畑を掘り、木を彫り、石を彫り、超自然人!

退職後、自分に気ままな課題をちょっと与えて遊んでいます。

永青文庫所蔵の篆刻用印材

2017-02-22 10:03:13 | 篆刻


今月26日まで名古屋市美術館で永青文庫所蔵品の展覧会が開催されています。

永青文庫は細川家の歴代に亘る蒐集品が所蔵されています。

あるとき細川護煕氏の祖父が来客に向かって
「実はこの間ウチは火事で少しばかりモノが焼けた。まあ大したことはなかったがね」
「それは大変なことで、全く存じませんでしたが、いつそんなことが?」
「いや、それは応仁の乱の時ですよ」

祖父は洒脱で茶目っ気のある座談の名手だった、と護煕氏が書いて居られます。

細川護煕氏は始祖・頼有(1332-1391)から数えて26代だそうです。
そして驚くことに全て先祖代々の肖像画が残っている!

700年の長きに亘り武器武具・茶道具・古書画・陶器・彫刻、更に刀剣・禅画・
近代日本画・西洋絵画など約6千点、書籍など含めれば数万点に上るそうです。

特に近代書画・文具は護煕氏の祖父・護立氏(号・晴川)(1883-1970)が戦後に
集められています。(護貞氏による)

篆刻用印材はピンからキリで、安価な青田石は数百円程度から販売されていますが
同じ青田石でも結構高価なものもあります。

永青文庫では今では幻の印材ともいえる「田黄(でんおう)」そして色鮮やかな
「鶏血(けいけつ)」も所蔵されています。
これらは印材というより宝石というべきものです。
特に「田黄」は寿山郷(中国)と呼ばれる数キロ四方の山の中の水田で採れる石のことで
今では採掘されつくされているとされています。
評価額は想像もできません。

「鶏血」の印材も収蔵品では高さ20センチという巨大なものも収蔵されていますが
小生は実際に目にしたことはありません。
「鶏血」はまるで鶏の鶏冠の色のように鮮やかな朱色です。

篆刻用印材は軟質の岩石が良いとされ、中国では古くから「蠟石」が使用されてきました。
印材のほとんどが「蠟石」です。
石なのにどうして「蠟」に虫編がつくのか。
かっては蝋燭はミツバチの巣から採取される蜜蝋を芯の周りに塗り重ねて作られていた。

篆刻用印材は石なのにどうして鉄筆で刻れるのでしょう。

鉱物の硬さはモースの硬度で示されています。
以下、須藤定久氏の論文から。
軟らかい順に
硬度1・滑石、硬度2・石膏、硬度3・方解石、硬度4・ホタル石、硬度5・リン灰石、
硬度6・正長石、硬度7・石英、硬度8・トバーズ、硬度9・鋼玉、硬度10・ダイヤモンド

蠟石を構成する粘土鉱物は硬度1~1.5程度です。

話は変わって、印鑑の材質は篆刻と異なり柘・白檀・楓・黒檀・牛角・象牙(販売中止)などが
使用されています。

印材にご興味ある方はこの2月25日~3月5日、名古屋・松坂屋美術館で現代書道20人展が
開催され、篆刻では河野隆(かわのたかし)氏、尾崎蒼石氏の両氏が印材ともに出品されます
のでご覧になってください。(有料)

永青文庫の写真は引用。
また、印材写真は収蔵品と異なり、田黄と鶏血印材の色相としてご覧ください。

収蔵品は機会あれば東京・目白の永青文庫で拝見したいものです。
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