中国が領土保全などに向けて審議を進める国内法「国家安全法」に、中国の主権維持や国家統一は台湾人の義務だ」とする条文が盛り込まれる可能性が出ており、台湾側は「(台湾を自国扱いする)一方的な試みだ」と反発を強めている。
条文の背景には、台湾での対中警戒感の高まりに対する中国側の危機感があるとみられる。
台湾独立志向の野党、民主進歩党による8年ぶりの政権復帰が現実味を増す来年1月の総統選を前に、問題はくすぶり続けそうだ。
中国は今月上旬、全国人民代表大会(全人代)のホームページに主権維持や国家統一、領土保全は「香港・マカオや台湾の同胞を含む全中国人の共同義務だ」との条文を盛り込んだ同法草案を掲載。
6月5日まで一般の意見を募るとしているが、施行時期などは不明。
台湾側は5月23日、台湾・金門島で行われた中国との閣僚級会談で「不満」を表明したが、中国側は台湾統一を目指す「一貫した立場」と強調、文言修正などに応じる構えは見せていない。
台湾では各紙が文言を取り上げ、法案の行方を注視。
中国政策を主管する大陸委員会の夏主任委員(閣僚)は立法院(国会)で「中
華民国(台湾)」の主権を強調したうえで、同法は「台湾人の感情を強く傷つける」と指摘。
「一つの中国」を掲げつつ共産党政権による一方的な統一は受け入れられないとする馬政権の立場を示した。
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