スペイン便り Cartas desde España

ZaragozaとVitoriaでの日々の生活とサッカー観戦

Cabaret Ibérico en Zaragoza

2015-05-29 | 日記
ビール工場の見学に行った翌日夜11時に、とある店の前でKumikoさんと陶芸家の先生と待ち合わせた。
今夜はいわゆる“キャバレー”の見学である。

El Plata。1920年創業の老舗キャバレー。
1992年には一度閉店したが、2008年の万博を機に、営業を再開。
昨今の経済不況により、Zaragozaではこの店だけが残っているらしい。
営業時間は、木曜から土曜までの3日間のみ。しかも、始まりは夜の11時…。

平日のこの時間にもかかわらず、結構人が入っていた。
たまたま隣りに座っていたかたは、Barcelonaのキャバレーで働いているという男性であった。
仲間がショーに出るので、駆け付けたそうである。
一緒にいた上品な高齢の女性は奥さんかと思ったのだが、母親とのこと。聞けば80歳を超えていらっしゃるそうだが、とても若い。

ショーは3部構成で、ミュージカルの要素もあり、とても楽しめた。
しかし、終わったのは1時過ぎ。
あらためてエネルギッシュなスペイン人の一面を認識させられた、大人の社会科見学であった。






Ambar

2015-05-25 | グルメ
5月のある日、Kumikoさんからお誘いメールを受け取った。
Zaragozaにある、ビール工場の見学に行きませんかという内容であった。

いつもお世話になっている、Ambarビール。
平日ではあったが、妻と参加することにした。

Kumikoさんによれば、この企画は、日本から有名な陶芸家の先生が来られることがきっかけとのことであった。
当日朝10時30分に工場に行ったところ、すでに20名くらいの参加者が集まっていた。
そのなかに、1人の日本人男性をみつけ、挨拶をしたところ、その陶芸家のかたであった。

そもそもAmbarというビール名は会社の名前とばかり思っていたのだが、じつは違った。
会社はLa Zaragozanaという名前で、1900年の創業らしい。
Zaragozaのビールシェアの80%を占めるようだが、スペイン全土でのシェアはわずか数%。
まさに地元のビールである。
ちなみに、ámbarとはスペイン語で琥珀という意味である。

見学中は、Kumikoさんが通訳してくださり、なんとか理解することができた。
終わりには試飲会があり、1人2杯までビールを飲めた。

スーパーでは見かけない種類のビールもあり、とても美味しかった。

ビールだけでなく、ハモン(生ハム)などのタパ(前菜)も出され、これで無料らしいので、お得である(笑)。

ネットで調べてみると、Ambarは日本でも飲めるようだが、とんでもなく高い。
東京のとあるお店では、1杯980円とありびっくりした。ちなみに、こちらでは同じものが330mlで100円程度である…。
明日からまた美味しく飲ませていただこうと思う。


Barbacoa en Zaragoza y Huesca

2015-05-24 | グルメ
4月の終わりから5月にかけて、2回ほどバーベキューに誘われた。
ともに同じ友人からの誘いであったが、1回目は街の真ん中にある、友人のマンション。
2回目は、Zaragozaから北へおよそ70Km、Huescaという街にある、友人の別荘。

バーベキューをあらわすスペイン語は、“barbacoa”であるが、ものの本によれば、このスペイン語がバーベキューの語源らしい。
いまや日本でもBBQの表記はいたるところで見つけることができるが、まさかスペイン語が語源だとは知らなかった。

1回目の誘いを受けたとき、友人宅の住所を検索したのだが、そこは街の中心を通る、tranvia(トラム)の停留所の前であった。
こんなところでどうやってバーベキューをやるのかと思ったが、自宅に行ったら納得できた。
友人宅は6階建てマンションの最上階だった!
街中のマンションとは思えないくらい、ベランダが広く、そこにテーブルやいすが並べてあった。
しかも、お隣さんも来られていて、それは苦情もこないはずだ。
昼からはじめて、夜遅くまで、食べて飲んで、楽しんだ。


2回目はあいにくの天気であったが、昼頃にZaragozaで待ち合わせ、車2台に分乗して、別荘に向かった。
そこはHuesca市内からさらに北にある、とあるゴルフ場に隣接する、別荘地であった。
20人くらいの集まりであったが、庭も広く、楽しい時を過ごした。


帰りには、スペイン人と結婚されている日本人の方に誘われ、Zaragozaにある、Rohninという日本食の店に連れて行っていただいた。

軽くお茶のつもりが、いろいろな料理を出していただき、日付を越え、帰宅したのは3時近かった…。










Londres

2015-05-16 | 旅行
4月23日はSant Jordiの日という祝日である。
この日は『本の日』とも呼ばれ、親しい人や愛する人に本と花を贈る習慣となっている。

Zaragozaのメイン通りには、本の市が軒を並べ、大勢の人でにぎわっていた。通常の本でも10%オフになるらしい。
この人混みを尻目に、バスで空港へと向かった。
目的地は、ロンドン。7年ぶりの訪問である。
留学中の友人に会うことと、昨年秋にオープンした寿司屋に行くためであった。

