日韓の複数の関係者によると、国連教育科学文化機関(ユネスコ)国際諮問委員会は10月30日までに、両国の自治体などが共同申請した江戸時代の外交資料「朝鮮通信使に関する記録」を「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録するようユネスコのイリナ・ボコバ事務局長に勧告する案を取りまとめた。
関係者によると、ボコバ氏は既に登録案件の最終選考を済ませており、近く発表する。
日本からはほかに、第2次大戦中に「命のビザ」で多くのユダヤ人難民を救った岐阜県出身の外交官杉原千畝の資料「杉原リスト」と、群馬県の古代石碑群「上野三碑」も申請されている。
朝鮮通信使は、朝鮮国王が徳川将軍家に派遣した使節団。
呉市や福山市鞆町、山口県上関町などを含む国内12都府県と韓国に外交文書や絵巻などが残っており、関係自治体などでつくる日本側の「朝鮮通信使緑地連絡協議会」と韓国側の「釜山文化財団」が共同で計333点の資料の登録を推進してきた。