
「強い力と弱い力:大栗博司」(Kindle版)ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く
内容
宇宙には「四つの力」が働いている。私たちを地球につなぎとめる「重力」と電気や磁石の力である「電磁気力」は古くから知られていた。二十世紀に入り「強い力」と「弱い力」が発見され、この新しい力を説明するために考え出されたのがヒッグス粒子だ。その発見により、人類が叡智を傾けて築き上げてきた理論の、最後のピースが埋まった。それは、ヒッグス粒子の魔法によって覆い隠された、自然界の美しい法則を明らかにする営みでもあった。やさしくロマンあふれる語り口で宇宙創成の謎に迫る、知的冒険の書。
2013年1月刊行、298ページ。
著者略歴(詳細な経歴)
大栗博司
カリフォルニア工科大学 カブリ冠教授 および 東京大学 カブリIPMU 主任研究員。京都大学卒業、東京大学理学博士(素粒子論専攻)。
東京大学助手、プリンストン高等研究所研究員、シカゴ大学助教授、京都大学助教授、カリフォルニア大学バークレイ校教授などを経て、現職。
超弦理論の研究に対し アメリカ数学会アイゼンバッド賞(2008年)、フンボルト賞(2009年)、仁科記念賞(2009年)、サイモンズ賞(2012年)などを受賞。アスペン物理学センター理事、アメリカ数学会フェロー。
ホームページ: http://ooguri.caltech.edu/japanese
ブログ: http://planck.exblog.jp/
理数系書籍のレビュー記事は本書で207冊目。
「重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る:大栗博司」に続き、大栗博司先生の一般読者向けの啓発書が1月30日に刊行された。
「熱学思想の史的展開〈2〉:山本義隆」を読んでいる最中だったが、大栗先生の本のほうが「旬」なので多くの方が関心を持っていることと、2月18日には朝日カルチャーセンター新宿教室で本書と同じタイトル「強い力と弱い力」として講座が開かれる予定なので、熱力学本の読書は一時中断して本書を読んでみた。
まず本書の章立ては次のとおりだ。素粒子物理学全般が解説されていることがおわかりだろう。
はじめに(CERNによるヒッグス粒子発見の報告)
第1章:質量はどこから生まれるか
第2章:「力」とは何を変える働きなのか
第3章:距離が長くなるほど強くなる--強い力の奇妙な性質
第4章:神様は左利きだった--弱い力のひねくれた性質
第5章:単純な法則と複雑な現実--魔法使い、南部の「対称性の自発的破れ」
第6章:ヒッグス粒子の魔法が解けた!
第7章:標準模型を完成させたCERNの力
終章:まだほんの5パーセント
一般向けの素粒子論の啓発書は南部陽一郎先生の「クォーク 第2版」をはじめ、これまでに数々の良書が出版されている。今回はあえて大栗先生の本を読む意義を示す形で感想を書かせていただく。
他の啓発書と比較して本書には次のような特長がある。
- 最新の研究成果やその意義が解説されている。
2008年にノーベル物理学賞を受賞した南部先生、小林先生、益川先生のご研究や2012年のヒッグス粒子発見の意義など、一般の人にとっても関心の高い最新の話題が詳しく解説されている。新聞やテレビのニュースでは不正確な形で伝えられたこれらのことが正しく理解できるようになる。
- 各章の間の論理関係が明確なので理解しやすい。
大栗先生も「素粒子の標準模型は、40名以上のノーベル賞受賞者を含む数多くの物理学者が、何世代もかけて試行錯誤の末に作り上げたものです。」とお書きになっているように、素粒子物理学は登場する粒子の種類が多く、その性質と理論はそれまでの物理学には出てこない斬新な内容が多いので初学者は混乱しやすい。本書では章ごとに解説するテーマを絞り込んで解説し、章と章の間の論理関係がはっきりと示されているので「木を見て森を見ず。」の状態にならないための工夫が尽くされている。
- 素粒子物理学にフォーカスされている。
知識が豊富であればあるほど、すべてを伝えたいと思ってしまうのが執筆者に自然に沸く気持ちなのだと思う。他書ではニュートン力学から相対論、量子力学に至る物理学史にページが割かれる結果、本来のテーマを解説するページ数が減るばかりでなく、「重箱の隅をつつく」ような説明で読者を飽きさせたり混乱させてしまっている本をときどき見かける。本書は素粒子物理以外の分野の説明は必要最小限にとどめ、一貫して素粒子物理にフォーカスすることで、限られたページ数が有効に活かされている。
- 増改築を重ねた温泉旅館のたとえ話、6・3・3制のたとえ話、新宿駅のたとえ話など大栗先生独自の説明が活かされている。
登場する素粒子の数やそれらの性質がごちゃごちゃしがちな素粒子物理の世界を初心者が整理して理解できるように、大栗先生独自のたとえ話を使って解説が行われている。強い力と弱い力が素粒子に与える影響については僕がこれまでに読んだ啓発書の中ではいちばん整理されていてわかりやすかった。「整理されている」ということは「覚えやすい」ということにも通じている。
僕の勝手な想像だが、増改築を重ねた温泉旅館のたとえ話は、スタジオジブリの「千と千尋の神隠し」の湯屋をイメージされたのでは、新宿駅のたとえ話は先生が朝日カルチャーセンター新宿教室で講座を担当されたことがきっかけになっているのではないかと思った。
- 新聞やテレビ報道での説明の不正確さ、間違いを正している。
2008年にノーベル物理学賞を受賞された南部先生、小林先生、益川先生のご研究や昨年のヒッグス粒子発見の意義は標準理論の理解が不可欠だ。しかしこれらのニュースが報道されたときの説明はどれも不正確で間違っているものばかりだった。本書ではご専門の立場からこれらの報道についての誤りが正されている。ヒッグス粒子は「水飴」のようなものではないし「神の粒子」でもない。
