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備忘録

裏金と高知白バイ事件

2010-02-07 19:06:24 | 雑記録
 「不祥事」の関係者がその事件の関連部署に在籍する間は、その「不祥事」は存在しないこと。または「不祥事」として認識しないことにする。

 高知県警に限らず、全てのお役所はそうだろう。

 警官不祥事警察不祥事とは別で、前者の場合は警官が退職後(ほとんどが依願退職で懲戒免職は滅多にないが・・・)、「当時の巡査長を・・・」と不祥事発覚から謝罪や、公表までに時間をかける。

 その時間の中で不祥事の調査やもみ消し(笑)を企てるのは当たり前だとして、そういった時間稼ぎにはもう一つ理由があるのじゃないだろうか?

 管理職の人事異動による責任回避だ。警官不祥事が『痴漢』や『飲酒運転』など個人に属するものである場合は管理職の責任は文字通りの管理責任程度だろう。管理職も素直に頭を下げる、自分の責任じゃないってのはわかっているし、その様なことは警察に限ったことじゃない。

 『毎日、朝礼等で周知していたが、この様な不祥事を2度と・・・・』

 と、コメントして警察官不祥事は終わり。

 これが警察不祥事だとなるとそうはならない。全力を持って不祥事隠蔽を企てて警察官犯罪としての問題処理を企てる。それすらも無理なら、さらになり振り構わずに関係機関に圧力をかけるなどパワーゲームを選択する

 「県警裏金問題」と「高知白バイ事件」ともに高知県で発生している『警察不祥事』、わかりやすく言えば警察の組織的犯罪だ。

 オンブズマンによって裏金事件は告発され、しぶしぶ捜査に乗り出した高知地検は当事者達の事情聴取にある人物を同席させている。

 取調室で事実を伝えようとした警官は驚いた。県警から地検に出向していた高知県警の幹部が同席したというのだから、驚くのも無理はない。当然地検の捜査で事実を述べる警官が現れるわけが無い。

 県警裏金問題の隠蔽を図る県警の手法はたいしたものだ。

 オンブズマンの裏金問題追及を支えたのが高知新聞。高知新聞社にはかなりの圧力が県警からあったと思われる。しかし、現場の依光記者らは記事を書き続けた。その記者たちを支えたのが高知県民の声。

 いわば高知新聞と高知県民は支えあいつつ高知県警裏金問題を追及していた。当時の橋本大二郎高知県知事は調査委員会を立ち上げ、県民の期待に応えようとした。

 高知県警は明らかに窮地に追い込まれていた。その最中に高知白バイ事故という『警官不祥事』が発生した。事故原因は白バイ隊員の非常識な速度の高速運転だった。スリップ痕捏造などまともに事故処理をしていれば、スクールバス側にはけが人も無かったのだから、「以後気をつけます」で終わってこんな騒ぎにはなっていない。

 一部で言われたような、「亡くなられた隊員を殉職扱いにするために証拠捏造をした」なんてことはないだろう。あったとしても、ついでのオマケだろう。組織って物はそれほどやさしくはないし、馬鹿でもない。

 高知白バイ事件を警官不祥事にできなかった理由は『高知県警裏金問題」で高知新聞や県庁らに追い込まれていたからだろう。特に交事故案件となれば、迅速な処理が求められるから、その場しのぎの判断をしたんだと考えられる。


 「兎に角は、白バイの過失を隠蔽しろ。対応はその後だ」

 その判断はおそらく、事故発生後直ぐに退職した小松民生交通部長ら上層部の判断だ。そうでもなければ退職前の交通部長が事故現場に出向くことは考えにくい。交通部長直々の支持となればスリップ痕をつくれといわれても誰も逆らえない。いつも作っていたりしたらなおさらか・・・・

 交通部長のこの「最後のご奉公」はトンでもない事態を巻き起すことになるのは周知の事実だ。

 事故のから1年が経ち、高知白バイ事件で片岡さんの実刑判決が下された直後に県警本部長が県知事にある申し入れをした。県が進めていた県警捜査費執行実態に関する調査結果の公表の是非をめぐってのこと。

 「これを公表すれば知事は危うくなる」
 記事全文は → こちら

 この発言は当時は知事選を控えた時期だったから様々な憶測を呼んだ。

 高知新聞は県警本部長のこの発言を批判。しかし、橋本知事は沈黙し次の選挙には出馬をしなかった。

 県警本部長の発言があったのは07年6月13日。高知白バイ事件判決から約1週間後。
このブログの訪問者がまだ50人に満たない頃の話だ。高知新聞依光記者はペンを奪われ、記事をかけない日が続いたという。現在彼は朝日新聞に席をおいている

 この日から地元マスコミの県警に対する姿勢が変っていく。

                       続く

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