PM7:00に2PMの事を考える

クリームソーダ的宇宙

”あなたのノワール”19分から29分の10分間を語るよ!まさかジュ…?

2013-10-10 19:00:05 | チャンソン Hwang 

ネタバレで

ですので

おきをつけて!!

 

 

あなたのノワール・冒頭から18分までについてはこのエントリーをお読みください。

http://blog.goo.ne.jp/ktam7pm/e/d2091e5213c2954ea27b2a907b122956

 

さあいきましょう。

19分から29分(また半端な!)あなたのノワールを

ぶった切り愛します。

 

1、薫子先生の美しい涙に魅せられるチャンソン

クラスの不良・吉田君にいじめられたヨジャ先生(=以下、薫子という事にさせていただきます。書きにくいので。)

ひとり保健室で涙を流している。

チャンソンはそんな薫子先生に声はかけずそっと見守る。

保健室に誰も入って来れないよう、いや、もしかしたらこの美しい薫子の姿を自分以外の男に見せたくない、

そんな気持ち、なの、だ、ろう、か…

ヒューヒュー!

 

すると‥‥

階段からお腹を壊した男子生徒が保健室にむかってき・・・・・・

え?

 

あれ?

ジュノ!?

 

 

ジュノだよね?

 

 

 

ジュノ!!!

 

 

 

(-.-)ジュノじゃねえよ

 

しかしチャンソンはジュノですら

「あっちいけ。いま保健室つかえねーんだよ」とガンを飛ばし追い払うのだった。

 

2、助けて気を許させる作戦の実行

話は現在にもどる。チンピラチャンソン。

関東蛇腹会は薫子に対しひったくりをしこむ。

そのひったくりをチャンソンがつかまえ、先生と生徒の自然な再会を演出、、するつもり。

 

ここのチャンソンのケンカ最高!左な、左。

しかし「あ!あなたチャンソンくんね?」となる予定が薫子はチャンソンを覚えていない。

それどころか「助けてくれてありがとう」といって約18000円(20000ウォン)くらい渡す薫子。

人の親切を何だと…

チャンソン

がーん

 

結果チャンソンは自分かボク元教え子のチャンソンですと名乗るのだった…

名乗っても覚えてないという…

 

3、エレベーターで赤と黒ごっこ

薫子も、元教え子にピを流血させているとあっては、放置できない。

自分のオフィス(?)のマンションにつれていく。

ここは夫がすべて監視カメラでチェックしているのでエレベータに乗る前に

「絶対はなしかけずに他人のふりして?」という薫子。

そして・・・

エレベの中で、つい監視カメラの方をチャンソ・・・・・

 

んがーーーーー

かわいすぎるやろーーーーーーーーccccccccccccc!!

絶命。

あ!

でもつづけるよ!

エレベにふたりっきり・・

 

え?!!!!

エレベに二人っきりと言えば!!!

 

と黒 

 

ナムギルソンセンニムの得意技・・・・

 

 

チャンソンと薫子にはもちろんまだ何にもないですよ。

 

4、部屋で治療

 

薫子がチャンソンの怪我の手当をいたします。

もはやことばいらないので写真はります。

 

チャンソンは薫子の耳の横の傷に気が付く。

これ夫の仕業。

あ、先生、、夫に暴力ふるわれてるんだ・・・・

おれの・・・

初恋の・・・・・・

先生が・・・・・・・

あたたかいカフェラテが手のひらでさめてゆきますよね。こうなるとね。

 

5、後日。薫子、夫にDVされた傷の治療へ。

薫子が病院を出るとチャンソンが出待ち。

「先生、ぼく、、、ぼくがあなたのSOSマンになるから!」

「チャンソンくん…」

そういって電話番号を書いた( ..)φメモメモを渡すチャンソン。

「よっしゃ・・・・!」

その後ろ姿、ガッツのにぎにぎ、いい!

背中で演技してはる!!!

 

ここで29分です!!!

この先まだみてません!!!!

10分しか進んでない!

ジュノがでてきたせいだ!!は?


緊急企画”あなたのノワール”18分しか見てない私が語るよ!

2013-10-10 14:00:00 | チャンソン Hwang 

最初に言っておきます。

冒頭のキスシーンは画像貼りません!

貼れるかってんだっ!

 

私が自分のブログのぞいてアレ見るたび絶命するから!!