- 原発問題、太陽エネルギーなど現代社会で関心がもたれているテーマと弱い力の関係が説明されている。
2008年以降の社会情勢、経済情勢を念頭におきながら、素粒子物理の研究の意義が述べられている。弱い力が原子力発電や太陽エネルギーと関連していること、弱い力が人間にとって有害なものにもなり得るし、有益なものにもなることが解説されている。素粒子物理学は現代社会と密接な関わりを持っているのだ。
- 科学予算の意義が具体的に述べられていること。
LHCの建設費と他の分野の支出を比較し、基礎物理学に対する支出がどの程度なのかを具体的示すと同時に、過去の事例を引き合いにしながら「未来への投資」としての科学研究の意義を説明されている点。またLHC以降に予定されている実験や研究内容にも解説が及んでいる。
- 物理学者の人間としての姿がありのままに描かれていること。
この分野の物理学者たちのエピソードがたくさん紹介されている。カルテクで最先端の研究をされている先生なればこそ知ることのできる人物像や人間ドラマもあり、偉大な研究成果の裏には熾烈を極める競争が行われていたことがわかる。インターネットを通じて論文が瞬時に共有される今日、スピード感は増すばかりだ。
- 初学者が疑問に思う箇所を見つけ出す才能と抜群の解説力。
どの分野であれ熟知すればするほどその人にとってその分野の知識は当たり前なものとなり、初学者が疑問に思う箇所が見えにくくなるものだ。大栗先生はこの分野の専門家であるにもかかわらず、素粒子の名前の由来を紹介するなど読者への配慮が実にこまやかだ。初学者にとってわかりにくい箇所や疑問を持ちそうなことを見つけ出す才能にあふれていると思った。また、難解な概念を平易な文章で説明する先生の豊富な語彙力、解説力も他書をしのいでいる。図による説明よりも、言葉による説明を大切にされていると思った。
- 物理専攻の大学生にとっても有益な本。
素粒子物理学を学ぼうとする大学生、そして僕のように社会人になってから独学で物理学を学んでいる者にとっても有益な本だ。教科書では触れられていない素粒子物理学の大枠や理論の概要を知ることで、学んでいる内容の位置づけや意義が明確になるだけでなく「大きな勘違い」をすることを防ぐことができる。
昨年10月に受講した「ヒッグス粒子とは何か(朝日カルチャーセンター)」は、本書の流れに沿ったものだった。そして今月18日に予定されている「強い力と弱い力」も2時間の講座だ。新書版1冊の内容を圧縮して解説されることになるので、今回もきっと中身の濃い講義になると予想している。この講座を受講される方は、ぜひ前もって本書を読んでおくことをお勧めしたい。
また、朝日カルチャーセンターの講座で受講できるのはせいぜい100人程度なので、本として出版されることの意義はとても大きいと思った。
なお、大栗先生はご自身のブログ記事で同じ素粒子物理分野への入門書として村山斉先生の最新刊を推薦されている。村山先生は東京大学カブリIPMU(数物連携宇宙研究機構)機構長をされていて大栗先生と一緒に研究をしている方だ。村山先生の著書も合わせてお読みになるとよいだろう。こちらの本はニュートリノとヒッグス粒子に特化しているそうだ。
「宇宙になぜ我々が存在するのか:村山斉」

関連記事:
重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る:大栗博司
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f63cdcd45ec542fa62d535b4cc715d69
大栗先生の超弦理論入門:大栗博司
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/75dfba6307d01a5d522d174ea3e13863
探究する精神 職業としての基礎科学:大栗博司
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/6a8ed519784843aad20780a2811f5d2d
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「強い力と弱い力:大栗博司」(Kindle版)ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く

内容紹介
世紀の大発見をわかりやすく解説
ベストセラー『重力とは何か』に続く、知的興奮の科学ミステリー
宇宙には「四つの力」が働いている。私たちを地球につなぎとめる「重力」と電気や磁石の力である「電磁気力」は古くから知られていた。二十世紀に入り「強い力」と「弱い力」が発見され、この新しい力を説明するために考え出されたのがヒッグス粒子だ。その発見により、人類が叡智を傾けて築き上げてきた理論の、最後のピースが埋まった。それは、ヒッグス粒子の魔法によって覆い隠された、自然界の美しい法則を明らかにする営みでもあった。やさしくロマンあふれる語り口で宇宙創成の謎に迫る、知的冒険の書。
■地震、放射線、太陽エネルギー。実は身近な「弱い力」
■強い力と弱い力の関係は「美女と野獣」の関係
■ヒッグス粒子は「万物の質量の起源」ではない
■ヒッグス粒子は「神の素粒子」でもない
■ヒッグス粒子の発見は「第五の力」が存在する証拠
■アインシュタインの相対論は「ゴールデンゲートブリッジ」、素粒子の標準模型は「新宿駅」
はじめに
- 2012夏、素粒子物理学の歴史的瞬間
- 「人類、やるじゃない!」」
- 自然界で働く四つの力とは?
