平岩弓枝 著 「
類稀な美貌と才能に恵まれ、夢と志に向ってたゆまず努力を続けた男、田沼意次。
出会った者は皆その魅力に取り込まれ、身を捧げる。
幼馴染の龍介は喜んでその富と命を預け、お北はなさぬ仲と知りながら密かに二世の契りを誓った。
広く世界に目を向け、崩壊必至の幕府財政の建直しを目指して政敵松平定信との死闘を繰り広げる・・・・。
江戸時代の悪徳政治家の代表のごとく貶められてきた田沼意次。
だがそれは、彼を失脚させた政敵、松平定信が流した根も葉もない噂が原因だった。
意次は停滞する幕府経済政策の転換をはかり、印旛・手賀沼干拓、利根川掘割工事、蝦夷地の調査など精力的に改革を行う。
その一方で、思い合いながらも機会を逸して夫婦になることのできなかった、幼なじみのお北との愛を貫く。
人間・意次の魅力が十分につまった1冊です。