 

絶命と言っても「やだ!キスしないで!」という事ではまったくなく、単にドキドキするからです。えへ。

数々のNAVERまとまりません史上最もまとまりない今回のエントリー、行かせていただきますね!

 

ちなみにまだ最初から18分しか見てません。すすまない!まったくすすまない!!

何度一時停止したことか。

 

1、冒頭キスシーン

ヒョンジュ(チャンソンの役名です)とヨジャ浜辺でぽっぽしている。

「ネガ・・」というチャンソンの第一声で私は絶命しました、だってチャンソンの声なんだもん!

※ちなみに「俺が殺しますよ」という台詞だそうです。チュンタ談。

 

2、時間はさかのぼり回想、チンピラチャンソンの殴り合い、取っ組み合いのシーン

いいね!服がYazooの時のカーキっぽい感じで得した気分だよ!

正直、蹴られてるとき一昨日のアジアほにゃららライブのハトビで

うーたんに胸ふまれてるチャンソン画像おもいだしたよね!

なんでこんなに違和感ないんだろ!

マンネだから?!

ちなみにこのうーたん好きすぎ。

かゆっ

 

 

つづきます。

 

 

3、えっと検事なのかしら、1でポッポしてたヨジャの夫登場

ヨジャへの依存マックス検事、暴力もふるっているDV金髪豚野郎。

その検事の部屋で取り調べされてるチャンソン。

今は取り調べをおえ、ソルロンタン(という名のカツどん)を掻き込む。

演技プラン的に粗野にするためにわざときたなくがっつき掻き込んでいるだろう。

いや。お腹が空いているチャンソンはこんなふうなのかもしれない。そんなことを思う私。

もやしなどが食べきれず口から一本出ていたりしている。いや、妄想かもしれない。

ふと

その横顔が白く美しいためわたしやっぱり一時停止そして絶命。

なんだこの彫刻

ウフィッティ美術館にあった気がする。”ソルロンターニを食らうチャビチ像”とか。

4、そして10秒も経たないうちにまた一時停止、絶命。だって綺麗。ほうけてる

 

5、ヤクザの親分と出所祝いでキャバクラ的なとこ。酒などを飲む。(出所ってべつに刑に服してないけど)

言葉はわからねど、ここでもバリバリのマンネ。親分以下ヒョン分(兄貴分)多数。

検事がなにか裏?かヤクザの恨み?があるらしくチャンソンは検事をヒョンニムとともに尾行をすることに。

 

6、尾行開始。ななななんと、、検事の嫁は、はちゅこいのあの人だったーーーーーー!

尾行するチャンソンが車のミラーにうつり、わたし一時停止絶命のち蘇生。

 

ここまで映画ばりのクオリティ

チャンソン演技うまいじゃん!

たたずまいがいいじゃん!

アンニュイが生きてるよ!

PMいち演技派じゃね?!そいやPMまえにハイキックとかしてたんだもんね!ごめんね今更!!

PMいちとかいって監視者みたら撤回するかもしんないけどね!

 

7、やくざのおやびんに「あれは僕の高校のソンセンニムです」報告、親分、それは好都合だね?と言いチャンソン尾行続行。

ここでさらに時はさかのぼってしまい恐怖の制服のちゃんそんああああああーーーーー

 

8、男子校の教室で新任教師ヨジャ登場。

 チャンソン、居眠りから覚め一瞬でその美しさに心奪われる。

 美しさ無限大(チャンソンのな?)

 

9、授業でヨジャ教師が教科書を朗読「そしてついに人魚姫は泡となって海に消えたのでした」・・・という内容だったかどうかは知らない。知らないが!!

チャンソンはヨジャの朗読する声をききつつ絶頂に達する。

それがこの表情

ここでワタシャ嫌な予感がしてきたよ!!!!

この表情でな!!なにこの学芸か

いや!これは演技プランなはず!暗い現在のシリアスな演技の反面、

高校時代は、じゃっかん無邪気な演技プランにしたってことよ、きっと!

 

10、早速ヨジャ教師のピンチ到来、クラスのひねくれもの登場(チッという演技が韓国ドラマど定番すぎてありがたい)。

ヨジャ「吉田君、授業中にLINEはやめなさい」

すると吉田君はカルシウムも足りないし親にも放置されているので速攻逆切れ、

ヨジャにくってかかり、もう少しで殴るのではくらいのこわさ。まさにはいすくーる落書き。

ヨジャ教師は教室を退散。

チャンソン、その場では何もできないが心配になりその後校内でヨジャを探す…

それがこれ

 

あ!!!