Zaragozaの空港からわずか2時間足らず、LCCのひとつであるRyanAirを利用して、ロンドンのStansted空港に到着した。

この空港はロンドン市内から北東50Kmほどに位置するため、やや不便であるが、Stansted Expressに乗れば、40分程度でロンドン市内に着く。

まずは、ホテルに向かうため、Liverpool Streetの駅で地下鉄の切符を購入した。
ゾーン1の区間をパネルで選択したところ、1人4.7£(約850円)という表示が画面にあらわれた!!
何度か値段を確認して、一度クレジットカードを戻してしまった…。
あとで確認したところ、Oysterカード(Suicaのようなもの)を使用すれば、2.2£(約400円)で利用できるらしいが、それにしても高い。
7年前はそこまで驚いた記憶はないのだが、やはり生活環境の慣れというのは、何ともしがたい。

留学中の友人とは、2年ぶりの再会であった。
地下鉄の料金に驚いたという話しをしたところ、全体的に物価は高いようである。
友人のアパートの家賃は月に30万円台のようで、それでも安いほうらしい。
ここまでくると、もはや感心してしまうほどで、自分たちは到底この街には住めない。
遅くまでパブで話し込んだ後、スペインでの再会を約束して、トラファルガー広場で別れた。

翌日の昼食は念願であった、ラーメンを食べた。
1杯11~13£(約2000円)と高価であったが、やはり日本のラーメンは美味しかった(笑)。


夜は、寿司屋に向かった。

この店は、昨年10月ロンドンにオープンした。
店主とは、東京に店があるときからの付き合いで、かれこれ10年ちかく、懇意にさせていただいている。
お店の扉を開けて、奥さまにお会いし、お弟子さんの元気そうな顔を見たとき、ほっとした。
魚は全てこちらの食材を使われているが、東京のときと変わらない味を堪能することができた。
この地ならではの面白い話しや苦労話しを聞かせていただき、おおいに刺激をうけ、店をあとにした。

2泊3日の短い滞在であったが、7年ぶりのロンドンは大都会で、街の活気に圧倒された。
スペインでの生活に慣れ親しんでしまった自分たちのいまを、はからずも認識させられた旅であった。
ふと、東京で生活を送ることができるのだろうかと、不安を感じずにはいられない。

Mi primera visita a Vitoria-Gasteiz

2015-05-01 | 日記
4月半ばの木曜日、妻のスペイン語学校が終わるのを待って、Zaragoza Deliciasの駅に急いだ。今回の目的地はVitoria。
秋から移る予定のボスのところへ、挨拶に行くためである。
Zaragozaから、バスに揺られること3時間、Vitoria-Gasteiz(正式名称、GasteizとはVitoriaのバスク語での呼び名)のバスターミナルに着いた。


この街はバスク州の州都で、人口は25万人程度の小さな街である。
緑と食の街として知られ、これまでに、ヨーロッパグリーン首都やスペインガストロノミー首都に選ばれている。
街を歩いてみると、たしかに緑が多く、Zaragozaよりも、オーガナイズされている印象であった。


この日の夜、ひとりの日本人女性とお会いした。
Spainに来るまえに、日本でVitoriaを紹介したTVを観て、この街で生活されていることは知っていた。
ブログを通じて、連絡をとってみたところ、タイミングよく、お会いすることになった。

ホテルで待ち合わせた後、ご夫婦お薦めのレストランで食事をご一緒した。
夜遅くまで話しが盛り上がるなか、Vitoriaでの住居の話題になり、自分たちの持っているアパートを全面改修しているから、見て行かないかということになった。
偶然だが、これまたタイミングよく、9月末に完成予定とのことであった!
部屋はまだ工事の途中であったが、内装や備品がすべて新しい状態で、立地条件も良く、セキュリティーも問題なかった。
全く予定はしていなかったが、その場で借りさせていただくことに決めた。

翌日は、ボスのところに挨拶に行った。
メールでは何回かやりとりをしていたが、会うのは初めてであった。
スタッフを紹介してもらい、そのなかで中心的な役割を担っている、Monicaという女性と今後の仕事の話しをすることになった。
彼女に名刺を渡したところ、彼女はおもむろに机のなかにある、名刺の束を1枚ずつ確認しはじめた。
なんと、彼女は、自分が渡したものと同じ名刺をその束から取り出した!

一瞬きょとんとした表情の自分に対して、彼女はBarcelonaで会ったよねと言葉を発した。
その一言で、合点がいった。
Barcelonaの会議で彼女に話しかけた記憶が、映像とともによみがえってきた。
自分はすっかり忘れていたが、彼女は日本人からの名刺を見て、ピンときたようであった。

人生は本当に面白いと思う。
今回の訪問で、大切な人との出会いと思いがけない再会があった。
日本から遠く離れた、Spainにいるからこその“縁”なのかもしれない。

わずか20時間足らずの滞在であったが、想像していた以上に、有意義な訪問となった。
秋からのVitoria訪問が、少し現実のものになった、そんな実感をもちながら、帰りのバスに乗った。