本のメディアとしていかがなものかと思いました。
コメントありがとうございます。クローズアップ現代は録画しましたが、見るための時間がとれずにいます。ご返事は番組を見てから書かせていただきますね。
取り急ぎ返信させていただきました。
先駆的すぎて当時は理解されなかったのが分かりますね。
村山斉先生をお招きした時点で、番組内容がブラックホール合体による重力波だけでなく、原子重力波やインフレーション宇宙論など宇宙の始まりの話題、今後の重力波観測の話になることは決まっていたのだと思います。
これまでの一般向けの放送に対して、今回の放送はLIGOのミラーを4段階の振り子で吊るしていることなどは新しい内容だったと思います。サイエンスZEROでも同様の番組を放送しましたが、クローズアップ現代の視聴者はもっと広いので総合テレビで放送したことのメリットはあったと思いました。
> そもそもLIGOで重力波が観測可能と考えられたのか、そして、その理論的裏付けを日本人がしたことを省くのか、理解できません。一番重要なことだと思うのですが、とねさんはどうお考えでしょうか。
その点について僕は恥ずかしながら知りませんでした。現代思想6月号の「日本の物理学者たち」を読んでみました。小澤正直先生の研究によりLIGOの重力波測定の可能性が確定的になったとは。。この研究は量子力学系の話なので、25分の番組そして一般相対論が中心テーマの番組なので取り上げる余裕がなかったのだと思います。
> 『リーマンは「関数は面である」というだけではなく「面は関数である」ということまで言い出した』
ひとつ上のコメントでhirotaさんもおっしゃっていますけど、この箇所を読んだとき僕も感動しました。まさにブレイクスルーだったのですね。