たんそ

 

 

ここまでが18分です。

では!!!

 

 

 


アナウンサー!春物語 第25話 後編

2013-10-09 16:00:00 | アナ春

元麻布、黄桜邸

 

レイはある決心を胸に黄桜邸を訪れていた。

女中に応接間に通され、しばらくすると良子がやってきた。

・ 

紅茶の置かれたテーブルを挟んでレイの真向かいに座る良子は

今日も仕立てのよい着物を着ている。

「驚いたわ?私のお願い、聞いてくれたんじゃなかったの?」

女優だった良子の声と見た目は、年を重ねた今も美しい。

良子が東活映画のスターだったころ、”野に咲く薔薇の花”というキャッチコピーを付けられていた事も納得できる。

そう、薔薇の花だ。

残酷な棘を隠し持つ彼女はいまや野に咲くそれではなく、

黄桜という温室で充分な養分を与えられ咲く、高級な薔薇となっていた。

お互い紅茶には手を付けず、視線を合わせる。

レイが口火をきった。

「一度お約束しましたが撤回させていただきます。わたし、賛成さんとは別れません」

すると良子は着物の袖から何かを取り出しレイの前に置いた。

茶封筒。

また、金か。

「はっきりおっしゃいな?お金が足りないの?」

「いいえ、お金はいりません。賛成さんから離れることはできません。それだけです。

きちんとお伝えしたかったんです。」

「あなた、わかっているの?八頭ノ小路の支援がないと、賛成ちゃんは全てを失うのよ?

 

(ファンチャンソン主演あなたのノワールいよいよ本日23:10KBSにて放映)

 

「それでも...離れられないんです、わたしたち。

賛成さんもすべてを知っています。お義母さまが私に言った事も、隠せませんでした」

賛成の前から消えろと言ったこと。

良子にとって息子には知られたくない事だろう。

しかし、良子は特に気にしていないように平然と紅茶をすする。

「私とお義母さまの問題だと思ったので、賛成さんには何も言わずに今日ここへ来ました。

お義母さまは...私のこと気に入らないと思います。

でも、出来れば認めていただきたいんです。だってつらいのは賛成さんだから」

(ファンチャンソン主演あなたのノワールいよいよ本日23:10KBSにて放映)

 

母親を憎みたい子供なんていない。

だから良子に歩み寄ってほしい。

しかし、

「お義母さまなどと…呼ばないで頂戴っ!」

良子の声が初めて、強く乱れた。

「おかあ…」

取り乱す良子が怖いというよりは…哀れだと感じた。。

「あなた...の言うとおり、一度は賛成さんの前から消えました。それが彼のためなら身をひこうと。

でも本当にそれが彼のためなんでしょうか?お金や権力や…」

「お金や権力より愛だっていいたいのね?」

「そう思っています」

「ふん、本当の貧しさを知らないのね...」

良子が遠い目をする。

彼女が戦争で父親を失い、母、兄弟を養うために早くから女優になったことはレイも知っていた。

この遠いまなざしはその貧しかった子供時代を思い出してのものなのか。

「レイさん、さっきわたくしに向かって”あなた”と言ったわね?

失礼よ。まったく、躾けのなってない娘(こ)ね!

愛だなんだというのは、持たないものが生きていくための慰めですよ。

いい?賛成ちゃんは生まれてから何不自由ない、いえ、最上級の暮らしをして来た子よ。

本当に何もなくなるという事を頭で理解しているかもしれない。でも実際に無かった事はないの。

賛成ちゃんが路頭に迷ってもいいの?あの子は貧乏暮しなんて出来る子じゃなくってよ?

愛しているというなら、まず相手の立場を考えるものでしょう?」」

 

(ファンチャンソン主演あなたのノワールいよいよ本日23:10KBSにて放映)

 

話は平行線どころか、どんどんと距離を開けてゆく。

レイは言い返したいことの多くを飲み込み、心を落ち着け冷静に言葉を選ぶ。

「立場は考えました。だから…消えたんです。でも…。

賛成さんの愛を、見てみぬふりをする事はできません。

そして私は彼を諦める事ができません。あなたは、愛を軽んじてますが、

私は愛を信じることができます、愛を裏切れません…!」

「ああ!あ--!!もう帰って!」

良子はついにヒステリーを起こし叫んだ。

「...はい、帰ります。言いたいことは、言わせていただきました」

「帰りなさい!帰って!」

レイはソファから立ち上がった。

高級な家具、食器、古いが手入れの行き届いた屋敷。

もう二度とここに来ることはないかもしれない。

「わたし…あなたをお義母さまとお呼びしたかったです」

良子の顔をじっと見る。しかし良子は視線を合わそうとはしない。

レイはその場を立ち去った。

良子は女中に水をもってこさせ一気に飲み干す。

頭に血がのぼる。

賛成ちゃんの愛?