- 放射線にも地震にも関わる「弱い力」
- 太陽がじわじわ燃えていられるのも「弱い力」のおかげ
- ヒッグス粒子を減らせばダイエットができる?
- 三つ子の兄弟は、なぜ違う性格になったのか
- 地図を持たない旅人たちが作り上げた理論
- 現場の研究者も使っている「たとえ話」で解説
- 真犯人をとりまく人物相関図を描いてみた
第1章:質量はどこから生まれるか
- ニュートンの主著は「質量」の定義から始まる
- 物質の質量とは原子の質量の和
- 粒子が見つかりすぎてギリシア文字が足りない!
- 陽子・中性子の質量はクォークの質量の和……ではなかった
- 物質の質量の99パーセントは「強い力」のエネルギー
- ヒッグス粒子は「万物の質量の起源」ではない
第2章:「力」とは何を変える働きなのか
- 運動の状態を変える、粒子の種類も変える
- 磁石の周りの砂鉄、天気図」……「場」とは何か
- 「光は波でもあり粒でもある」とはどういうこと?
- 物質をつくる「フェルミオン」、力を伝える「ボゾン」
- ヒッグス粒子発見は「第5の力」が存在する証拠
第3章:距離が長くなるほど強くなる--強い力の奇妙な性質
- 1932、物理学の世界を揺るがした二つの大事件
- 「四面楚歌、奮起せよ」若き科学者の強い決意
- 核力を伝える新たな粒子を予言した湯川秀樹
- 日本でも完成していた高エネルギー加速器
- 理論屋が役立たずだった「新粒子の大豊作」時代
- クォークとは「倒錯した性質」を持つ基本粒子
- 湯川のパイ中間子も2個のクォークからできていた
- 閉じ込められているクォークの存在をどう確認するか
- 距離が長くなるほど強くなる奇妙な力
- 強い力にまったく歯が立たなかった当時の素粒子論
- 暗黒時代に突破口を開いたヤン-ミルズ理論
- 質量のない粒子?パウリ先生の厳しい下問
- 赤青緑、強い力はクォークの色を変える!?
- 天才トフーフトが発見した「マイナスの符号」の意味
- そしてめでたく全員がノーベル賞を受賞した
- 自分自身も閉じ込めてしまうグルーオン
第4章:神様は左利きだった--弱い力のひねくれた性質
- 強い力と弱い力の関係は「美女と野獣」
- 原子核の中ではエネルギー保存則が成り立たない?
- 待ち人ニュートリノ、ついに来たる
- 6学年、各3クラスにわかれているクォークの小学校
- 弱い力はクォークの「学年」を入れ替える
- 弱い力は中学生と高校生も入れ替える
- 標準模型はなぜ6-3-3制になっているのか
- 対称性がないのでヤン-ミルズ理論が使えない
- 「弱い力を伝える粒子には質量がある」という謎
- 物理法則に「左右の区別」はないはずだったが……
- 衝撃!「左右の区別」がある物理法則が存在した
- 素粒子のスピンをフィギュアスケートからイメージする
- 時計回りと反時計回り、電子には2種類の状態がある
- 弱い力は時計回りのスピンを持つ粒子だけに働く!
- 電子やクォークに質量がなければいい!?
