ちょいボケじじいの旅・酒・エーとそれとね

毎晩酒を愛で古き日本と温泉を愛す、少し物忘れも出始めた爺が、旅日記やコレクション自慢などと、時々の興味のままを綴る。

大震災1ヶ月後の東北へ、でも日本海側に、桜は開花が遅れてアジャパー その3第二日目

2011-04-27 16:44:49 | 旅日記

 この日は目的だった桜がまだ咲いていないから庄内をゆっくり巡るしかないと、まずは宿からすぐの道の駅ふらっとに立寄る。ここには農産物直売所、魚屋、物産館、食事処などにラーメン屋やベーカリーなどもあって地元客で賑わっている。でもまだ野菜や魚は買えないからどんなものがあるか見て回るだけ、でもカレイを焼いている光景は食用をそそるし、水が良い遊佐はラーメンが旨いと宣伝パンフレットにあったからそちらも気にはなるが、朝飯を腹いっぱい食べてきたばかりだから残念だけど食えないよな。(冒頭写真はこの日の風景の主役である月山を松ケ岡開墾場付近から撮ったもの)

    

                    道の駅ふらっと                            浜焼スタイルは食欲をそそる

 遊佐から酒田ヘはR7は海岸沿いを走るから、日本海からの風を利用した風力発電風車がいくつも立つのは見えた。酒田に近づくとバイパスとしてやや内陸に向かい、片側2車線と広くなって車のスピードが上がるが、市街には右折して入っていくことになる。

               風力発電を右手に見ながら
 市街中心部を抜けて酒田の山居倉庫に、こちらにも農産物直売所や物産館があって周辺のだいたいの産品が手に入る。もう何回も立寄っているがこの時期だけのものがないかということで寄り道したのだが、これというものはなくて、それが奥にある夢の俱楽というジュサブロウ人形を常設展示する場所で、平田地区のさしこの会による庄内刺子の特別展示があるというのには、ここでもまたもや刺子に遭遇してしまった。女房はこれは見なくちゃというのにお付き合い、中ではビデオで一部の刺子模様の実演説明があって、こういう刺子というのは単調な一本一本の直線に針目だけ工夫して模様を出していくのを知った。展示品は着物や暖簾などの大物ばかりでいかにも手間が混んでいるものばかりだった。はて遊佐とここと、何回も庄内に来ているのについぞや知らなかったものに続けて出合ってしまった。外ではいろいろな袋物などを販売していたが、やはり遊佐刺子と同じようなお値段であった。

                物産館奥に傘福を販売

   

             庄内(平田)刺子の販売                      夢の俱楽特別展示の庄内刺子

 思いもかけずここで時間がとられてもうじき昼飯時と、酒田のフレンチ欅は前回食べたから今回は旧櫛引町にある予約が取れない人気イタリアンの予約不要のカフェレストランに日曜だから席が埋まらないうちにと、ナビの電話検索を入れたら予定時間が12時半、でもこれも短縮できるはずと急ぐ。その途中では見事な桜並木があるのにやはりまだ蕾だけ、残念だったねぇ。

                    途中の土手の桜並木も蕾

 そのイタリアンは旧櫛引町の幹線道路沿いにあって周りは工場や農地など殺風景な風景中にあるのだが、月山や羽黒山が望めるロケーションだけに二階建てにすれば眺めはいいはず、でもレストランは平屋だから店自体からは何も見えない。

            羽黒山

                     レストランの向かい側の建物の先には月山を中心にこんな風景が広がる

              

                           左の赤い屋根がイル・ケッチァーノでその右手がアル・ケッチァーノ

 やはり到着は11時45分とランチ時間が始まった直後、駐車場は一台だけ空いているのには慌てて女房を先に降ろして急げと。遅れて中に入ったら最後の二人席だったそうで、本当に滑り込みセーフであった。ランチメニューを見たら以前は無かったと思うペアセットがあって、パスタとリゾットから2品とピザは1品、これにサラダと飲物、デザートで二人で3500円というお得セットを注文する。料理はかなりスムースに出てくるから回転は速いはずで、あとからの客は名前を書いてもらって空いたら携帯で呼び出されるというシステムになっていたが、やはり日曜日は先んじれば人を制すだ。食べたのは庄内野菜いっぱいのペペロンチーニ、キノコのリゾット、マルゲリータで、どれもアッサリした味がここの特徴みたいで、スンナリと食べ尽くせる。僕はイタリアンだともっとアクが強いものが好みだが、こちらは弟子達が料理しているけれど、有名シェフ自身のお隣はどういう味か、やはり同じ系統なのかと興味は湧くがハテどうなんだろう。食後のコーヒーはサービス価格の別料金だが、おあとが大勢だから店の売り上げに協力して止めておこうと、それと女房はケースに入ったケーキを見て舌なめずり、でも今朝の体重が増えていたと悔しがる、そう我慢が一番だよ。

