国際人権団体アムネスティ・ンターナショナルは11月12日、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相に授与していた人権賞を撤回すると発表した。
イスラム教徒少数民族ロヒンギヤに対する迫害やメディア弾圧を阻止しなかったことに「大いに失望した」と批判した。
同氏を巡っては1991年に受賞したノーベル平和賞の剥奪を求める声も一部で上がっている。
アムネスティは、スー・チー氏が民主化運動指導者として軍事政権に軟禁されていた2009年、人権擁護で活躍した人に贈る「良心の大使」賞の授賞を決め、軟禁解除後の2012年に手渡した。
しかしスー・チー氏が2016年に事実上の政権トップに就いた後、国軍のロヒンギャ迫害、政権の報道締め付けに対処せず、人権や正義の擁護に自らの権力を用いなかったのは「恥ずべき裏切り行為だ」とし「もはや、あなたは希望や勇気の象徴ではない」と切り捨てた。
アムネスティはロヒンギャ迫害についてミャンマー国軍幹部の責任を指摘し、迫害の実行者だけでなく、ロヒンギャヘの反感をあおる政府関係者らの責任も追及するなど、スー・チー氏に対応強化を迫っていた。
アムネスティは11月11日付で賞の撤回方針を記した書面をスー・チー氏に送った。