- 弱い力をめぐる3つの謎
第5章:単純な法則と複雑な現実--魔法使い、南部の「対称性の自発的破れ」
- 自然界のいたるところで、対称性は自発的に破れている
- 超伝導物質の中では、光が重くなる
- 若き日の南部陽一郎をとりこにしたBCS理論
- 超伝導状態の中では、電子の数が決まっていない
- 不和雷同しやすい人たちが体育館に集まるとどうなるか
- 光が重くなると、横波だけでなく縦波も必要になる
- 対称性が破れると、質量のない粒子が必ず現れる
- 「南部-ゴールドストーン・ボゾン」が光の縦波に変身
- 素粒子論での応用という、さらに偉大なる跳躍
- 真空は「何もないカラッポの空間」ではなかった
- 賢者、曲芸師、魔法使い、偉大な理論物理学者の3タイプ
第6章:ヒッグス粒子の魔法が解けた!
- 超伝導の理論と特殊相対論をどう組み合わせるか
- 対称性を破るには新しい「場」を付け加えればいい
- ヒッグス場は弱い力と電磁気力に使うべきだ!
- ヒッグス本人も思いつかなかった大胆な発想転換
- ワインバーグのひらめきで、残り2つの謎も解決
- 宇宙が誕生して10の36乗分の1秒後に起こったこと
- ヒッグスはなぜ「水飴」が嫌いなのか
- 実は質量の起源を何も説明していないヒッグス場
- ヒッグス粒子はどのようにして生まれるか
- ヒッグス粒子は「神の素粒子」ではない
- で、ノーベル賞を受賞するのは誰なのか
第7章:標準模型を完成させたCERNの力
- 醜いカエルを王子様に変えた「トフーフトのキス」
- Zボゾンの発見で米国に一矢を報いたCERN
- フェルミオンは米国、ボゾンはヨーロッパで見つかる?
- なぜこんなに巨大な加速器が必要なのか
- 陽子を光速の99.999999パーセントまで加速
- 初の実験成功から9日後に悲惨な大事故
- 「偶然は174万回に1回」レベルの現象が「発見」
- 新粒子は本当にヒッグス粒子なのか
- 人類の知の最高傑作・標準理論の完成
終章:まだほんの5パーセント
- 増改築を重ねた温泉旅館のような構造
- 相対論はゴールデンゲートブリッジ、標準模型は新宿駅
- 宇宙の暗黒エネルギーと暗黒物質の謎
- 超対称性模型ではヒッグス粒子が5種類ある
- 「何の役にも立たない」と言われ続けてきた科学者たち
- 戦争ではなく平和目的による技術革新を
- 科学がもたらす喜びは文学、音楽、美術と等価
あとがき
イラスト・図表:大栗博司
DTP:美創
編集協力:岡田仁志
内容
宇宙には「四つの力」が働いている。私たちを地球につなぎとめる「重力」と電気や磁石の力である「電磁気力」は古くから知られていた。二十世紀に入り「強い力」と「弱い力」が発見され、この新しい力を説明するために考え出されたのがヒッグス粒子だ。その発見により、人類が叡智を傾けて築き上げてきた理論の、最後のピースが埋まった。それは、ヒッグス粒子の魔法によって覆い隠された、自然界の美しい法則を明らかにする営みでもあった。やさしくロマンあふれる語り口で宇宙創成の謎に迫る、知的冒険の書。
2013年1月刊行、298ページ。
著者略歴(詳細な経歴)
大栗博司
カリフォルニア工科大学 カブリ冠教授 および 東京大学 カブリIPMU 主任研究員。京都大学卒業、東京大学理学博士(素粒子論専攻)。
東京大学助手、プリンストン高等研究所研究員、シカゴ大学助教授、京都大学助教授、カリフォルニア大学バークレイ校教授などを経て、現職。
超弦理論の研究に対し アメリカ数学会アイゼンバッド賞(2008年)、フンボルト賞(2009年)、仁科記念賞(2009年)、サイモンズ賞(2012年)などを受賞。アスペン物理学センター理事、アメリカ数学会フェロー。
ホームページ: http://ooguri.caltech.edu/japanese
ブログ: http://planck.exblog.jp/
理数系書籍のレビュー記事は本書で207冊目。
「重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る:大栗博司」に続き、大栗博司先生の一般読者向けの啓発書が1月30日に刊行された。
「熱学思想の史的展開〈2〉:山本義隆」を読んでいる最中だったが、大栗先生の本のほうが「旬」なので多くの方が関心を持っていることと、2月18日には朝日カルチャーセンター新宿教室で本書と同じタイトル「強い力と弱い力」として講座が開かれる予定なので、熱力学本の読書は一時中断して本書を読んでみた。
まず本書の章立ては次のとおりだ。素粒子物理学全般が解説されていることがおわかりだろう。
はじめに(CERNによるヒッグス粒子発見の報告)
第1章:質量はどこから生まれるか
第2章:「力」とは何を変える働きなのか
第3章:距離が長くなるほど強くなる--強い力の奇妙な性質
第4章:神様は左利きだった--弱い力のひねくれた性質
第5章:単純な法則と複雑な現実--魔法使い、南部の「対称性の自発的破れ」
第6章:ヒッグス粒子の魔法が解けた!