あの小娘はよくもいけしゃあしゃあと・・・。

飲みほしたグラスを乱暴に机の上に置いた。

そのそばに-

さっき良子が置いた、金の入った茶封筒がそのままの形でそこにあった。

それは小汚く見え、出した自分がなんだかとてもみじめに思えた。

息子の事を考えて最善の方法を考えただけだ。

愛で生活は出来ない。

しかし-

母親としてなにかを見落としているかもしれない事は賛成が不良になった頃から感じていた。

 

その”なにか”を見て見ぬふりをして今まで来てしまったのだ。

(愛…)

ふと

今まで目の前にいた娘の真剣なまなざし、あれは、不良時代の賛成が時々良子に見せていた目と似ている―。

そう思った。

(あの娘の濁りのない瞳はなんなの…?愛を裏切れない?

なにを...台詞みたいな事をいっているの...映画でも言ったことなくてよ?)

いままでレイのように面と向かって良子に対峙し意見してくる人間などいなかった。

それはわけのわからぬ憤りとなって良子を不安定にさせた。

 

 

////////////////

渋谷、サイパー.com

 

「ホーリー!」

「俊!」

 

堀辺創と紀村俊、久々の再会。

二人の接点。

それはJの想像通りだ。

デイヴィッド・ベッカム。

ユニセフのボランティア活動を通じて知り合った堀辺創とベッカム。

一方、紀村とベッカムはWWF(世界自然保護基金)を通じて知り合った。

パンダマークに触発され(パンダグッズ目当てという事もあったが)以前から寄付金などの協力をしていた紀村と、

サッカーワールドカップ南アフリカ大会で人権ボールが発売された際、WWFに賛同し広報に尽力したベッカム。

 

(出典:共同通信社)

 

 

やがてベッカムを通じ知り合いになった紀村と堀辺はすぐに意気投合し、

ホーリー、俊、と呼び合う仲になったのだ。

「ホーリー、久しぶりだな。ロンドンでデイヴィッドとも話してたんだぜ?なにしてるかなってさ!」

創は微笑んでうなづく。

「なあ、メシいこうぜ?道玄坂にいいタイ料理があるんだ。好きだったろ?安いけどうまい店だ。ゆっくり話したいな」

「うん、俊。ほんとにそうしたいところなんだけどネ...いまから湾岸に行かなきゃならないんだ」

「湾岸?」

「...ああ」

創が言いにくそうに下を向いた。

「湾岸って」

俊は無言になる。

ホーリーこと堀辺創がJYグループの御曹司なのを俊は知っている。

JYグループ。アメリカの巨大企業。

その跡継ぎがこの時期日本を訪れ紀村、それから湾岸に行くと言っている。

何を意図してのことか、

東大理1を現役合格した俊は瞬時に悟った。

創が口を開く。

「俊、もうやめないか?敵対的TOB」

真剣な問いかけ。

「今からプチテレビに公式訪問する。ぼくが-ホワイトナイトだ。プチを助けるために日本に来た」

「なん...で?」

俊はわなわなとふるえていた。ホワイトナイト?プチを助ける?信じられない。

「俊、君には才能がある。それもビジネスセンスとアーティストセンスを兼ね備えた稀有な才能だ。

こんな不毛な戦いに注力するのはもうやめないか?」

「ホーリーお前!いつから知ってた?いつからこうする事考えてた?!」

「いつから?いつからかな...夏の初めかな?

いや、それより随分前から考えていたともいえる。ずっと、見守っていたから」

見守ってた?

何を?

「俊、一度仕切り直すんだ。敵対的にではなく友好的に。

プチテレビとサイパー.comが手を組めばすばらしい未来が開けると思うよ?

ぼくはそれを見てみたいなあ?」

玉澤社長×紀村社長、きっと魅力、無限大。

 

「悪いがぼくはサイパーについて調べさせてもらったよ。一連の株取得で資金は底をついているね?

