中央社会保険医療協議会(中医協 厚生労働相の諮問機関)は2月8日、新型がん治療薬「キイトルーダ」の保険適用を承認した。
一部の皮膚がんと肺がんに対し、2月15日から保険が使える。
薬価は100ミリグラム1瓶約41万円、1日当たりでは3万9099円。
仮に1年間使い続けたとすると、年1427万円に上る計算だ。
免疫の働きを利用するがん治療薬の保険適用は国内で2例目。
類似作用のある先行薬「オプジーボ」(100ミリグラム1瓶約36万5千円)を参照し、1日当たり薬価が同水準になるように決めた。
患者数は年7300人、販売額は年544億円と予想されている。
キイトルーダは米製薬大手メルクが開発。
国内では昨年9月に製造販売が承認されたが、同時期に高価なオプジーボの薬価見直し議論が進んでいたため、メルクの日本法人・MSDが保険適用の申請を見送っていた。
MSDは治療を希望する患者の要望に応えるため、発売までの間、治験に参加した医療機関などに無償提供している。
この日の中医協では、適正使用を促す指針案も議論。
オプジーボは他の抗がん剤が効かなかった患者が対象だが、キイトルーダは他の抗がん剤治療を経験していなくても使える。
ただ、事前に薬が効く可能性を診断薬で確認することが条件だ。