第7章:標準模型を完成させたCERNの力
終章:まだほんの5パーセント
一般向けの素粒子論の啓発書は南部陽一郎先生の「クォーク 第2版」をはじめ、これまでに数々の良書が出版されている。今回はあえて大栗先生の本を読む意義を示す形で感想を書かせていただく。
他の啓発書と比較して本書には次のような特長がある。
- 最新の研究成果やその意義が解説されている。
2008年にノーベル物理学賞を受賞した南部先生、小林先生、益川先生のご研究や2012年のヒッグス粒子発見の意義など、一般の人にとっても関心の高い最新の話題が詳しく解説されている。新聞やテレビのニュースでは不正確な形で伝えられたこれらのことが正しく理解できるようになる。
- 各章の間の論理関係が明確なので理解しやすい。
大栗先生も「素粒子の標準模型は、40名以上のノーベル賞受賞者を含む数多くの物理学者が、何世代もかけて試行錯誤の末に作り上げたものです。」とお書きになっているように、素粒子物理学は登場する粒子の種類が多く、その性質と理論はそれまでの物理学には出てこない斬新な内容が多いので初学者は混乱しやすい。本書では章ごとに解説するテーマを絞り込んで解説し、章と章の間の論理関係がはっきりと示されているので「木を見て森を見ず。」の状態にならないための工夫が尽くされている。
- 素粒子物理学にフォーカスされている。
知識が豊富であればあるほど、すべてを伝えたいと思ってしまうのが執筆者に自然に沸く気持ちなのだと思う。他書ではニュートン力学から相対論、量子力学に至る物理学史にページが割かれる結果、本来のテーマを解説するページ数が減るばかりでなく、「重箱の隅をつつく」ような説明で読者を飽きさせたり混乱させてしまっている本をときどき見かける。本書は素粒子物理以外の分野の説明は必要最小限にとどめ、一貫して素粒子物理にフォーカスすることで、限られたページ数が有効に活かされている。
- 増改築を重ねた温泉旅館のたとえ話、6・3・3制のたとえ話、新宿駅のたとえ話など大栗先生独自の説明が活かされている。
登場する素粒子の数やそれらの性質がごちゃごちゃしがちな素粒子物理の世界を初心者が整理して理解できるように、大栗先生独自のたとえ話を使って解説が行われている。強い力と弱い力が素粒子に与える影響については僕がこれまでに読んだ啓発書の中ではいちばん整理されていてわかりやすかった。「整理されている」ということは「覚えやすい」ということにも通じている。
僕の勝手な想像だが、増改築を重ねた温泉旅館のたとえ話は、スタジオジブリの「千と千尋の神隠し」の湯屋をイメージされたのでは、新宿駅のたとえ話は先生が朝日カルチャーセンター新宿教室で講座を担当されたことがきっかけになっているのではないかと思った。
- 新聞やテレビ報道での説明の不正確さ、間違いを正している。
2008年にノーベル物理学賞を受賞された南部先生、小林先生、益川先生のご研究や昨年のヒッグス粒子発見の意義は標準理論の理解が不可欠だ。しかしこれらのニュースが報道されたときの説明はどれも不正確で間違っているものばかりだった。本書ではご専門の立場からこれらの報道についての誤りが正されている。ヒッグス粒子は「水飴」のようなものではないし「神の粒子」でもない。
- 原発問題、太陽エネルギーなど現代社会で関心がもたれているテーマと弱い力の関係が説明されている。
2008年以降の社会情勢、経済情勢を念頭におきながら、素粒子物理の研究の意義が述べられている。弱い力が原子力発電や太陽エネルギーと関連していること、弱い力が人間にとって有害なものにもなり得るし、有益なものにもなることが解説されている。素粒子物理学は現代社会と密接な関わりを持っているのだ。
- 科学予算の意義が具体的に述べられていること。
LHCの建設費と他の分野の支出を比較し、基礎物理学に対する支出がどの程度なのかを具体的示すと同時に、過去の事例を引き合いにしながら「未来への投資」としての科学研究の意義を説明されている点。またLHC以降に予定されている実験や研究内容にも解説が及んでいる。
- 物理学者の人間としての姿がありのままに描かれていること。
この分野の物理学者たちのエピソードがたくさん紹介されている。カルテクで最先端の研究をされている先生なればこそ知ることのできる人物像や人間ドラマもあり、偉大な研究成果の裏には熾烈を極める競争が行われていたことがわかる。インターネットを通じて論文が瞬時に共有される今日、スピード感は増すばかりだ。
- 初学者が疑問に思う箇所を見つけ出す才能と抜群の解説力。
どの分野であれ熟知すればするほどその人にとってその分野の知識は当たり前なものとなり、初学者が疑問に思う箇所が見えにくくなるものだ。大栗先生はこの分野の専門家であるにもかかわらず、素粒子の名前の由来を紹介するなど読者への配慮が実にこまやかだ。初学者にとってわかりにくい箇所や疑問を持ちそうなことを見つけ出す才能にあふれていると思った。また、難解な概念を平易な文章で説明する先生の豊富な語彙力、解説力も他書をしのいでいる。図による説明よりも、言葉による説明を大切にされていると思った。