このままじゃ、君の経営責任が問われる。身を滅ぼすぞ?」

確かに資金は底をついていた。

それでも買収を進める俊の強硬な姿勢に、サイパー社内でも経営責任を問う声があがっているのも事実だ。

俊は創の情報網の底知れない広さに怖れを感じた。やっぱり半端な企業じゃない、JYグループ。

「創」

うっ

「それでも俺はやめないよ?やりたいことはすべて叶えてきたんだから…今回だって…」

俊はかたくなだった。

「やりたいことじゃ、ないだろ?」

「……」

「俊、君にとってほんとにやりたい事をもう一度考えてみて?今やってることは…ただの復讐だ」

「もういい。プチテレビの味方を止めるつもりはないんだな?ホーリー?」

俊が創へ、ゆっくりとした口調で問いかけた。

「ああ」

創は一歩も引かなかった。

「おまえのこと、友達だと思ってた」

「友達だよ?俊、ぼくはずっと君の事が、大好きだよ?」

創は静かに部屋を去る。

また…俊は大切な人を失う喪失感を感じていた。

 

 

//////////////////////

プチテレビ副社長室

扉が突然開いた。

「おい賛成!堀辺創から正式訪問の依頼があったぞ!今日の17時だ!」

玉澤が興奮気味に部屋に入ってきた。

着替え中だった賛成は急いで腹を隠した。

「…すまん」

「いえ…」

「俺も着替えないとな…さっきまでソファでねてたよ」

しわしわのシャツを伸ばしながら玉澤がつぶやいた。

「公式訪問ですか…ついに」

賛成は吉田常務にも連絡し、三人で緊急打ち合わせを始めた。

「公式訪問ですか。ではニュース22を繰り上げて放送にのせましょう。

白日の下にさらしたほうがいい。あくまで我々は買収される側です。

世論をプチの味方につけましょう」

さすが切れ者の吉田常務だ。

 

「ぼくも吉田常務の意見に賛成です。すぐ各通信社、新聞社に連絡します。

あ、東経の顔を立てたいのでそこは任せてもらえますか?」

賛成はJにいち早く情報を伝えてやるつもりだ。

玉澤も賛成と吉田の意見に同意した。

「そうだな、それじゃあ俺たちと堀辺創との会談は張本右太郎に進行役をさせよう」

(右太郎 成田空港よりリムジンバスで都内へ移動中)

 

「それから紀村の様子も誰かにレポートさせるんだ。実況でつなごう。伊藤がいいかな?」

(伊藤純保 すいか割り、一分何個割れるかな?のロケ中)

 

「吉田常務は弁護士を呼んで説明しておいてくれ」

「はい。油断なりませんからね。紀村と接点があったならなおのこと…これは運命なのか…」

吉田常務も会社に泊まり込み昨日と同じシャツを着ている。

そう。

皆、疲弊しきっていた。

「いよいよだな…」

玉澤がつぶやく。

「はい、玉さん…」

いよいよだ…。

 

-第26話につづく-

いよいよです。

ファンチャンソン主演あなたのノワールいよいよ本日23:10KBSにて放映


アナウンサー!春物語 第25話 前編

2013-10-07 14:00:00 | アナ春

コンラッド潮留、スイートルーム。

 陽射しがまぶしい。

大きなベッドの上質なシーツの上をすべるようにして男が起き上がった。

堀辺創(ほりべ・つくる)。30歳。独身。

 

 

軽くシャワーを浴びるとルームサービスで最高級のコーヒーと朝食を頼んだ。

そしてニューヨークの自宅へ電話をかける。

 