         

                       サラダ二人分                                リゾット

         

                                          パスタとピザ

             

                                            アイスクリームはそれぞれに
 レストランがある旧櫛引町からは近い松ケ岡開墾場に、この時期にはクラフトフェアがあると聞いていたので桜はダメでもと行ってみることに、でも大震災で今回は夏に延期したそうでこれも残念でした。ここは庄内藩士達が明治維新で開墾に励んだという場所で、養蚕に使った大型木造二階建ての建物が並ぶビックリするようなレトロでノスタルジックな風情の施設。庄内雛街道で訪れた時には開墾記念館の2Fに展示されていた民芸玩具の膨大さに圧倒され、全てが開墾に従事した兄弟二人がその後に収集したものだと聞いて二度ビックリしたものだ。この中には送り人でも有名になった庄内映画村本社があって、そちらの資料館もあるが、映画のオープンセット村は車で20分ほど奥にあって、この時期の見学は半額だそうだが、往復時間と見物時間を考えるとちょっと無理かなということで、鶴岡公園内には藤沢周平記念館が出来ているはずとそちらに向かうことに。

                 松ケ岡開墾場

   

              松ケ岡開墾記念館                                 庄内映画村資料館

 鶴岡公園付近には無料駐車場がいくつかあるのが鶴岡市のエライところで、市民会館の駐車場に停めて公園まで歩く。園内には桜まつりの旗が掲げられ、出店も並んでいて人出もあるのに肝心の桜は歩いた場所には一輪だけあったかという状態で、蕾は膨らんで赤みが増しているのにこの二日間は気温が下がっていることもあって、開花のお出ましは無し。今年は例年より一週間は遅いらしいから、満開は次の日曜日だろう。新しく完成した藤沢周平記念館は規模は小さいが軽快で洒落た建物、まず入った場所には藤沢作品の舞台となった庄内の四季の風景をテレビ画面に次々と映し出していて、これがなかなかに美しい映像でいいなぁと。その次の部屋からは藤沢作品の本や手描き原稿を展示し、そして作家の人生を紹介するかたちになっている。藤沢作品の本は読んだことは無くて、テレビで武士の言い分だけは見たことがあるだけ、時代物作家とは知ってはいたが、ここで全部が時代小説だったと知って、徹底していたもんだねぇと。それと出版してからも手を入れて、版が替わる度に内容を充実させていたというのは、ほかにそんな作家はいたものかと感心してしまった。ここに喫茶室でも作ってくれたら、これからも一服しながらに来てもいいんだけどね。

                  藤沢周平記念館

                  一番開花が近そうな桜
 このあとは無料の鶴岡アートフォーラムで市民写真展を見て、これも江戸時代の藩校を移築保存した無料の旧致道館を見物、こういうものを内部まで自由にというのもエライもんだ。鶴岡藩は徳川四天王の筆頭酒井忠次以来、親藩として江戸期を通じて続いたというのも藩政が良かったからか、今でも鶴岡中心の庄内独特の農産物があったり、こういう文化財に対する姿勢に見られたりと、その伝統が息づいていると考えざるを得ないでしょう。幕末は幕府側について最後まで抵抗したのちに降伏したのだが、西郷隆盛によって救われたのもこういう伝統文化素地があってのことかな。とにかく酒田は商人の町、鶴岡は武士と農民の町だったわけで、鶴岡は律義な人たちが多かったのだろう、藤沢周平もその一人じゃないかと。

             旧致道館
 このあとは中心部を離れたのだが多少時間の余裕があったので、温海方面への道筋にある地元スーパーと鶴岡観光物産館が並ぶ場所にも立寄ってみる。地元安売りスーパーは土産物屋で買うより確かに安いから利用しない手は無いが、この時期は新鮮山菜などはまだ無いし、鮮魚はもう一日あるから買えないしで、山形名物の玉コンニャクやすぐ近くの大山地区にある蔵元の栄光富士などを買い込む。同じく大山地区の本長の漬物も物産館には置いてあったが、不作だったという藤沢カブは無くて、今回は温海カブは横浜の山形フェアで買ったものがあるからと止めておいた。
 海岸線側の県道を走ってR7に合流すればその先も日本海を眺めながらのドライブ、夕日の時間だと美しい空の色を見ることができるのだが、この時期の日没時間は6時過ぎだから紅葉時期より遅くてちょっと無理、二日目の宿である我々の定宿桂屋旅館へは早めの4時半過ぎの到着となった。宿の目の前には足湯があって、4月になれば楽しんでいる人も何人か見え、その先の駐車場は二軒の旅館の駐車場になっているが県外ナンバーは我々だけみたいのようだ。


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