- 物理専攻の大学生にとっても有益な本。
素粒子物理学を学ぼうとする大学生、そして僕のように社会人になってから独学で物理学を学んでいる者にとっても有益な本だ。教科書では触れられていない素粒子物理学の大枠や理論の概要を知ることで、学んでいる内容の位置づけや意義が明確になるだけでなく「大きな勘違い」をすることを防ぐことができる。
昨年10月に受講した「ヒッグス粒子とは何か(朝日カルチャーセンター)」は、本書の流れに沿ったものだった。そして今月18日に予定されている「強い力と弱い力」も2時間の講座だ。新書版1冊の内容を圧縮して解説されることになるので、今回もきっと中身の濃い講義になると予想している。この講座を受講される方は、ぜひ前もって本書を読んでおくことをお勧めしたい。
また、朝日カルチャーセンターの講座で受講できるのはせいぜい100人程度なので、本として出版されることの意義はとても大きいと思った。
なお、大栗先生はご自身のブログ記事で同じ素粒子物理分野への入門書として村山斉先生の最新刊を推薦されている。村山先生は東京大学カブリIPMU(数物連携宇宙研究機構)機構長をされていて大栗先生と一緒に研究をしている方だ。村山先生の著書も合わせてお読みになるとよいだろう。こちらの本はニュートリノとヒッグス粒子に特化しているそうだ。
「宇宙になぜ我々が存在するのか:村山斉」

関連記事:
重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る:大栗博司
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f63cdcd45ec542fa62d535b4cc715d69
大栗先生の超弦理論入門:大栗博司
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/75dfba6307d01a5d522d174ea3e13863
探究する精神 職業としての基礎科学:大栗博司
https://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/6a8ed519784843aad20780a2811f5d2d
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「強い力と弱い力:大栗博司」(Kindle版)ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く

内容紹介
世紀の大発見をわかりやすく解説
ベストセラー『重力とは何か』に続く、知的興奮の科学ミステリー
宇宙には「四つの力」が働いている。私たちを地球につなぎとめる「重力」と電気や磁石の力である「電磁気力」は古くから知られていた。二十世紀に入り「強い力」と「弱い力」が発見され、この新しい力を説明するために考え出されたのがヒッグス粒子だ。その発見により、人類が叡智を傾けて築き上げてきた理論の、最後のピースが埋まった。それは、ヒッグス粒子の魔法によって覆い隠された、自然界の美しい法則を明らかにする営みでもあった。やさしくロマンあふれる語り口で宇宙創成の謎に迫る、知的冒険の書。
■地震、放射線、太陽エネルギー。実は身近な「弱い力」
■強い力と弱い力の関係は「美女と野獣」の関係
■ヒッグス粒子は「万物の質量の起源」ではない
■ヒッグス粒子は「神の素粒子」でもない
■ヒッグス粒子の発見は「第五の力」が存在する証拠
■アインシュタインの相対論は「ゴールデンゲートブリッジ」、素粒子の標準模型は「新宿駅」
はじめに
- 2012夏、素粒子物理学の歴史的瞬間
- 「人類、やるじゃない!」」
- 自然界で働く四つの力とは?
- 放射線にも地震にも関わる「弱い力」
- 太陽がじわじわ燃えていられるのも「弱い力」のおかげ
- ヒッグス粒子を減らせばダイエットができる?
- 三つ子の兄弟は、なぜ違う性格になったのか
- 地図を持たない旅人たちが作り上げた理論
- 現場の研究者も使っている「たとえ話」で解説
- 真犯人をとりまく人物相関図を描いてみた
第1章:質量はどこから生まれるか
- ニュートンの主著は「質量」の定義から始まる
- 物質の質量とは原子の質量の和
- 粒子が見つかりすぎてギリシア文字が足りない!
- 陽子・中性子の質量はクォークの質量の和……ではなかった
- 物質の質量の99パーセントは「強い力」のエネルギー
- ヒッグス粒子は「万物の質量の起源」ではない
第2章:「力」とは何を変える働きなのか
- 運動の状態を変える、粒子の種類も変える
- 磁石の周りの砂鉄、天気図」……「場」とは何か
- 「光は波でもあり粒でもある」とはどういうこと?