「もしもし、こんな時間にすみません、まだ起きていましたか?総帥」

『ああ、創か。電話を待っていたよ。そっちは朝か?』

創は養父の事を仕事の場では総帥(そうすい)と呼んでいた。

「はい、いい天気です。これから社長と会います」

『そうか、くれぐれも頼むよ。…う、ゴホ、ゴホ」

電話の奥で咳き込む音が聞こえる。

「大丈夫ですか?!薬はきちんと飲んでます?ジョージに頼んだんだけど..」

『飲んどるよ、が、ジョージはさっきそっちにやった。

なにかと役に立つヤツだ、わしは大丈夫だから、お前が使いなさい。」

ジョージ、とは、総帥と創が使っている運転手だ。

スパイ活動もさせている。

「ジョージを日本に?!1人でどうするんです?あなたの体のほうが心配です!」

創は声を荒げる。

『なに、咳には慣れとる・・・1人にも慣れとる…』

そういう総帥の受話器越しに、もの哀しいピアノの調べが聞こえてきた。

「ああ、また聴いているんですね?”亡き王女のためのパヴァーヌ”…。」

この曲を聴くと総帥は必ず泣くのだ。

創はとても心配になる、泣くと体力を消耗する。

「ほどほどにしないと体にさわりますよ?」

『創よ、悲しくてたまらないときは泣いてしまうのも良いだろう・・・」

「ええ、でも泣いてばかりでは、治るものも治りません。病は気からと医者にいつも言われてるでしょ?」

「ああ、ああ。そうじゃな。とにかく大丈夫だから。そっちをくれぐれも頼むよ?」

「それは任せてください。総帥・・・、父さん、愛しています。またかけますね?」

創は電話を切った。

“亡き王女のためのパヴァーヌ”

また聞いている。あの古いレコードをひっぱり出してきて。

それは昔、父がデビューさせようとしていたピアニストの演奏をテスト録音したレコードだった。

創が父の養子になってから幾度となく聴いてきた曲。

いまでは創も弾けるようになった。

聴きながら父は哀しみに暮れ泣く。

 

このレコードを聴きながら涙を流す事は父の懺悔なのだ。

 

人は時に、過去を振り返らなければ生きる力さえ失ってしまう事がある。

本当の絶望とはそういうものだ。

創は5歳で父に引き取られた。

成長するにつれ、自分が父に引き取られたわけと、

”亡き王女のためのパヴァーヌ”を弾く演奏者が誰なのかを知った。

知ると同時に、創もまたそのピアノの演奏に幼いころの記憶を呼び覚ました。

実の父と母に手を繋がれていた事。

哀しい事故。

少年になった創は決意した。

引き取って育ててくれた父へ、出来る限りの恩返しをしよう。

一番の使命は、父の懺悔の気持ちを少しでも軽くしてあげる事。

創はその為にいま東京にいる。

「父さん、ぼくが守るからね?」

決意を胸に、創はコーヒーを飲みきり、シャワーを浴びにいった。

 

 

//////

プチテレビ近くのスタバ

 

賛成は店に着くとPCを拡げ資料を読むJを見つけた。

「J、おはよ!」

「朝からゴキゲンだな?」

Jは資料を読むのをやめ、賛成を席に座らせた。

「昨日接触できたよ、ホワイトナイトはJYのオーナーの養子だったんだ」

「JY?!巨大企業じゃないか!」

驚く賛成。

「ああ、日系アメリカ人、名前は堀辺創。なにか接点があるのか?」

ホリベツクル?

「いや、何も思い浮かばないな」

ちょっとまって、と賛成はコーヒーを買いにゆく。

Jに二杯目を差し出し自分も飲んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Jが続ける。

「投資会社は堀辺創、それからJYのオーナーである彼の父親のポケットマネーで作った会社だ。

つまりJYが企業戦略的にプチを助けようとか目論んでというより個人的な理由で投資しようとしている。

そうとしか思えない。」

「個人的投資?」

「ああ」

Jがコーヒーを飲む。

「J、どう思う?堀辺は本当にうちの味方だと思うか?」

「うん、それなんだがな。これを見てくれ」

PCの画面を賛成に向けた。

ユニセフ関連の画像が表示されていて、セレブの写真がならんでいる、アンジェリーナジョリー、デイビッドベッカム、黒柳テツコ…

「これがなんだ?」

「堀辺は十代の頃からユニセフのボランティアに熱心に参加していてね。

この写真は10年以上前アフリカへ行った時の写真なんだが…」

賛成はたくさんの写真をじっくりとみる。

有名人にまざってカヌーにのる、見たことのない男。

「これが堀辺創?」

 

 

 

 

