無煙喫煙冶具に関するブログです。

愛用のフィルター付紙巻煙草を使い、喫煙が憚れる所・場所でも、ニコチンが摂取出来る治具の開発に関する話です。

フィルター付き紙巻煙草のフィルターの役目(煙草導入管付きマウスピースの開発)

2014-03-09 12:33:25 | 日記
日本においては、葉巻やパイプ煙草や嗅ぎ煙草等はあまり愛用されていないようで、紙巻煙草を、愛用している方が多いようです。煙草の箱から取り出して、「火」を点けるだけですぐに喫煙が可能となる利便性が受けているようです。
 しかしながら、紙巻煙草は、煙草の葉と共に巻紙も燃やす為に、有害な物質が多く含まれているといわれています。そこでこれらの有害な物質を摂取したくないということから、フィルター付の紙巻煙草が、販売の主流になっているようです。
 ここで、フィルター付紙巻煙草による喫煙・ニコチン吸引のメカニズムを簡単に説明してみます。
①喫煙者は、フィルター付紙巻煙草の先端部に「火」をつけます。これが「火種」になります。この「火種」部分(燃焼部分)の温度は、600℃から900℃もあるために、この部分にあるニコチン(ニコチンの分解温度は、247℃)は、瞬時に分解され、なくなってしまいます。
②喫煙者がフィルター部より吸引した時、外気が取り込まれ、「火種」部分に外気中の酸素が供給され、「火種」は いきよいよく燃焼し、900℃位の温度になり、そこを通過する外気を「熱い空気」にします。
③この「熱い空気」が、「火種」より喫煙者側に近い煙草の葉を加熱して、ニコチンを蒸発させ、フィルター部を通過して喫煙者の口の中に運ばれます。この時同時に、「火種」部分で発生した、煙草の葉や巻紙が燃えることにより発生する「煙」も フィルター部を通過して喫煙者の口の中に運ばれます。
④この「煙」の中に、タールや一酸化炭素などの、体に有害といわれている物質が多く含まれているのですが、フィルター部を「煙」が通過するときに、その一部を取り除いてくれるのが、フィルター部の役目です。しかしながら、フィルター部は、これらの物質を取り除くときに、同時に ニコチン も一部取り除いてしまいます。

 以上が、フィルター付紙巻煙草の喫煙時の、ニコチン摂取のメカニズムですが、どの位のニコチンがフィルター部で取り除かれてしまうのか、興味があったので、ガスクロマトグラフ質量分析装置(TD-GC/MS)なる高価な分析機械を使って調べてもらったことがあります。
(試験試料)    Mild Seven 10mg
(ニコチン減少量) 約95%
(発生ガス減少量) 約97%
この結果からわかるように、発生したニコチンの 約95% が、フィルター部に 吸収されている結果となっています。Mild Seven 1mg であれば、発生したニコチンの ほぼ99%位は、フィルター部に吸収されていると思われます。
 以上の実験結果は、喫煙者によると、よくわかっているようで、あるモニターさんは、より多くのニコチンを摂取したいときは、フィルター部を 千切り取って、喫煙しているという方もおられました。
 煙草の根元まで喫煙されている方を見かけますが、上記のメカニズムから、「火種」から、少なくとも1cm位の部分の煙草の葉には、ニコチンが分解して 無くなって しまっているのですから、有害な「煙」のみを摂取することになりますので、要注意です。
 以上の実験結果から、開発に着手したのが「煙草導入管付きマウスピース」の開発です。無煙喫煙治具Lucky Sevenでは、巻紙や煙草の葉を燃焼させないので、有害な「煙」の発生は、ほとんどありません。(注;加熱温度が、160℃位から高くなると、ごく少量の有害な物質の発生が認められます。)すなわち、無煙喫煙治具Lucky Seven で、喫煙する場合、フィルター部は、有害な「煙」の発生は無いので、摂取したいニコチンを 減らす だけの作用でしかないのです。あるモニターさんのように フィルター部を 千切り取って 無煙喫煙治具Lucky Seven に セットするするのも一つの方法ですが、市販のフィルター付紙巻煙草がそのまま使えるという 開発コンセプトに 反することになります。(通常喫煙が出来る場所では、通常喫煙してもらう為にも、千切り取る は、選択肢ではない。)
 下記図を参照してください。J_2 Type の取扱説明書に記載の図面を使って、実際にフィルター付紙巻煙草(赤線で表示)をセットした状態の構造説明用の断面図です。


 無煙喫煙具Lucky Seven に挿入された フィルター付紙巻煙草は、ヒーターにより加熱され、煙草の葉から、ニコチンが蒸発してきます。加熱温度は、約140℃位なので、ニコチンは分解することなく、且つ、有害な「煙」の発生はほとんどありません。マウスピースA から喫煙者が吸引すると、煙草部挿入管内部、内管内部、内管と外管が造る空間 の気圧が低くなり、空気取入口から、外気が入ってきます。この外気は、内管と外管が造る空間を通り(この時、外管の内側と、内管の外側を この外気は冷却するので、外管の外側は熱いと感じないくらいの温度に保たれます。)この外気は、内管の右側から内管内部に入り、蒸発してきたニコチンと共に、煙草部挿入管の内部を通り、煙草部挿入管とフィルター部挿入管が造る空間を通って、穴 から、マウスピースB ⇒ マウスピースA ⇒ 喫煙者の口 と、運ばれます。喫煙者がマウスピースAから吸引した場合、フィルター部挿入管の内部を通る気流ができない為に、このニコチンと混ざった外気は、フィルター部挿入管の中にある フィルター部 を 通りません。すなわち、発生したニコチンは、フィルター部に吸収されること無く、100% 喫煙者の口に供給されることになるのです。(この詳細は、日本特許5070562号 に記載されています。)
 以上の説明で、どのようにして発生したニコチンが、フィルター部に吸収されること無く、100% 喫煙者に運ばれるかが おわかりいただけたでしょうか?
 ここで要注意は、1本のフィルター付紙巻煙草を この方法で喫煙した場合、通常の「火」をつけて、フィルター部から喫煙した場合に比べて、はるかに多くのニコチンが口の中に運ばれるので、ニコチンの摂取しすぎには注意してください。モニターさんの意見では、やはり、喫煙間隔 が 通常喫煙時に比べて、長くなっているようです。