- 物質をつくる「フェルミオン」、力を伝える「ボゾン」
- ヒッグス粒子発見は「第5の力」が存在する証拠
第3章:距離が長くなるほど強くなる--強い力の奇妙な性質
- 1932、物理学の世界を揺るがした二つの大事件
- 「四面楚歌、奮起せよ」若き科学者の強い決意
- 核力を伝える新たな粒子を予言した湯川秀樹
- 日本でも完成していた高エネルギー加速器
- 理論屋が役立たずだった「新粒子の大豊作」時代
- クォークとは「倒錯した性質」を持つ基本粒子
- 湯川のパイ中間子も2個のクォークからできていた
- 閉じ込められているクォークの存在をどう確認するか
- 距離が長くなるほど強くなる奇妙な力
- 強い力にまったく歯が立たなかった当時の素粒子論
- 暗黒時代に突破口を開いたヤン-ミルズ理論
- 質量のない粒子?パウリ先生の厳しい下問
- 赤青緑、強い力はクォークの色を変える!?
- 天才トフーフトが発見した「マイナスの符号」の意味
- そしてめでたく全員がノーベル賞を受賞した
- 自分自身も閉じ込めてしまうグルーオン
第4章:神様は左利きだった--弱い力のひねくれた性質
- 強い力と弱い力の関係は「美女と野獣」
- 原子核の中ではエネルギー保存則が成り立たない?
- 待ち人ニュートリノ、ついに来たる
- 6学年、各3クラスにわかれているクォークの小学校
- 弱い力はクォークの「学年」を入れ替える
- 弱い力は中学生と高校生も入れ替える
- 標準模型はなぜ6-3-3制になっているのか
- 対称性がないのでヤン-ミルズ理論が使えない
- 「弱い力を伝える粒子には質量がある」という謎
- 物理法則に「左右の区別」はないはずだったが……
- 衝撃!「左右の区別」がある物理法則が存在した
- 素粒子のスピンをフィギュアスケートからイメージする
- 時計回りと反時計回り、電子には2種類の状態がある
- 弱い力は時計回りのスピンを持つ粒子だけに働く!
- 電子やクォークに質量がなければいい!?
- 弱い力をめぐる3つの謎
第5章:単純な法則と複雑な現実--魔法使い、南部の「対称性の自発的破れ」
- 自然界のいたるところで、対称性は自発的に破れている
- 超伝導物質の中では、光が重くなる
- 若き日の南部陽一郎をとりこにしたBCS理論
- 超伝導状態の中では、電子の数が決まっていない
- 不和雷同しやすい人たちが体育館に集まるとどうなるか
- 光が重くなると、横波だけでなく縦波も必要になる
- 対称性が破れると、質量のない粒子が必ず現れる
- 「南部-ゴールドストーン・ボゾン」が光の縦波に変身
- 素粒子論での応用という、さらに偉大なる跳躍
- 真空は「何もないカラッポの空間」ではなかった
- 賢者、曲芸師、魔法使い、偉大な理論物理学者の3タイプ
第6章:ヒッグス粒子の魔法が解けた!
- 超伝導の理論と特殊相対論をどう組み合わせるか
- 対称性を破るには新しい「場」を付け加えればいい
- ヒッグス場は弱い力と電磁気力に使うべきだ!
- ヒッグス本人も思いつかなかった大胆な発想転換
- ワインバーグのひらめきで、残り2つの謎も解決
- 宇宙が誕生して10の36乗分の1秒後に起こったこと
- ヒッグスはなぜ「水飴」が嫌いなのか
- 実は質量の起源を何も説明していないヒッグス場
- ヒッグス粒子はどのようにして生まれるか
- ヒッグス粒子は「神の素粒子」ではない
- で、ノーベル賞を受賞するのは誰なのか
第7章:標準模型を完成させたCERNの力
- 醜いカエルを王子様に変えた「トフーフトのキス」
- Zボゾンの発見で米国に一矢を報いたCERN
- フェルミオンは米国、ボゾンはヨーロッパで見つかる?