「ああそうだ。でな?この写真なにか気がつかないか?」

ひとつの写真を拡大した。

それは

「たた玉澤さん?!」

「俺も驚いたよ。で、調べてみたら玉澤社長は12年前”クイズ世界はショーバイ!ショーバイ!”の取材でアフリカへ行ってたんだ。

しかもユニセフのボランティアの取材で!」

「じゃ、じゃあ玉さんは堀辺と接点が?」

「うん、それに、よく考えたらさ、、、この人、、、」

Jが黒柳テツコの写真を指差す。

「ああ?黒柳テツコがなに?」

「おいおい、賛成しらばっくれんな?玉澤さんは彼女の男だったって話あっただろ?」

ああ、そういえば昔そんなネタも。

「ややや、あれは面白おかしく書かれただけっしょ?それはどうかなー?さすがにー」

いや、玉さんならありうるかもしれない、ふと賛成は思った。

「テツコさんはユニセフの親善大使だから毎年ボランティアにくる堀辺と顔を合わせていた確率は高い。

俺は玉澤社長と堀辺は知り合いだと思ってるよ?」

「うーん、ってことは玉さんを助けようとホワイトナイトに?」

それならば味方か。

「いや、それがなあ。これ見てくれ」

Jが次の写真を見せる。

 

「デイビッド・ベッカムがなに?」

「うん…」

「彼の豪邸、ベッキンガム宮殿を日本人が購入する直前だったのは知ってる?」

「ああ、夏前に報道が出てたよね?」

「その日本人は紀村俊だ。もっと言えばベッカムと紀村は親友だ」

賛成は絶句した。

紀村とベッカム。

なにゆえ…。

サッカーボールがパンダ?

※お忘れかもしれないが、サイパー.comの企業マークはパンダだ。(第3話参照)

「つまり堀辺は紀村俊ともベッカムを通じて知り合いだと?」

「その確率は高いと思う。セレブってのは案外世界が狭いもんなんだ。

あ、セレブのお前に言うのも変な話だよな、ハハ。

だからお前も堀辺を知ってるもんだと思ってたんだが…。

なあ、プチへは堀辺から連絡はないのか?」

「ないな。とにかく俺は玉さんに聞いてみるよ」

賛成は急いでプチテレビに向かう。

 

 /////

プチ社長室

 

「堀辺創?知らないな?」

と、玉澤。

「その男がうちのホワイトナイトに名乗りを上げる寸前なんですが、ほんとに知りませんか?

ユニセフの番組で玉さんと同時期にアフリカでボランティアスタッフとして参加しています、あと」

「あと?」

賛成は黒柳テツコの事を言おうとしたが寸前でとどまった。

堀辺の写真はJからのメール待ちだ。

顔が良く見えるものがなかなかないと言っていた。

玉澤は苦渋の表情を浮かべている。

「まてよ?ホリベ・・・ホ・・Mr.H?」

玉澤はニューヨークのシュウコから来たメールを読み返した。

たしかにMr.Hと書いてある。

「玉さん、なにか?」

シュウコいわく、30才前後の九頭身。プチの内部情報をやたら知っている謎の男。

こいつのことなのか?

「なあ賛成、そいつの写真あるか?」

「いま来ました、これ!」

賛成がケイタイを玉澤に見せた。

「うん・・・ちょっと…わかんないなあ」

堀辺。アフリカ。クイズ世界はショーバイショーバイ。

見たような、ないような。

玉澤はニューヨークのシュウコに写真を転送し、すぐに電話をする。

『もしもし?』

シュウコの眠そうな声、あっちは夜だ。

「シュウコか?おい、いま送ったメール、写真をすぐ確認してくれ」

『ちょっと、こっち何時だと・・・』

「急ぎだ、早く!!」

はいはい、といいながら受話器越しのシュウコがメールを開いている。

「どうだ?この男に見覚えはあるか?」

『ちょっと待って....今受信してる。...来たわ。写真…。

あら、これ、これMr.Hよ?』

※J、執念の堀辺、大学卒アル画像、ゲット

 

やっぱり!

