その後は農産物直売所など覗いて一回分の二八蕎麦が打てる蕎麦粉、うどん粉、打粉がセットになった重宝なものを始めて見つけ、買込んで早めに宿グルービー(冒頭写真)に向う。4時過ぎには着いてお犬様の車内寝床の準備などして、親父さんの元気な声に迎えられる。
まずは1Fでウエルカムコーヒー、付合せには初めての冷凍干柿のデザートを堅いまま食べてと、これが不思議な食感と味、また工夫しているね。この日の宿泊客は我々と同年代夫婦と二組だけ、でも2Fの客室は6室から4室となっていて、通された部屋は以前の2室が合体したユッタリ部屋、今回は一時給付金価格という割引で安いのにね。女房ともういいお年だろうから客数を減らしたんだろうねと、あとの食事時に初めて来た頃の話をしたらそれは15年前だったとか、ここの開業からは18年だそうだ。夕食までの暫し女房は犬の相手を、梅雨時に来たのも車に置いておけるからなのでもあるのです。
お楽しみの夕食はまずは囲炉裏部屋で岩魚骨酒回し飲みと塩焼を食してからレストランコーナーへというのがお決り。それにしてもいつもながらこの焼加減は絶妙ですなぁ、頭まで歯に何の抵抗無く香ばしく食べられる。シェフ自慢のディナーコースは自家製牛タン燻製メインの前菜から始まり途中の食休めのシャーベットなど挟んでメインディッシュは目の前で焼きあげる信州アップル牛ヒレステーキ、6時半から9時少し前まで主人との会話を楽しみながらゆっくりと一品づつ供される。その内容は写真で見てください。ワインは以前からピーロートで購入していた甘いドイツワインだったのが、今回は同じワイン商社ながらアルゼンチン産の辛口が用意してあった。この赤のカベルネ・ソーヴィニヨンはかなりのもの、アルゼンチンワインは渋いものばかりと思っていたが、なんでもピーロートが指導してボルドーものの味に仕上げたそうで、これでステーキの味がさらに引立つというものだ。あとでネットで調べてみたら2000円強のもの、それを3000円プラス消費税で出すんだからとても良心的、あくまで料理で勝負する姿勢が素晴しい宿であると納得。食事最終のおまけは芝生庭に牛スジなど置いてキツネと狸のご登場、この日は見ている時間帯にはキツネだけが現れた。
そのあとこの時期の別のお楽しみと、下の田圃にホタルが出ているからとワゴン車で見物に出かけ、久しぶりの平家蛍の乱舞を見る。これでも昔の半分くらいというが、点滅間隔を見ると自動車のハザードランプに反応しているらしい。一匹だけ大きな光を出しているのがいたが、そちらは源氏蛍だったのだろう。戻って犬にオシッコをと女房が車から出して少し散歩させる間に、僕はもう腹一杯で満足満足とあいなってバタンキューと寝てしまう。