- なぜこんなに巨大な加速器が必要なのか
- 陽子を光速の99.999999パーセントまで加速
- 初の実験成功から9日後に悲惨な大事故
- 「偶然は174万回に1回」レベルの現象が「発見」
- 新粒子は本当にヒッグス粒子なのか
- 人類の知の最高傑作・標準理論の完成
終章:まだほんの5パーセント
- 増改築を重ねた温泉旅館のような構造
- 相対論はゴールデンゲートブリッジ、標準模型は新宿駅
- 宇宙の暗黒エネルギーと暗黒物質の謎
- 超対称性模型ではヒッグス粒子が5種類ある
- 「何の役にも立たない」と言われ続けてきた科学者たち
- 戦争ではなく平和目的による技術革新を
- 科学がもたらす喜びは文学、音楽、美術と等価
あとがき
イラスト・図表:大栗博司
DTP:美創
編集協力:岡田仁志
はじめまして
中学の範囲を独学で勉強している者です。
中学のとき、体に障害があり
学校に行けなかったため
今勉強しています。
そして勉強方法がまったくわからないので困ってます。
なのでとねさんの当時の勉強方法を教えてもらいたく書き込みました!
どうかよろしくお願いします!
はじめまして。コメントいただき、ありがとうございます。
頑張って勉強をされているのですね。
アドバイスしたいのですが、詳しいことがわからないので、まず2つ質問させてください。そのご返事を待ってからアドバイスを書きたいと思います。
1)「中学の範囲を独学で勉強している」とお書きになっていますが、勉強さしたい科目は数学だけですか?それとも全部の教科ですか?(僕のブログにコメントいただいたことから、数学と理科あたりかと想像していますが。)
2)勉強されている目的は自分の教養のためですか?それとも、もう一度高校受験や大検などを目標にされているのでしょうか?
やはり全教科やってます^^;
いいのでしょうか。お手数かけますm(__)m
目的は教養のためです。
おねがいします!
物理ということでしたら中学のでしたら第一分野になりますね。次のような本がお勧めです。
図でわかる中学理科 1分野(物理・化学)―中1~中3
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22/detail/4163722300
発展コラム式 中学理科の教科書 第1分野(物理・化学) (ブルーバックス)
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22/detail/4062575914
高校の物理でしたら、次の本がお勧めですよ。値段が高いので中古のを買うとよいと思います。
http://astore.amazon.co.jp/tonejiten-22/detail/457824119X
あと今、毎週土曜の午後4時から次の番組が放送されていますから、ぜひこれをご覧になるとよいです。
MIT白熱教室(物理学編)、これが物理学だ!
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/66d25e29fc2c514f453a6b110150b811
あと、無料で物理の世界を楽しみたいのであれば、次のページをご覧になるとよいでしょう。
マルチメディアで見る原子・分子の世界
http://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0030/start.html
物理学、数学の動画: 相対性理論、量子論、電磁気学、超ひも理論
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/381f2242143b9804e25c95a948c8758f
あと以下のページは理数系が得意な高校生向けに書いた記事ですが、ご参考までに紹介しておきます。
高校生にお勧めする30冊の物理学、数学書籍
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/f79ac08392742c60193081800ea718e7
上のコメントの方が中学へ行けず勉強をなさっているということですが実は私も精神的な病気で中学へはあまり行けずその反動で高校時代は遊んでしまい大学など無縁でしたが半年ほど前にとねさんの記事で見た美しき大宇宙やフェルマーの最終定理の動画に感動して大学受験を決め勉強をしていました。今月末に2次試験があるので志望校に行けるかわかりませんがとねさんの記事のおかげで勉強する楽しみもわかったので感謝の気持ちを伝えたくてコメントしました。長々とすいませんでした。
はじめまして!うれしいコメントをありがとうございます。
大栗先生の「重力とは何か」のほうはお読みになったのですね。これは僕も素晴らしい本だと思いました。
私のブログの記事が大学受験に挑戦するきっかけになったのですか!うれしい反面、責任も感じてしまいますね。
ぜひ志望校の2次試験に合格されるよう祈っています。
この時期は集中して勉強することも大切ですが、それ以上に健康管理が重要です。明日以降も寒暖の差が激しいようですし。風邪やインフルエンザにならないよう、十分な睡眠と食事を心がけてください。
大栗先生が今回出版された本は試験が終わってからお楽しみになれますね!2月7日にはKindle版も出るのでスマートフォンからでも読めるようになります。
勉強を楽しんでください。
自分で学んで得る知識や理解は、お金では買うことのできない価値のひとつだと思います。
久しぶりに見ようと思ったのですがフェルマーの最終定理や数学者列伝の動画は削除されているようで残念です。またおすすめの動画があれば紹介していただければうれしいです。
「強い力と弱い力」は入試を終えてから村山斉先生の本と併せて読もうと思っています。
これからもとねさんの記事をたのしみに読ませていただきます。
> 動画は削除されているようで残念です。
そのようですね。僕も昨日気がつきました。でもYouTubeにTV番組の動画を投稿すること自体は違法なので、削除されてしまうのも仕方のないことですね。
> これからもとねさんの記事をたのしみに読ませていただきます
ありがとうございます。
昨日「風邪に気をつけてください。」とお伝えしたにもかかわらず、今日は僕のほうが風邪をひいてしまいました。(笑)