「どんな話をした?あの後会ったのか?」

『愛ちゃんがいた孤児院に行った帰り偶然会ったわね。

3歳の時両親を亡くして養子に出るまでそこにいたって」

「他には?プチの事とか?」

『うーん。すぐにお付きの変な外人が来ちゃったからなぁ。あ!伊藤は元気かって。

なんだか伊藤の事を凄く気にしていたわ。伊藤が全ての始まりだとか、僕はプチの味方だ、とか?』

「変な外人?」

『ええ、ジョージとかいう運転手。あのやり口はただの運転手じゃないわね。

用心棒とかスパイとか、そんな感じ。ねえ、彼がどうかした?』

「いや、何か思い出したら連絡して?じゃ!」

玉澤は一方的に電話を切った。

胸騒ぎがする。

「賛成、こいつはシュウコに接触していた男だ。うちの事をやたらと知っているらしい。

おまえ張本に外人がどうのって話、されてたよな?」

「ええ、湾岸合衆国の時、変な外人から株の件で警告をうけたと。それが?」

「Mr.H、いや、堀辺にはジョージっていう変な外人が用心棒みたいに付いてる。間違いないな、その外人が張本に接触したやつだ。

堀辺はサイパーがうちに買収をしかけることを、かなり前段階から知っていたんだ!」

「な…?!」

その時ドアがノックされ、秘書が入ってきた。

「社長、副社長、御電話です。」

「だれから?」

「堀辺創さんという方です。」

きたっ。

 

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成田空港第二ターミナル

 

サヤ子を追った右太郎は息を切らしながらやっと成田に到着した。

(いやだ、いやだ、いやだ。絶対にだめ!!)

なぜ今まで放置してしまったんだろう。

右太郎は悔やんだ。

「どこだよ!モナコ行の搭乗口!!」

掲示板を見上げる。

「どこ?!」

「どこーーーーーー?!」

その時。

”モナコ行きの最終案内を締め切りました”

成田空港第二ターミナルに、そのアナウンスが無情にも響き渡った。

「さささ、サヤちゃーーーーーーん!!!!」

俺がわるい。

怖くて、自信も無くて、聞かなかったんだ。

龍ヶ崎とモナコに行くの?

龍ヶ崎をまだ愛しているの?

怖くて怖くて。

バカだ。俺はバカだ。

逃げずに真っ向からぶつかればよかったのに。

どんな返事でも、サヤ子にもう一歩近付けたのに。

「おれ、バカだな…」

つぶやき、大きなため息をついた。

すると、誰かが後ろから右太郎の肩を叩く。

ふりかえるとそこには

「サヤちゃん?え?」

サヤ子がいた。

「なにやってんの?」

「なにって、サヤちゃんモナコ行ったんじゃないの?!」

「モナコ?」

「龍ヶ崎と・・航空券・・」

航空券を持っていたではないか。お気に入りのジャケットのポケットにしまって。

「ああ、なに、見たの?航空券」

「偶然…。ねえ、モナコ、行くの?」

真剣な目でサヤ子を見つめる。

「行かないで、ぼくのそばにいてくれないかな?」

右太郎、精一杯の勇気を振り絞って出した一言だった。

「最初からいくつもりなんてないわよ?」

「えじゃあなんで成田に…」

「膝!…あなたの膝、治せそうな医者がみつかったの。

今日トランジットで成田にいるから待ち時間にカルテ見てくれるって言われたの!」

「膝?俺の膝を頼みに、わざわざ?」

「まぁね…」

サヤ子は照れくさそうだった。

「だってモナコは?航空券持ってたじゃない?」

「スーパードクターを紹介してくれって先生に頼んだのよ。

その時モナコに誘われたの。チケットは勝手に送られてきた。でも断った。」

先生とは龍ヶ崎のことだ。

右太郎は自分の早合点だったこととサヤ子が断ったことに安心し、更に反省をする。

俺がふがいないばっかりに。

「ごめんね俺ってほんと…」

もっとしっかりしなきゃ、だめだ。

右太郎はサヤ子を抱きしめる。

「なんで何にも言わないのよ…ほんとバカ!バカうた!」

背中にまわした手で軽く右太郎の背中を叩きながらサヤ子がなじった。

「手術なんて諦めてたよ。言ってくればよかったのに、どうして内緒にしてた?」

「それは」

「うん?」

「もし…結果がダメだったら、ショックが大きいでしょ?その気にさせてガッカリさせたくなくって…」

「・・・・・・サヤちゃんって!」

なんて素敵なの!!

「好きだよ!」

「う、うたぁ!苦しいよ!」

右太郎がさらに強く、きつく、サヤ子を抱きしめたのだった。

 

 

-第25話後編につづく‐

 

 

 


アナウンサー!春物語 第25話 予告

2013-10-01 12:00:00 | アナ春

25話のあらすじ

ベールに包まれたその名を明らかにしたMr.Hこと堀辺創(ホリベツクル)。

彼は何故プチテレビを救おうと暗躍しているのか?Jの調査を皮切りに、徐々につまびらかになる過去と、それぞれとのつながり…。

一方、成田空港に到着した右太郎はサヤ子を探す。